書評『モリさんの野遊び作法』剣鉈使いの人は読んで損なし

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最近、読んだ本でおもしろかった本は『モリさんの野遊び作法』。

特に彼の剣鉈に対する思いと言いますか、剣鉈を使いこなす姿がわたしは好きですね。

『モリさんの野遊び作法』

この本の著者のことを知ったのは先日ご紹介した『ナイフマガジン 2011年8月号』でした。リンク先の紹介記事でも書きましたが、この雑誌では『剣鉈を使いこなす』という剣鉈の特集があり、そこで登場したのが高柳盛芳さんでした。

モリさんと呼ばれる奥利根の山番長。彼の特集がすごくためになったので、他にも本があるんじゃなかろうか、と検索していて見つけたのが『モリさんの野遊び作法』でした。

この本の体裁としては、モリさんの自由なエッセイ集という形。山菜の章、狩猟の章、釣り、キノコ、ビバークなどなど、気ままにタイトルを立てて、それに纏わるお話が続きます。堅い話、難しい話はないので、たとえば釣りをやらない人、狩猟をやらない人でも、山に興味さえあれば楽しめる内容かと思います。

 

狩猟・釣り・山菜・キノコ……

奥利根の山番長とまで言われるだけのことはありまして、モリさん(と書籍の表記に合わせて呼ばせていただきます)は冬は狩猟、あとは季節ごとに釣り、山菜、キノコと山でやれることは全部やっています。

そしてどれも達人級の腕前。本の中には『熊狩りをやるようになって、本当に山のことを理解した』という内容の記述がありました。山菜を採るときは山菜のこと、釣りをやるときは釣りのことに集中してしまっているけど、狩猟をするときは植物のこと、地形のこと、木の実のことなど総合的な知識が必要だ、とのこと。

わたしも新米ハンターですが、仰ることはすごくわかります。

 

剣鉈の話

ハンターの中にも「剣鉈必要派」と「剣鉈不要派」がいるようですね。大型の重い剣鉈よりも、取り回しの良い小型ナイフがいいという意見はたしかに一理あると思います。

よく聞くのは「最初は剣鉈が必要だろうと思っていたけど、やっているうちにいらないと思うようになった」という意見。ネットでもよく見かけます。わたしの地域のハンターさんは剣鉈を持っている人が多いですね。たぶん7寸くらいのものが主流かな? でも持っていない人もいます。まぁどちらが正解ということもないでしょう。お好きなように。

わたしはいまのところ剣鉈があると安心するタイプです。熊よけとか、そういう意味ではなく、かなり幅広い作業ができるし、とくに非常事態(ビバークするときなど)に小型ナイフ1つよりも、やっぱり安心できます。

「できる・できない論」だと、「小型のナイフでもできる」という理屈になりますが、作業の種類によっては圧倒的に剣鉈の方が早いこともあります。

まぁ、本当にこの辺は好みです。わたしも短い山行だと剣鉈は持たないし、ロマン的な面もあります。

 

さて、そんな剣鉈ですが、著者のモリさんは熱心な剣鉈使いです。最初にご紹介したとおりナイフマガジンでも剣鉈の特集をされていたほどです。

そんなモリさんの剣鉈の紹介があります。細かいお話はぜひ本書を読んで頂くとして、おもしろいと思ったのは鞘と研ぎの話。たかが鞘、されど鞘。鞘1つ見てもけっこうこだわりがあっておもしろいです。とくに上げ鞘・下げ鞘という概念は初めて知りました。研ぎに関しては剣鉈特有の研ぎ方のお話があります。刃の部位によって研ぎを換えて、山では使い分けているとのことです。このあたりも剣鉈を使いこなしている人の発想だと思います。

 

剣鉈特集ではないけれど……

この本は剣鉈の本ではないのですが、わたしは「剣鉈ユーザとしてのモリさん」に興味があって読み始めたので、途中で出てくるモリさんの写真を見て「お、剣鉈使ってる!」と楽しんで読んでいました。

剣鉈をこうしてきっちり使いこなしていて、それを書籍にまとめてくれているものって多くない気がして、とっても貴重な1冊だと思っています。

また、モリさんだけではなく、彼の活動の舞台である奥利根の魅力もちりばめられた1冊です。山遊びに興味がある人にはオススメの1冊ですよ。

 

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