新たに手に入れたスコープ、リューポルドのVX-HOGについて研究する
わたしはスコープというものについて詳しくありませんし、経験も浅いです。とはいえスコープを使って猟をやるのですから、しっかりと理解して有効活用したいものです。
そこで自分が持っているスコープを研究してみます。
スコープはリューポルド社のVX-HOG1-4×20です。
VX-HGO 1-4×20
こちらのスコープはリューポルド社のHog Rifle Scopeというシリーズのエントリーモデルです。Hog Rifle Scopeシリーズはその名が示すとおり、猪狩りに重きを置いたモデル。その意味することは、近距離駆け抜けていくような獲物を仕留めるのに向いているという意味でしょう。
Hog Rifle Scopeシリーズには2つのモデルがあり、値段も倍くらい違います。
一見似たようなスペックかもしれませんが、よく見るといろいろ違います。たとえばVX-R Hogは倍率が1.25-4倍、VX-HOGは(商品名とは裏腹に実際は)1.4-4倍。つまりVX-R Hogの方が、より1倍に近いわけです。1倍に近い方が、近距離の獲物を仕留めるには都合が良いです。他にもチューブ経が違ったりもするので、購入の際には良く検討してください。
さて、ともかく縁あって私が購入したのはVX-HOG 1-4x20mmの方。
▶ 参考:MSS-20に新しいスコープ『リューポルドVX-HOG1-4×20』載せた理由
せっかく手に入れたスコープですので、スペックをよく見て、このVX-HOG 1-4x20mmというスコープについて理解を深めたいと思います。
アイリリーフについて
こういったズーム式のスコープはアイリリーフが固定ではありません。公式サイトのスペックを見てみましょう。
Eye Relief – Low | 107mm |
Eye Relief – High | 96mm |
となっています。つまり、1倍では107mm、4倍にすると96mmというわけ。その差は1cm。だから、スコープを乗せるとき、1倍で合わせるのか、4倍で合わせるのか、はたまたその中間を狙うのか。悩ましい所です。
わたしは悩んだ末に1倍で合わせました。107mmで合わせるというよりも、スコープを1倍にして、自分で据銃してみて見やすいところにスコープをセッティングしました。試しにそこで目とスコープの距離を測ってみましたが、おおよそ107mmになりましたよ。おおよそね。
となると、4倍で撃つときは厳密には10mmほど目を近づけないといけませんが、実際に射撃場で撃ってみた感じだと、そんな微調整せずとも気にせず撃てました。もしかしたら無意識のうちに見やすいところを探して構えているのかもしれません(つまり10mmほど顔を近づけているのかもしれません)。
パララックスについて
パララックスについて自分の言葉で丁寧に説明できるほど理解し切れている自信がないのですが、自分なりに簡単に言えば、「レティクルが投影されている距離」のことかな。
※ツッコミどころがあればぜひお願いします。
VX-HOGの場合は75ヤード(68.58m)に固定されています。高性能スコープだとこれを調整できるタイプもありますが、とにかくVX-HOGは固定。これがどういう意味か?
レティクルが投影されている距離と、狙う対象物までの距離が同じ場合2つのメリットがあります。
- ピントが合う(レティクルも対象物もくっきり見える)
- 目の位置が変わっても狙点は変わらない
どちらも精密射撃の上ではとっても大事なことでしょうね。
さて、多くのスコープでは100ヤード固定になっているのですが、このモデルは75ヤード固定。この辺にも「猪狩りモデル」らしさが出ているように思います。つまり、より近い獲物に狙いを定めた設計思想と言えそうです。
ともかく知っておかなければいけないのは、75ヤードぴったりで撃つとき以外は、目の位置が変われば狙点が変わると言うこと。自分がゼロインしたときの目の位置というのを身体にたたき込んで、どんなときもその位置で覗く訓練が重要そうです。目の位置さえ合っていれば、狙点は合うはずですから。
レティクルについて
このスコープについているレティクルは上記のPig Plexと呼ばれるものです(イルミネーションはなし)。
ご覧の通り、真ン中に丸があります。この丸の大きさや、各線の意味を調べていたら、こんな情報を発見しました。
まず、この画像はVX-Rを基準にしているため、LOW Xと書かれている数値は倍率を1.25倍にしたときのもの。VX-HOGは最低倍率が1.4倍なので、ちょっとズレてきますね。もちろん、計算して1.4倍のときの数字を出すことは可能ですが、ここではHIGH X(=4倍)の数字だけを見てみます。
円の大きさ
まず円の大きさ。50ヤード先で3.5インチ(4倍のとき)とのこと。つまり直径は7インチ=17.78cm。
これは計算だけじゃなくて、射撃場で的と比較してみましたが、たしかに18cmほどでした。
もちろん、100m先であれば35.56cm。ですし、25m先であれば8.89cmとなります。
この大きさを覚えておけば、距離の計算の役に立ちそうです。わたしはまだ自分で獲っていないので分からないのですが、鹿の頭の大きさって何センチくらいなんでしょうね? メス鹿だったら25cmくらいだったりしないかな? 地域によっても違うので一概には言えませんが、自分が住んでいる地域の鹿(成獣)の頭の大きさを把握しておけば、それがどれくらいの大きさに見えるかによって、距離に当たりをつけることはできますね。
分からない人のために例を挙げると……、
鹿の成獣の頭の大きさが仮に20cmであるとしましょう。スコープ越しに鹿を見て、レティクルの円の大きさと鹿の頭の大きさが同じならば、距離はほぼ50mくらいだろうと言えます。
もし頭の大きさがレティクルの半分程度ならば、距離は倍の100m程度になるし、レティクルの倍くらいあれば距離は25m程度となります。あくまで大雑把な見積もりですが、目安にはなるかと思います。
また、杉林などであれば、比較的木の太さが一定なので、木の幹の直径を調べておくことで、「あの木まで何メートル」という見当をつけることもできます。
左右の太線までの距離
すべてのメモリを挙げるとキリがないので、わたしが参考になりそうだと思ったもう1つのメモリを見ていきます。水平に伸びる線の太い部分までの距離です。
図には 『30″ at 50yd (High X)』 とありますね。例のごとくメートル法に直していきます。
50m先で83cm
ということです。いいですか? 太線から太線までの距離のことです。一方、鹿の成獣の体長は90〜150cm程度と言われています(地域差大)。計算しやすいようにざっくり100cmとしましょう(ザックリしすぎか……)。もし、鹿が次のように見えたなら、それは50mくらい先にいるのだと推定できそうです。
まぁ、この辺の鹿との比較は自分の地域の鹿をベースに考えないとあまりに大雑把すぎて信憑性がありませんね。実際に狩猟を始めて、何頭か鹿を獲れれば、「だいたいこれくらい」という目安として使えるようになるかもしれません。
スコープの重量
このスコープはとっても軽くて230gです。
缶コーヒーのロング缶の重さが250gですので、まぁそれくらいの重さです。他のスコープを見ると500gくらい平気で越えてくるので、そう言ったスコープに比べると缶コーヒーのロング缶分だけ荷物を減らせたことになります。
嬉しいですね。
とはいえ、そういったより重いスコープには、また代えがたいメリットがあるんでしょうけどね。
とまぁ、いまのところはこれくらい
私が前に使っていたスコープはブッシュネルの1.75-5x30mmというスコープでした。この表向きのスペックだけ見れば、対物レンズはVX-HOGよりも大きく、明るく見えるはずなのですが、実際に覗いた感想としては、VX-HOGの方がずっと明るくシャープに見えます。
なぜか?
わかりません。
一眼レフのレンズや双眼鏡のレンズについて調べていたときに思い至りましたが、レンズというのは技術の塊です。明るくシャープに見るという意味においては、新しいレンズの方がずっとよく見えるでしょうし、光学機器の得意なメーカーの方がずっと高品質になるのだろうと思っています(一眼レフのレンズの場合、明るくシャープであることだけでなく「アーティスティックな意味で美しく映る」という面もあるので、古いレンズが必ずしも悪くはないんですけどね)。
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