狩猟で使えるいろんなGPSを使ってきたのでメリットデメリットなどを挙げてみる
はからずも、これまでいろんなGPSガジェットを使ってきました。振り返って見れば、マニアと呼ばれそうなくらい、いろんな種類を網羅しつつあります。
そこで自分なりの考えや、メリットデメリットなどをザーッと書いてみます。
みなさまのGPS選びのひとつの情報となれば幸いです。
【導入】GPSをもつ価値
GPSとひと言で言っても、その用途は多様です。パッと考えられるだけでも——
- 現在地の把握
- 道迷い防止
- 位置情報のメモ(「ここで熊の糞をみた」など)
- 行動計画を立てるために使う
- 仲間との位置関係の把握のため
- 犬の位置の把握のため
- 狩猟禁止エリア把握のため
何を重視するかによって、選ぶGPSガジェットは微妙に違います。また用途とは別に「依存度」もガジェット選びに大いに関係します。
たとえば「GPSめったに使わないけど、念のため持っておく」という人と、「GPS頼りで1日行動する」という人とでは、求められる機能が異なりますよね。
では、見ていきましょう——
GPS専用端末
たとえば上記のようなeTrexのような専用端末です。GPS端末を! と考え始めると、まずこの辺りをチェックするのではないでしょうか?
メリットは何より「専用であること」です。専用でないもの(つまりスマホのGPS機能など)は、いろんな用途で使うため、GPSを使っていないのに、SNSを見てたり、写真を撮ったりして、気付けばバッテリー切れになることもあるでしょう。その点、専用端末はバッテリーの持ちを管理しやすいですね。
操作性も良かったりします。ただ、これはちょっと微妙なところがあり、スマホのGPSアプリの方が使いやすいと感じる部分もあります。ただ、ぼくが使っていたeTrexに関して言えば、グローブを装着したまま使えるという点で圧倒的に良かったです。そのあたり、やっぱり「山のために作ったガジェットである」という点が活きてきますね。
デメリットは荷物が増えることと、それなりの価格になる点でしょう。
※eTrex自体への不満はまた別にありますが、それは個別の端末の話になるので控えます。
冬山でガンガン使うつもりで、しかも未知の領域にグイグイ入っていくなら、強い味方になると思います。
スマホのGPSアプリ
ぼくはジオグラフィカを愛用していますが、他にもYAMAPなども有名です。
この手のGPSアプリの強みはまず導入の簡単さでしょう。スマホはすでにあるとして、アプリは無料か、千円程度の安価な課金くらいのものです。専用端末は何万円もすることを考えれば “タダ同然” と言ってもさしつかえないはず。
また使い方もスマホユーザには直感的で、パッと開いて位置を把握するくらいならマニュアル不要でしょう。
(まぁ、オフライン地図など、大事な知識も必要だから、マニュアルは読んでおきましょ)
もう1つ大きなメリットは画面の大きさです。専用端末でも、こんなに大きな画面で位置+地図を見られるガジェットはそうそうありません。
そして質量ゼロ(どうせスマホは持っていると考えれば、GPSアプリの重さはゼロ)。
デメリットは専用端末の裏返しで、スマホ自体の用途が広く、油断するといざという時にバッテリー切れになっているというリスクと、機会としての脆弱さですね。
「落としたら割れちゃう」というのは、山で使う道具としては繊細すぎます。またスマホのモデルによっては防水性なども甘いかもしれません。
まぁ、バッテリーも脆弱さも割と簡単にカバーできます。外部バッテリーを携行し、それなりのスマホカバーをつければ良いわけです(ただ、質量ゼロのメリットは消える)。
正直、山に行く人は使う使わない問わず、全員がインストールしておくべきだと思っています。
GPSウォッチ
わたしはGARMINのfenix 6を愛用しています。山でも日常でもずーっとつけっぱなしです。
コイツの強みはとにかく「腕にある」ということでしょう。パッと腕を見るだけで現在地がわかり、次の行動を決められるというのはすごいメリットです。また専用端末と同様に、グローブをしたままでも操作できます(まぁ、そもそもそれほど複雑な操作を必要としない)。
デメリットは画面の小ささ、と操作性の悪さです(そもそもそれほど操作しないですけどね)。
画面は時計盤の大きさなので、その山域の土地勘がないと「結局、ここはどこなんだ?」と地図を拡大したり縮小したりして、位置の把握が要求されます。そしてそういう操作は決してやりやすいわけじゃないです。やろうと思えばやれる、という程度。
というか、その手の操作をしようとすると、左手を上げ、右手で操作するので両手を使う羽目になります。スマホや専用端末なら、片手で操作できますからね。
画面の小ささもあり「計画を立てる」という点では使いにくいです。ここでいう「計画」は、なにもたいそうなものではなく、「これからどうしようかな〜、東の尾根を越えようかな〜、う〜ん」みたいに山の中で次の行動を決める際のちょっとした計画も含みます。この点ではスマホ最強(画面でかい)。逆にある程度の計画が立っているなら、GPSウォッチで現在地の確認+軌道修正をするのがいい感じ。
犬用端末:ドッグナビ
これはまだ実用していないので、あくまでファーストインプレッション的な位置づけになりますことをご了承ください。
ただ、これはGPSガジェットの中でももっとも特殊用途です。犬の位置を知るという点においては唯一無二です。
狩猟者端末が結構デカいので、犬がいないならあんまり使い道ないかな〜と思うのですが、ヒト検知機能を使って、ハンター同士の位置関係を共有するにもいいですね。このあたり実感を持って語れないので申し訳ないです。
ソロ山行のGPS:専用端末・アプリ・ウォッチ
ドッグナビは特殊用途なので、おいておくとして、専用端末・アプリ・ウォッチをどう使いこなすか? って感じになりますね。
ソロで狩猟をやるなら、とりあえず黙ってアプリは入れておきましょう。無料版でいいので。
そこから先はGPS依存度によって変わると思います。ただ、1つ強調しておきたいのは「依存度は経験で変わる」ということです。
たとえば狩猟を始めた初年度は、山へも不慣れでしょうから、行くところが毎回「初めて」になるわけです。でも2〜3年目になると、ある程度はパターン化され、行く場所も定番化して、「そういえば最近はGPSを見る頻度が減ったな」なんて感じになるんです。
ただ「新しい山に行くのがおもしろい」という感じで、知らない山域をガンガン攻めるタイプなら、きっとGPSへの依存度も高くなりやすいし、そうでないなら、3年目にはほとんど不要って感じになるかもしれません。
あとは環境の厳しさも考えるべきです。
北海道などの寒い地域ではバッテリーもシビアで、グローブも必然。そうなるとスマホってあんまり使いたくないんですよね。ぼくも厳冬になるとスマホは一切使わないです。それを前提に、依存度がどうなるかを考えなくてはいけません。
使うならやっぱり専用端末やウォッチが便利。ぼくの場合は山域的には慣れた場所を中心にしつつも、足跡につられて知らないエリアに引っ張り出されることも多いです。そういうときはGPSウォッチを重宝します。足跡を追いながら「これは何処に向かってんだ?」と想像するのに役立ちます。
焦って専用端末やウォッチに投資するより、スマホ+外部バッテリー
まぁ、結論ですが、これから狩猟をやるなら——それもソロでやろうとしてるなら——焦って専用端末を買うよりも、スマホに外部バッテリーを買うのが先決だと思います。
そこから自分のスタイルとお財布事情に応じて、専用端末かウォッチを買うかどうかって感じですね。
結局スマホが優秀なんですよ。寒い地域でもない限り、スマホでイケちゃう気がします。
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