〈衛星通信〉Garmin InReachを1年以上使ってきたので、改めてレビューをしてみる
Garmin InReachを1年以上使ってきたので、改めてご紹介とレビュー的なことをしてみたいと思います。
過去にInReach関係の記事を書いてきているので、併せてご覧ください。
過去記事:Garmin InReach Miniを手にして分かった使いどころ
総評:とてもよい!

ひとことで言えば、とても良いです。
性格や住環境、家庭環境などにもよると思うのですが、ぼくのライフスタイルには合っていると思っています。
第一に、ぼくが行く猟場は120%携帯は圏外です。車を停める場所はもちろん、そこに至るルートも途中からは圏外なので、一度猟場に向かったら、次に携帯の電波が入るのは、帰路の車中になります。
その携帯電波に頼らずメッセージを送れるInReachにはかなり感謝しています。
※ぼくが使っているのはInReach Miniの初期バージョンで、上記は新モデルになりますね。
使うシチュエーション
この手の衛星通信機器は「緊急時に使える」というスタンスで紹介されることが多いです。実際、InReach MiniにもSOS機能があり、ボタンひとつでレスキューを呼べることになっています。
それはそれで、もちろん緊急時には使う事になるでしょうけれど、日常的に価値を感じるのはそこではありません。
大きな価値は狩猟におけるいろんな「不測の事態」を伝えられること。
たとえば、ぼくは普段は明るいうちに帰るようにしていますが、もしも夕暮れ間際に獲物が獲れれば、獲物の回収・処理などもあり、かなり遅くなります。しかし先述の通り、携帯の電波は届きません。
「遅くなるよ」と伝えられれば、家族も安心できるし、こちらとしても安心してゆっくり作業に取り組めます。
また、狩猟では「A山に行こうと思ったけど、行ってみたら何かの事情(倒木・崩落・ほかのハンターがいるなど)で、B山に行くことにした」という感じの行き先変更もよくあることです。
そんなときに、家族に「今日はここでやるよ」と伝えておかないと、万が一レスキューが動くとき、まず助けてもらえませんし、家族にもレスキューにも迷惑をかけてしまいます。
InReach Miniには無料で送れるプリセットメッセージを3つ登録できますが、ぼくは下記を登録しています(実際には英語ですが、ここでは意訳を紹介しておきます)。
- 今日はここから始めるよ
- すべて順調、いまはここにいるよ
- 遅くなるけど、なにも問題ないよ
※ちなみにすべてのメッセージに自動で位置情報が付与されますので、メッセージを送るということは、位置情報を送るということを意味します。
これ以外にも数十円で自由にメッセージを送れるカスタムメッセージもあるので、そこには「ビバークします。問題ないです」みたいなものも登録してあります。
とにかく、プリセットメッセージは頻繁に使います。入山するときに、動作確認も含めて「今日はここから始めるよ」と送り、休憩だとか、大きく場所を変えたときには「すべて順調、いまはここにいるよ」と送り、遅くなりそうなら「遅くなるけど、なにも問題ないよ」と送る。
これだけで、かなりの安心感ですし、この範囲だと通信量は無料です。
GarminのGPSウォッチと連携させてる
で、実際の操作はというと、ぼくはGarminのGPSウォッチであるFenix 6と連携させています。
これを使うと時計から操作できるんです。そもそも、InReach Miniでプリセットメッセージを送るときはほとんど操作不要で、ピッピッピッと何度かボタンを押すだけでいいので、時計でも、InReach Mini本体でも、操作性の優劣はありません。
ぼくは山に入るときにInReachの電源を入れ、歩きながら「今日はここから始めるよ」のメッセージを送りますし、あとは行動中に適宜「すべて順調、いまはここにいるよ」のメッセージを送ります。InReach本体を触ることはありません。
位置情報の精度は?
ぼくがInReach Miniを買おうと思ったとき、「たまにおかしな位置情報が送られる」という話を聞きましたが、ぼくはたったの1度もそれは起きていません。
メッセージを送るとき、すべて自動的に自分にも送られるようにしており、帰宅後に必ず確認していますが、場所がおかしかったことはありません。
で、じつは1つ思い当たることがあって、それはInReachはメッセージを送るときにまだGPSを補足できていないと「GPSが補足できていないけど、おくっていい? それとも補足を待つ?」と出るんです、英語で。このときに補足できていないまま送ると、当然位置情報はめちゃくちゃです。
たぶんなんですが、英語のメッセージを読まず、「送る」を選んでしまったときに、位置情報がおかしくなるんじゃないかな?
ちゃんと「待つ」を選べば、自動的に補足を待ってから送ってくれます。深い谷間にいると、ちょっと時間がかかったりしますが、長い時でもせいぜい10分も待てば送られますので、必ず待ちましょう。
Garminも明らかにGPSを補足できていないなら、おかしい位置情報を送るより「位置情報なし」とかにした方がいいんじゃないかな?
スマホと連携もできる
無料で送れるプリセットメッセージとは別に、自由にメッセージを送りたいときはスマホとBluetoothで繋ぐと、スマホから送ることができるようになります。
頻繁に使うわけではありませんが、やっぱり便利ですね。
イーロン・マスクのStarlinkなんかも注視したいですね
イーロン・マスクのSpaceXもStarlinkという衛星通信サービスを日本で開始していますね。
まだぼくの用途だとGarminが圧倒的に優位ですが、それはそれとしても、衛星通信市場が拡大されるのは大歓迎。ユーザーが増えれば価格も安くなるだろうし、より使いやすい選択肢が増える可能性もあります。
昔だったら個人が持つのは考えられなかった衛星通信ですが、いまは普通に持つことができます。
猟場の携帯電波がない人は、考えてみてもいいと思います。
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