【衝撃】熊スプレー自爆で知る、熊スプレーの威力
やっちまいました。
熊対策には熊スプレーが1番、と常々思っていますもんで、山の荷物の中にはいつも熊スプレーが転がっています。
見たことがある人は分かりますが、熊スプレーは誤発射防止のために、ロック機構が付いているのですが……嗚呼。
事故は一瞬
うちは宿業をやっているもので、朝から清掃をしていました。ぼくの担当エリアが大体終わったので、自分の荷物を片付けようと、山道具をいじっていたときのことです。
山の荷物をちょっと動かそうと、ウェストポーチを持ち上げました。
プシュッ!
と音が聞こえました。イメージとしては缶ビールを開けるときの「プシュッ」に近いです。あるいはコカコーラを開けるときの「プシュッ」。
なにかと思えば、熊スプレーが噴射されたのです。
当然、こういったスプレーは必ずロック機構があります。

しかし、いつのまにか外れていたようです。

大事なコトなので、状況を説明すると、床にあるウェストポーチを持ち上げようとしており、手が伸びきった状態(つまり、顔や身体から1番離した状態)で、自分から遠ざかる方向に噴射されました。
「あ、熊スプレーが出ちゃったなぁ」
と軽く考えること1秒ほど。直後に熊スプレーを持っていた右手と、右目が痛み始めます。
「急げ!」
と走って洗面所に行き、流水で目と手を洗います。しかし——
咳がとま、、らない、、、
大急ぎで流水に流した目と手は大したことなかったのですが、急に喉が焼け付いた感じで咳が止まらなくなります。
息ができないレベルです。窓の外に顔を出し、新鮮な空気を吸うと一気に楽になります。
たった一瞬のことでしたが、部屋中にトオガラシ成分が広がったようです。
と思ったら、2階の清掃をしていた妻が咳き込んでいるのが聞こえました。
事情を知っている自分はともかく、事情を知らずにこれだけ咳き込むのは怖いだろうと、大急ぎで事情を伝えに行きます。その為にはもっとも震源地に近い場所を通らなくてはならず、またもや咳き込みつつ、妻とバイトの女の子の元へと向かいます。
「窓から顔を出して、まずは息して」
と、何はともあれ伝えます。これだけ伝えるのも苦しいくらい咳き込んでいます。実際の口調で書くなら——
「窓ゲホゲホ、から顔ゲホゲホ、出してゲホゲホ」
みたいな感じです。事情なんて説明できませんが、幸いなのが、とにかく新鮮な空気に触れれば息もできるし咳もだいぶ治まること。
みんなで顔を外に突きだしたまま熊スプレーが誤噴射したことを伝えます。ただの唐辛子だから、痛くて苦しいけど、しばらく我慢すれば大丈夫——ということを伝えて、とにかくパニックにならないようにします。
幸い、みんな笑って「なんだそれ〜!」って感じでした。良いメンバーです笑
うちの建物が3階建て。事故の震源地は1階の階段近く。噴射の1~2分後には階段を通じて3階まで唐辛子成分が漂っていました。
つまり階段は全部汚染された状態です。みんなで駆け下りて、外に出てしばし休みます。
外にさえ出ればひとまずは大丈夫でしたが、目の前で噴射したぼくは腕がヒリヒリと痛みます。感覚としては重度の日焼けでしょうか。冷やすと痛みは抜けますが、それをやめるとすぐに傷みます。
換気と掃除
さて、窓は全部開放したうえで、扇風機などを使い空気をガンガン回転させていきます。家にあった空気清浄機もフル稼働させ、震源地近くの床などは拭き掃除をします。
すでに噴射から20分は経っていましたが、ダメですね。刺激こそ減ってはいましたが、震源地近くを通ると咳が出ます。
「だめだこりゃ」
ということで、そのままごはんを食べに行き、帰ってくるとかなり匂いは減ってましたね。ここまで誤噴射から約1.5時間。
さらに昼寝をして、1.5時間も過ぎる頃にはほとんど刺激がない状態にはなりました。でもちょっと唐辛子臭?はあります。腕のヒリヒリも概ね収まり、軽度の日焼けくらいの感じになりました(そしてこれを書いています)。
※ちなみに誤噴射から12時間が経ち、何度も手を洗い、風呂にも入りましたが、まだぼくの右手は唐辛子成分を抱えているようで、右手を舐めると舌が痛くなります。目や鼻を触るとしばらく傷みます。つらい……。
振り返って確信する熊スプレーの威力

誤噴射直後に慌てて目を洗い、うがいをしたのは大正解でした。おかげで目を開けていることができました。あそこで横着していたり、あるいはもっと直接目に入っていたら、まずしばらくは目を開けることはできないでしょう。
こいつは強力な武器です。
そして諸刃の剣です。
今は確信を持って言えます。これは熊対策としては有効ですよ。目の前にいる熊にこれを浴びせれば、確実に目も開けられず、咳き込んでまともな行動はできなくなるでしょう。同時に、たぶん自分もくらいます。でも、熊に引っかかれるよりは100万倍マシです。
たとえば人間の顔に向けて0.5秒噴射したら、確実に行動不能になります。このスプレーの最大噴射時間は10秒以下で、ずいぶん短いなと思っていましたが、この威力なら十分かもしれないとさえ思います。
これを書いている今も、まだ腕がヒリヒリしています。
みなさまにおかれましては、こんな事故を起こさないようにくれぐれもご注意を。
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