Garmin InReach Miniを手にして分かった使いどころ

最終更新日

Garmin InReach Miniを入手し、サブスクリプションも契約しました。あくまで町でのテスト利用ですが、実際に使ってもみました。

その軽い使用の範囲で、自分なりに思った「使いどころ」を書いてみたいと思います。

まず Garmin InReach ってなに?

たぶん知らない人も多いと思うので、軽く説明します。

InReachは衛星通信ガジェットです。携帯回線とは違い、宇宙を飛び交う衛星を使って通信を行うので、世界中どこにいても繋がります。地球上のどこにいても “空に浮かぶ衛星さえ見える場所なら” 圏外はありません。

電話ではなく、メッセージだけです。いわゆるSMSみたいな感じで、アルファベットだけの160字という制限があります。

これに加えて、GARMIN製品だから当然GPS端末としての機能もあります。どんなメッセージを送っても、そのメッセージには自動的にその場所が記録されます。

つまりまとめると “衛星を使い、世界中どこからでも位置情報付きのメッセージを送れるガジェット” というわけ。

 

なぜこれを導入したか?

InReachを導入した理由はこちらの記事で書きました。わたしなりの道具哲学にも関わることなので、ぜひご一読を。

【Garmin】最近気になっている衛星通信について、そしてそれを狩猟に導入する意味について【InReach】

 

手にして分かった使いどころ

実際にちゃんとサブスクリプションを契約して使える状態にしました。サプスクのプランは3通りあり、それぞれ送れるメッセージの数などが違います。

 

1.プリセットメッセージは送り放題じゃん!

じつはどの契約でも「プリセットメッセージ」は送り放題なんです。

一方、カスタムメッセージは(ぼくが契約した1番安い契約だと)月に10件まで。それ以降は1件$0.5。緊急時は躊躇なく使えばいいと思いますが、一応毎回お金が掛かることは覚えておきたいですね。でもプリセットメッセージは無料。無制限。

送り放題なので、本当に気楽に使えます。たとえば「帰りが遅くなるけど問題はない」みたいなメッセージをプリセットしておけば、いつでも送れます。あるいは入山地点「ここから入山」みたいなメッセージをセットするのも良いですね。

送り放題できるってすごいことです。ケチケチせずに送ることができます。

 

2.クイックメッセージの存在がありがたい

プリセットメッセージと似ているけど、ちょっと違うのが「クイックメッセージ」。

こちらは事前に文章を作っておくのは変わらないのですが、送信先は送るときに決めることができます。そして送り放題ではありません。いわゆるカスタムメッセージの範疇になるので、僕の契約だと月に10件まで無料。あとは1件$0.5、というわけ。

お金は掛かりますが、そんなことより重要なのが「事前に文章を作っておけることのありがたさ」です。

InReach Miniはその小ささゆえにタイピングが絶望的に苦手です。めちゃくちゃ時間がかかります。よっぽどのことがなければ使いたくないレベルです。しかしプリセットメッセージは10個も作れるので、簡単操作で送れます。

これの有る無しではまったく使い勝手が違ってきます。

 

2.スマホと連携すればカスタムメッセージもいける

正直、InReach Mini単体でカスタムメッセージを送る気にはなれません。ボタンが少なく、細かい操作が絶望的に難しく、かなりめんどくさいんです。

そこでスマホをつなぎ、Earthmateというアプリを使えば、まるでスマホでメッセージを送るような操作感で衛星通信を使ったメッセージを送ることができます。

月に10件までで、それ以降は有料になるし、スマホとつなぐ操作は簡単ですが、それでも山の中でちまちまとスマホとつないで送るのは面倒です。頻繁にはやらないと思いますが、どうしても必要なら「できる」。それはありがたいことです。

 

3.ナビゲーション用としては微妙

ナビゲーション用のガジェットとして使えるかな、と思っていましたが、その点においてはかなり使えないです。

一応、ウェイポイントを登録して、そこにナビゲーションすることはできますが、そこでわかることは「こっちの方向に、これくらいの距離だよ」という情報だけ。地形図もないし、それどころか、そこまで歩いてきたルートの図示も出来ません(トラッキングの記録をとることは出来るけど、Miniの上で見ることが出来ない。スマホ上で見える)。

トラックバックという機能はありますが、それも「こっちのこれくらいの距離」と言われるだけで、全体像は掴めません。

たとえば行き先が決まっている山行ならば、使いようはありますが、ぼくのように縦横無尽に山を歩き、帰るときに使いたい、というタイプだとちょっと力不足ですね。

それならGPS系のガジェット(eTrexなど)の方がはるかに使いやすいですね。

一応、バックアップ的に「駐車地点」を登録しておき、どうしても必要なら、そこに向かってナビゲーションして貰おうとは思っていますが、あくまで他の手段(スマホのGPSアプリなど)がダメなときだけですね。

 

InReach Miniは「衛星プリセットメッセージ送信機」

InReach Miniは「衛星プリセットメッセージ送信機」というのが僕の理解です。プリセットメッセージを送り放題であり、基本的にその為だけに持っているというイメージ。

プリセットメッセージは3つしか作れないので、かなり頭を使いますが、ぼくは概ね以下の通りの3メッセージを使うつもりです。

  1. 今から帰る
  2. 遅くなるけど、問題なし
  3. 帰れないけど、問題なし(野営するよ)

問題があるときはSOSボタンがあるし、SOSするほどでない問題なら、スマホと連携してカスタムメッセージを送ればいいだろうと思っています。GPSを使ったナビゲーションはぼくは常用しないですね。

また、帰れないときなどはメッセージしたとしても心配をかけると思います。そういうときはまずプリセットメッセージを送っておき、野営地を決めて落ち着いてからゆっくりスマホをつないで、何が起きたのかを説明すると思います。1通0.5ドルですが、たまにしか起きないことなので、そういうときは遠慮なく使える金額だと思います。

 

過去に書いたこちらの記事にある通り、ぼくはこれらのメッセージを送ることで、行動が広がると確信しています。

【Garmin】最近気になっている衛星通信について、そしてそれを狩猟に導入する意味について【InReach】

 

GPS・ナビゲーション的な機能は使えなくて問題なし。でも、そのあたりを重視する人は Garmin GPSMAP 66i を使うのもありだと思います。こちらはナビゲーションも十分に使えそうだし、衛星通信はもちろんです。パッと見た感じでは eTrex30 と InReach Mini の合体みたいな? 感じでしょうか。

ぼくはeTrex30を持っているので、66iを急いで買う必要性は感じませんでしたが、もしeTrex30を持ってなかったら、背伸びして買った可能性はあります。

単独猟が危ない?

単独忍び猟をやっていると「1人で山に入るのは危ない」という意見が時々耳に入ります。

正直、それに対して言いたいことはたくさんあるんですが、まぁある種の危なさはありますよね。それに対してかなり有力な対策の1つになるのではないかと思っています。

 

今後、実際に使いながら、またレビューはしていきますね。

 


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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