書評『獲物山』服部文祥氏、戦いの記録

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発売日に偶然見かけた服部文祥氏のムック本『獲物山』。

彼の戦いの記録とも言えるこの本をご紹介します。

『獲物山』

この本はいわゆるムック本。雑誌と書籍の中間のような体裁です。

ある本屋にふらりと立ち寄り、何気なくアウトドア雑誌のコーナーに立ち寄ったとき、この本が目に飛び込んできました。——強烈な異物感。

「この本が普通の本屋で売られているわけない」

普通、本屋のアウトドアコーナーといえば『BE-PAL』『ランドネ』『山と渓谷』あたりに加え、オートキャンプグッズを紹介するようなファミリー向けの雑誌類が並ぶのがフツウです。

強烈なタイトルと表紙の写真。

「誰をターゲットにして並べてんだよ!」

とツッコみたくなるほどの異彩を放っています。その場で購入し、持ち帰り、自宅で何気なくTwitterを開いたところ、こんなツイートが流れていました。

発売日に本屋で偶然発見したこと、表紙の写真が幡野広志氏であること(狩猟をされる写真家として名前を存じ上げておりました)、買って良かったなぁとつくづく思いました。

内容は期待通り

『獲物山』というタイトル、著者が服部文祥氏であること、ぶら下がった獲物を背に服部文祥が白米を食べる表紙、内容は推して知るべし、です。

服部文祥氏はサバイバル登山という行為を実践・提唱しており、このムック本はまさに彼のサバイバル登山の様子をまとめたもの。彼はサバイバル登山に関して、数冊の本を出版していますが、わたしは下記の本を読み、強く影響を受けました(紹介記事はこちら)。

『サバイバル登山入門』はタイトルの通り、入門本。それに対して『獲物山』はサバイバル登山の記録です。

前者が比較的ハウツーである一方、後者は彼の “思い” を溢れさせています。

先日、わたしが居間に置きっぱなしにしていたこの本を妻がパラパラとめくり言いました。

「この人は生き物を食べることの正しさを主張して戦ってきたんだろうね」

狩猟という行為は多くの葛藤や議論を生み出します。まだ狩猟を始めてもいないわたしでさえ、始めるにあたり多くの葛藤・議論が生まれてきています。

「動物を殺してもいいのか?」
「なぜ家畜を食べずに野生の獣を食うのか」
「現代において狩猟なんて不要だ」
「狩猟者は生き物を殺すこと楽しむおぞましい人間だ」

ちょっと狩猟に関する意見を見てみれば、そんな言葉が溢れかえっています。『獲物山』を読んで——

「そうじゃないんだよ……」

と嘆きつつ、反論する服部文祥氏の姿が目に浮かびます。

山行の記録

本の内容は山行の記録です。

雑誌フィールダーの別冊とのことですので、フィールダーで掲載されていた記事をまとめたものだろうと想像されます(フィールダーを購読していないのでわかりませんが、少なくとも1つの記事はフィールダーで見ました)。

また狩猟だけではなく、テンカラ釣りもフィーチャーされており、テンカラで有名な瀬畑雄三氏も登場します。

服部文祥氏がどう山を歩き、どう獲物と向き合い、なにを考えているのか、それが見えてくる本です。

彼が使う銃の紹介なんかも興味深く、『サバイバル登山入門』を愛読しているわたしとしては、もう無条件にこちらも愛読書に仲間入りです。

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