双眼鏡遍歴:使用モデルと使い方について
ぼくにとって、双眼鏡は狩猟の七つ道具的な重要なアイテムです。
これまで3つの双眼鏡を使ってきました。
この記事では、いろいろ使う中で変わっていく用途や携行方法などをツラツラと挙げてみたいと思います。
また、双眼鏡の基礎的な知識についてはこちらの記事をご覧ください。
最初はビクセンのアトレックIIシリーズ 8×42WP
42mmと、わりと大きな対物レンズのダハ式の双眼鏡です。これを「山での単独猟で持ち歩きたい」と思えるかどうかは、本人の体力によるかもしれません。ぼくはいけると思うタイプなんですが、「ムリだな〜」という意見もありましたね。
この双眼鏡を選んだのは1にも2にも、「見ていて気持ちが良い」ってことです。
覗いていると、「もっと見ていたい」と思うんですよ。携行性だけを重視するなら、本当に手のひらに収まるような、ジャケットのポケットに入るような双眼鏡だってあります。だけど、そういうのって「見える」けど、「見ていて気持ちが良い」とはならないんです。
携行方法としては、自作の双眼鏡ハーネスを使っていました。
いまだにこれが最強だと思うくらい、良いものですよ。北海道に来ていなければ、このハーネスを使うと思います。
アトレックライトBR 6×30WP
ある日、ビクセンの双眼鏡が壊れました。
散々山を連れ回していたからでしょうか。機密性が落ちて、レンズの内側が結露するようになりました。逆に言えば、結露していなければ使えるので、最近はドライブのお供として気軽に使っています。仮に結露しても獲物が獲れないわけじゃないし。
で「次の双眼鏡はどうしようかな〜」と悩んでいたところ、リロ氏から使ってない双眼鏡があると連絡をもらい、格安で譲ってもらったのが、このアトレックライト6×30です。
じつは「6倍のダハ」はかなり気になっていたので、お値打ちに試せるということで、すぐに購入させていただきました。
まず双眼鏡の倍率論争というのがあります(ないか?)。
手持ちで使おうと思うと10倍以上は手ぶれが気になる上に、対物がそれなりに大きくないと暗いため、必然的に大きく重くなります。なので歩く猟の場合は8倍が上限とぼくは勝手に思っています。
あとは4倍、6倍、8倍あたりは好みになってきます。8倍は遠くが見えるけど、視野が狭い。4倍だと、あまり「遠くが見える」って感じでもないけど、視野は広いし、肉眼で悩ましい場面の補助的に役に立つ。ってな感じでしょうか。
少しは狩猟というものに慣れてきて、最近はほとんどの場合、肉眼で獲物を見つけます。言い方を変えれば、双眼鏡への依存度は下がってきています。双眼鏡を使うのは「あれ? あそこにいる気がするけど……」という微妙な場面でしょう。双眼鏡で覗くと「ああ、木の裏にシカがいて、角だけ見えてるわ」みたいな感じで、肉眼で確信を持てないものを、確認するための道具です。
じつは最近使っているスコープが1.5〜6倍なので、その上限を越える8倍の必要性に疑問を持ちつつありました。同時に視野の広さへの憧れもあり、「広い視野でサッと広範囲に目を通したい」と思う場面が増えていたこともあります。
で、このアトレックライト6×30を試したところ「おおいいじゃん」まさに思っていたとおりで、視野の広さは嬉しいし、6倍という倍率で不足を感じる場面もあまりなく、対物レンズが小さいことから、全体のサイズ感もムリがない。片手で構えるときとか、非常にスムーズに感じました。
ヒノデ光学 6×30-B+
で、しっかり愛着を持って使える双眼鏡が欲しくて、あれこれ探し回って辿り着いたのが現在使用しているヒノデ光学さんの6×30-B+ってやつです。
これいいんですよ。見え味も良いんですが、手触りも良い。まぁ、本質的じゃないんですが……。寒い冬に持ちたくなる手触り。
価格は30,000円台と安くはないんですが、そこはひとつ安く買うテクニックがあります。
まずツァイス・ライカ・スワロフスキーの双眼鏡をウェブでたくさん見て回りましょう。とても魅力的な双眼鏡が並んでいます。買えそうですか? 買えないですよね? ちょっとひと息ついてヒノデ光学さんのページを見てください。下手すりゃ10分の1くらいの価格です。安い!
とまぁ、冗談はさておき、非常にコスパが良い双眼鏡だと思います。6倍の魅力はここまでで書いてきていますが、もう1点忘れちゃいけないのが「6×30」と「8×40」は同じ明るさってことです。
対物レンズが10mmも小さいのに、明るさが同じなんです。
個人的には双眼鏡の明るさは重要です。倍率より、明るさの方が重要だと思うほどです。薄暗い杉林の中、朝夕の傾いた陽の中、鬱蒼とした森の中……そこでこそ双眼鏡が活躍するんです。そんなときに暗いと「ああ、拡大されてもよくわからん」となります。
だから8×40が重いと感じる人は8×32とか8×30みたいに対物レンズを小さくして軽量化するよりも、いっそ倍率を落として明るさを保った方が幸福度が高いだろう、というのがぼくの考えです。
倍率についてはどの倍率が正解ってこともないので、今後もあれこれ試すかもしれませんが、ここ数年はこのヒノデ光学の6×30-B+で文句ない感じです。
また、持ち運びについては、以前使っていた簡易ハーネスでは問題が起きてきました。雪です。北海道に来て雪の中で歩くことが増えると、双眼鏡が雪に被り、使い物にならないんです。そこで導入したのがちゃんとしたビノハーネスです。
ちゃんとカバーされるし、身体にもフィットするので、快適ですね。無雪期なら、簡易ハーネスで良いと思っていますが、雨や雪の中では、この手のビノハーネスが最高です。
双眼鏡っていう趣味
双眼鏡って、それ単体が趣味になるくらい、ハマる人はハマる世界です。
コレクターのように集める人もいるし、御三家のツァイス・ライカ・スワロフスキーなどを買う人もいます。
コスパの良いやつを探すのも楽しいので、ぜひお店でいろいろ除き比べてみると良いと思いますが、店内は明るいので、どれも綺麗に見えるんですよね。薄暗い杉林で使ってこそ、良い双眼鏡が活きてくると、ぼくは思っています。
では。
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