狩猟に持って行くカメラとレンズについて考える〈レフ機?ミラーレス?レンズ?〉
ぼくは狩猟も好きですが、写真を撮るのも好きです。
クマを探すときは、荷物をちょっとでも減らしたいので、カメラは持たないことがほとんどですが、シカ撃ちだと余裕もあるので、カメラを持参することも多くなります。
狩猟系のライターとしての活動もあるので、ある意味仕事としての撮影もあり、単純に趣味としての撮影もあります。その辺、公私混同まぜこぜで楽しんでいますね。
というわけで、今日は狩猟に持って行くカメラについて、思うことを書いてみたいと思います。
狩猟の何を撮りたいか?
カメラ選びレンズ選びは、つまるところ「何を撮りたいか?」という問いに置き換わります。
レンズ1つとっても、鳥を撮るならできるだけ望遠がいいでしょうし、見える景色をパシャパシャ撮りたいなら標準レンズ(35mm〜50mmくらい)が使いやすいでしょう。
また、撮影にどれだけ重きを置くか。それも超重要な要素です。撮影を重視するなら複数レンズ・複数カメラを持って行けばいいんです。ぼくも取材として誰かに同行するときは2カメラ3〜4レンズみたいな装備になります。一方で、自分の狩猟にカメラを持って行くなら、カメラボディは1つですし、レンズ交換なんてしたくないので、レンズも1つに絞りたいところ。
なにを撮るか?
どれくらい機材を持って行く気があるか?
そのあたりで機材は大幅に変わるはずです。
→ ぼくの場合(レンズ編)
ぼくの場合は本音を言えば望遠レンズで動物を撮りたいという気持ちが強いです。山の動物を撮るとき、200mmでもまだ足りたいくらいで、やっぱり400mmくらい欲しくなります。でも、400mmはかなりでかいし、200mmだってバカにできないサイズです。
望遠を気合いで持って行くとしても、それだとちょっとした風景を撮ることができなくなります。望遠は望遠しか撮れないわけです。遠くから山を撮るのと違い、自分が山の中にいると、望遠で風景は厳しい。
ということで、ぼくは「撮影メイン」と割り切るとき以外は標準〜広角を持って行くようにしています。
最近だと、下記のどれかになります。
「明るいレンズで、単焦点。山でのスナップを楽しみたいな!」→ 35mm f1.8
たとえばこんな写真でしょうか。
「ちょっと重くても、いろいろ撮りたい。撮影心強し!」→ 24-70mm f2.8
24-70だといろいろ撮れるんでサンプルも難しいんですが、たとえばこんな写真。
「山でのスナップも撮りたいけど、背景を盛り込んだ軽い道具撮影もしたいな」→ 17-35mm f2.8-4
最近のマイブームとしては広角寄り
本音を言えば、最近のブームは広角寄りのレンズ。
たとえば上の写真を見てもらうと、手に持った心臓やコクワみたいな「手に持った物を撮る」というのは、そこそこ広くないと撮れないし、クセとして、山ではそれを撮りたくなっちゃうんですよね。
17mmとまでは言わずとも、35mmより広ければそれができるイメージです。ただし、ここで最短撮影距離が重要です。たとえば先ほど挙げたレンズだと35mmの単焦点は0.25m、24-70mmだと0.38m、17-35mmだと0.3mと、どれも40cm以内なんですね。ここ重要です。
なので、ぼくの結論としては35mmより広く撮れて、40cm以内に寄れるレンズは必須ってことです。上記に挙げた3レンズはどれもこれを満たします。
最近twitterで35-105mmというレンズを教えてもらい、2,000円台の激安中古を見つけたので買っちゃいました。まだ届いていないですが、画角としては便利だと思います。
ただ、このレンズは最短撮影距離が0.85mということで、先述の「手に持った物を撮る」というニッチな用途は満たせないのが惜しいところ。そこでさらにもらった意見が「20mm単焦点は軽いから、それを一緒に持って行けば?」という話。20mmに限らず、28mmとかの単焦点はかなり軽いモデルがあるので、それをポケットに入れておけばいいじゃない? ということですね。たとえばこういうの——
なるほど、いいアイデアです。35-105mmはなかなか美味しい焦点距離でして、標準広角って感じの35mmと、望遠の気配を感じられる105mmを同時に使えるうえ、ややくらい分、軽量なレンズになっています。で、手持ちの物撮りをするときとか、明らかに広角が欲しいときは20mmとか28mmを出してくればOK、と。ありえる運用です。
ただし、雪が舞う季節だとレンズ交換が極めて面倒なので、その辺りのバランス感覚も大事かな。いっそ28mm単焦点1本とかも楽しいだろうな。
こうやってレンズを考えるのは楽しいですね。まだいろんな可能性がありそう。
明るさ(F値)は?
そりゃもちろんレンズなんて明るい方がいいに決まってはいます。でも、やっぱり重さや価格とのトレードオフになってきますから、あまり明るさだけを追求しても仕方ないかな、とも思っています。
F値が2未満の単焦点を使うのも楽しいのは間違いないですが、そこには余り固執しない方が選択肢が広がると思います。というか、実際の撮影ではF4とかF5.6あたりに絞ることが多いですし、風景っぽい写真だとF8とか普通に使います。
ただ、いわゆる風景写真と同列に語れないのは三脚を使わない前提であるという点です。
風景写真・自然写真の世界だと「しっかり絞り、その分だけ伸びてしまうシャッタースピードを三脚でカバーする」みたいな考えになります。ところが狩猟中だと三脚は使わないので、シャッタースピードを下げきるわけにはいきません。それに山の中だと薄暗いのは当たり前のこと。となると、絞りは開き気味で使うことも少なくないんです。
自分的にはF2以下の単焦点が必要とは思いませんが、F2.8あたりから使えると便利かな——というのがぼくの感触です。
ボディはどうする? 悩むレフ機とミラーレス
まぁ、じつはぼくは迷っていないんですけどね。
今の時代だとレフ機とミラーレスで迷う人もいると思いますが、これから買う人はミラーレスを選ぶのが自然な選択だと思います。ただ、ぼくは意識してレフ機を選びました。
ぼくがいる北海道だと山での気温はマイナス10度を下回るのが普通です。いまの上級機はそんなことないんでしょうけど、ミラーレスの入門機を持って行ったら、数時間で使えなくなりました。異常動作を繰り返し、バッテリーが切れる有り様です。
それからレフ機しか使わなくなりましたが、レフ機でそういう問題は起きたことがありません。
レフ機を選ぶのは他にも理由があります。
厚い手袋をして操作できるんですよ。とくにフルサイズ機と呼ばれるちょっと大きいサイズのレフ機。ぼくが山に持って行くのはだいたいD750です。
過去記事:Nikon D750を5ヶ月ほど使って思う、アウトドア用カメラのこと
これだと防寒テムレスをつかってもなお、ちゃんと操作できます。
これがコンパクトなミラーレスだと厳しい。ボタンが小さすぎて操作できない。オートでしか撮らないっていうなら別ですが、基本すべてをマニュアル操作するなら、大きいのは正義だと思ってしまいます。
まぁ、このあたりはミラーレスのフラッグシップモデルなら解決するんでしょうかね? ぼくはミラーレスに移行する気が(いまは)ないので、考えることもあまりありません。
山の道具として考えたとき、軽量コンパクトは当然考える定番な思考なんですが、軽量コンパクトだけど使いにくいというのでは、むしろ減点。意味がないんです。重くてデカくて邪魔くさいけど、ちゃんと使えるっていうほうが価値がある。ぼくはそう思います。
という考えのもとでまとめると
というのが、ぼくの考えです。狩猟(あるいは撮影がメインじゃない山行)で持って行くカメラは——
ボディはレフ機で、グローブをつけていても最低限の操作ができるもの。
レンズは下記条件を満たすセットで——
- 最短撮影距離が40cm以内(できれば30cm以内)
- 焦点距離は35mm以下
- F2.8程度の明るさ
もちろん明るい方が便利だし、望遠もできるに越したことはないですが、とにかく上記を満たしてくれれば、パシャパシャと撮りながら楽しめます。
こんな感じで狩猟にカメラを持ち出して、撮影も楽しんでいます。インスタにそういう写真をアップしているので、興味があればどうぞ〜。
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