書評『モリさんの狩猟生活』単独猟が好きな熊猟師の言葉

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『モリさんの狩猟生活』は最近発売された本ですね。モリさんは奥利根でツキノワグマを狩っているハンターです。彼の考え方は共感することも多くて、読んでいて頷くことが多いです。

『モリさんの狩猟生活』

狩猟について詳しくなりたいあなたへ。
群馬・奥利根の番人でクマ猟師・モリさんこと高柳盛芳氏が語るクマのこと、狩猟のこと、あれこれ。

群馬県奥利根の名物クマ猟師、高柳盛芳氏が自身の狩猟生活45年で経験したクマ猟の昔と現在を語りつくす。

●1章 モリさんの狩猟生活
狩猟に憧れた少年時代・クマ撃ち修行時代・狩猟の実際・鉄砲の扱い方・狩猟に向く人、向かない人
●2章 刃物の本質
いい刃物とは・種類と選び方・扱いと研ぎ方
●3章 山のめぐみ渓のめぐみ
奥利根で山菜採り&食べ方・秋はマイタケ採り・夏は釣り(ルアーとテンカラの話)
●特別対談 クマ研究者山﨑晃司氏×クマ猟師モリさんのツキノワグマについて

引用:群馬・奥利根の名クマ猟師が語る-モリさんの狩猟生活

 

モリさんの本はこれが初めてではありません。まず、『モリさんの野遊び作法』がありましたね。こちらは狩猟に限らず、山遊びのアレコレ、つまり狩猟・釣り・山菜採りなどについてざっくばらんに語られている本になります。

書評『モリさんの野遊び作法』剣鉈使いの人は読んで損なし

 

また、モリさんの著書ではありませんが、ナイフマガジンの中にモリさん監修の剣鉈特集があります。こちらの写真がいけてて良い目の保養になります。

書評『ナイフマガジン 2011年8月』剣鉈の特集が為になります

 

とまぁ、わたしはなんとなく「剣鉈ユーザであるモリさん」という印象を持っていまして、同じく剣鉈ユーザとしては見逃せない存在なのです。今回の『モリさんの狩猟生活』でも、剣鉈を含めた刃物の話題はやはりあります。もちろん狩猟基点に語られているので、初心者ハンターにも参考になることが多いものです。

狩猟に興味がある人、初めてばかりの人にはよい本だと思いますよ〜。

 

単独猟師としてのモリさん

「本当は単独猟が好きな理由」として、モリさんは主に安全性のことを挙げています。

実際の事故の多くはグループ猟の時に起きているっていうのが実態なんさ。
(中略)
巻き狩りでタツメやっているときに、ガサガサって音がすれば誰だって緊張するものさ。グループ猟には責任ってものがあるから、逃がしたら怒られる、笑われるっていうプレッシャーも強いんさ。焦りが起きやすいから、基本を忘れて慌てた行動をする。それが大きな事故に繋がってしまうわけ

『モリさんの狩猟生活p.30〜32』

と言いつつ、モリさんも巻き狩りをやります。こういうことを意識しているからこそ、『自分が親方になって巻き狩りをするようになってからは、そういうムードを作らせないようにした。外したって怒りはしねえから、とにかく落ち着いて撃ってくれって言ってる(p.33)』という思いに行き着いたんでしょうね。

 

狩猟はおもしろい

また、一見すると「固い、昔気質の猟師」という印象を持つ人もいるかもしれませんが、とんでもない。わたしは古きを知りつつも現代的なハンターだと思っています。

狩猟って、おもしろいからやるものなんだよ。義務感でやっていると少しでも思ったら、続かない。

『モリさんの狩猟生活p.35』

こう言い切ってくれるのって、後続の(わたしのような)ハンターにはとっても心強いことなんです。

わたしもおもしろいからやっているし、わたしの回りでもみんなおもしろいからやっている人ばかりです。もちろん鳥獣被害に対する使命感を持っている人もいますが、でも結局はおもしろくやってる。

なんだか行政などは「駆除の担い手としてのハンター」ばかり語るんで忘れがちですが、やっぱり「おもしろい」がきっかけじゃないと辛くなると思います。

「おもしろい」 → 「『おもしろい』と感じる狩猟で地域貢献をやるか!」

という順序が大切なのかなーって。行政に対しては、まずおもしろさを広げて欲しいな〜なんて思います。

 

《特別対談》素顔のツキノワグマ

この特集もおもしろい。

クマ研究者である山崎晃司氏とモリさんこと高柳盛芳氏の対談です。ハンターとしてのモリさんと研究者としての山崎氏。モリさんが「見ていると、こんなことがあるんだけど、どうなの?」と訊ね、山崎氏が「そう、実はそういうことがあるんです」と答えていくことが多いかな。

これが熊の生態を知る上でとっても勉強になるし、なによりおもしろいんですよ。

シンナーを吸うクマとか、マーキングツリーの話とか、ほんと、まぁ読んでみてください。

 

楽しんでる人の本だから楽しい

このモリさんという方は本当に山遊び、こと狩猟を楽しんでいるのが伝わってきます。

「おもしろいからやってんだ!」ってのが前に出てくるから、読んでいてやっぱりおもしろい。そろそろ猟期も解禁しますが、猟に行けない夜にでも読んでみてはいかがでしょうか。

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