単独猟での安全を確保するツール類

単独猟をやっていると「危ないでしょ?」と心配してくれる人もいるし、それが高じて「危ないのにそんなことをやるなんて」と否定的に言う人もいます。
そりゃ、1人よりは複数の方が基本的には安全でしょう。ただ「危ないからやるな論」には反対で、それを言い始めたら、ほとんどすべての趣味は「危ないからやるな」で帰結します。
趣味のドライブは交通事故を誘発するからダメ。バイクなんてもってのほか。スキーもだめ。グループ登山も行かない方が安全だからダメ……。
法を守り、本人が理解して取り組む分にはその権利がある、というのがぼくの考えです。ただし、1点だけ情報発信をする立場から気にしていることはあります。
それは『楽しさを発信すると同時に、安全対策も発信すること』です。
ただし、この手の対策をすべて打つ必要があるとは思っていません。納得して、本人の判断で判断すればいい。ぼくはそういう立場です。
GPS端末
まずなにより道迷い遭難を防ぐために有力なのはGPSでしょうね。GPSに関してはいろんな記事を書いてきましたので、参考に2つほど挙げておきます。
とにかくGPSってのは便利です。なにしろ理論上はこれがあれば「現在地の特定」が誰にでもできます。GPSがない頃は経験と知識が無いとできないことでしたし、コンパスと地形図による位置の特定には時間もかかります。GPSなら秒です。
「楽をすることが必ずしも自分のためにはならない」という論もあるでしょうし、否定する気はありませんが、使える道具を適切に使うのも技術の1つだと思います。
※とはいえ、コンパスと地形図の使い方も覚えておきましょうね。
GPSウォッチ

これもGPS端末の範疇とは言えるでしょうけれど、一応分けておきます。
GPSウォッチはとても優秀はGPSサブ機だと思います。わたしはGARMINのFenix6 Proを使っていますが、いまfenixを買うなら7にしましょう。あるいはInstinctも良いです。

過去にFenixについて書いた記事もありますので、ご覧ください。
衛星通信 InReach

衛星通信と聞くと「そんなん極地冒険家とかが使うヤツでしょ?」と思うかもしれませんが、それは古い話。
いまは普通に使える価格になっていて、アメリカなんかのアウトドア事情を見ていると、使う人も少なくないようですよ。料金を含め、使用感などは下記の記事をご覧ください。
ぼくの活動域だとスマホは100%圏外。まったく通じません。関東にいた頃は「尾根に上がれば通じる」みたいな感じだったので、そういう環境なら必須だとまでは言いませんが、やっぱり通じにくい環境下では心強いし、単独行でのもっとも大きなリスクである、「行動不能になったときに気付いてもらえない」という問題に対する1つの答えだと思います。
ココヘリ

ココヘリは適切に使えば、大変有効なサービスだと思います。
思いっきりざっくり言えば、遭難時に場所を特定して助けてくれる、というもの。条件はあったりするので、その辺りはご自身で調べて納得してご利用ください。
単独行におけるリスクを大きく軽減してくれると思います。
スマホ
超基本的な話ですが、スマホって凄い便利なガジェットです。当たり前すぎて忘れてしまいますが、スマホがない頃の人に見せたら、よだれを垂らして欲しがるスーパーガジェットです。
GPS+地形図で位置情報の特定からナビゲーションまでやってくれるし、電波が通じれば電話で救助も呼べる。電話ができない微弱な電波環境でも、ゼロじゃないなら短文のメッセージくらいは家族に送れる可能性はあります。
また何かあったときに必要な情報を保存しておくこともできるわけですよ(緊急連絡先とか)。
そのすべてがポケットに収まるわけで、うまく活用するのはもう現代の必須技術だと思います。
とまぁ、いろいろあります。
というわけで、今の時代、その気になればこんな風にいろんな安全のためのガジェットやサービスがあります。
単独=危ない、と短絡的に考えず、「どうすれば自分が納得できる安全性を確保できるか」と考えてみることも必要だと思います。
また狩猟や登山の諸先輩方も、単独行者に「危ないからやめろ」と言うよりも、「危ないからこういう知識・道具は持っておけ」と具体的なアドバイスができたら理想的だな、と思います。その一端として、ツールでカバーできるものはツールでカバーする、とういのもありでしょう。
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