モーリシステムで有名なデューティーアパレルのハンティングベストの使用感
みなさんはハンティングベストに何を使用していますか? まぁ、ベストを着なければならないという決まりはありませんが、猟友会ベストを始めとする、オレンジ系のベストを着用している人が多いと思います。
わたしはモーリシステムを使ったベストを使いたいという気持ちがあったので、いろいろ調べた結果、猟期の初めからデューティーアパレルという会社のベストを着用しています。
猟期も半分を超え、それなりに使い込んできましたので、現時点での使用感をお伝えしてみようと思います。
デューティーアパレルのモーリベスト
デューティーアパレルはカナダ発祥の会社。夫婦で始めた個人事業だったそうです(Duty Apparel|About us)。その夫であるRoger Rondeauさんが元警察官。また趣味で狩猟をやっていました。それらの経験から警察の職務や狩猟の現場で使う装備に改善の余地があると感じ、Duty Apparelを始めたようです。
そんな会社が作ったのが今日ご紹介するモーリベストです。ベストの大雑把なコンセプトはこちらの公式動画を見るのが手っ取り早いですね。
日本ではAEGハンターショップさんが販売しております。
で、こちらがわたしの使用しているベストです。暇さえあれば出猟し、山を這いずり回っていますが、まだ新品のように見えますね。実物をよく見れば、それなりの汚れもありますが、写真には現れてきませんでした。個々の装備品については次の章で紹介します。
後ろから見るとこうなります。うしろは大きなポーチが1つだけ。
着用イメージはこんな感じになります。遠い写真ですが、なんとなく伝わりますかね?
ベストの装備品
参考程度にベストのどこにどういう装備を入れているか紹介してみます。ちなみにこれが荷物の全てではありません。腰回りに他のポーチを下げています。
まずは前面から
1. GPS
ベストと同じラインナップになっている『無線機ポーチ(小)』をGPS用に使っています(AEGハンターショップさんのページ参照)
ちなみに無線機ポーチは、言うまでもなく無線用のポーチです。きっちりフタが閉まるようになっており、無線機が落ちないようなデザインです。しかしこれがGPSを使う上では不便きわまりない。というのも、GPSは使わないときはしばらく見ないのですが、下山ルートを探しているときなど、頻繁に見るときもあるものです。特に慣れない猟場に行ったときなどは、地形図をチェックする意味でも頻繁に使います。
ひと言で言えばフタが煩わしいこと山の如し。
というわけで、わたしはフタを切り落としました。そうするとGPSを落とす可能性があるので、GPS機にストラップを付けて、それを小さなカラビナでベストに繋げています。
本当に頻繁チェックするときは、ポケットにさえ入れず、ブラブラとぶら下げていることさえあります。
2.弾差し
こちらもベストと同じラインナップの『弾差し20番散弾用』というポーチです。実を言うと、始めはコンドルの弾差しを使用していました。
このコンドルの弾差しも気に入っていたのですが、思うところがあり、今はデューティーアパレルの弾差しを使用しています。
コンドルの弾差しについても、このデューティーアパレルの弾差しについても、良いところ悪いところがあるので、次の記事でちゃんとまとめてみたいと思います。
3.小物入れ
ここには行動食・リップクリーム・目薬・ワセリンあたりが入っています。
けっこうスカスカですので、本当は「もう少し小さなポーチにしたいな」って思っています。近々ポーチを変更するかもしれません。
次は背面
4.解体道具&非常時用アイテム
もうその名の通りですね。このポーチにアクセスするためにはベストを脱がなければなりません。そのため、狩猟で使うものは極力入れない方がいいですね。
わたしは解体道具一式・ファーストエイドキット・フラッシュライト・行動食(予備)を入れています。
ベストがしっかりしているので、重さを上半身全身で受け止めることになり、肩に負担は感じません。ザックで背負うよりも楽。
ベストの使用感
とまぁ、こんな感じでベストを使用しています。
わたしなりに思うことをツラツラと……
1.丈夫!
デューティーアパレル社のコンセプト通り、丈夫さは感じますね。破れる心配をせず猟に励めます。またモーリのウェビング(ポーチを付ける縫い目)も丈夫で、少なくとも今のところは痛みはありません。弱いものだと、段々とウェビングが伸びてきたりします。
2.サイズは小さめを!
わたしは海外S(日本M)サイズを使用しています。身長180cm、体重70kgという体型です。腹回りはややゆるく感じます。両脇に腰回りを調整するベルトがありますが、全力で1番締めた状態にしても、「あとほんのちょっと絞まればナァ」と感じます。特に11月の解禁直後は薄着ですからね。冬も深まってきて厚着になってくると、丁度いい感じです。
わたしは山梨県にあるヒーローズインクという銃砲店で実際に着比べて買いました。ベストだけ着ると「丈が短いかな?」と感じましたが、腰回りに装備を下げてみると、むしろ丈が短い方がいいですね。丈があると腰の装備と干渉します。
3.ポーチは自由に追加可能、でも増やせば不自由になる
モーリベストの強みは「ポーチ類を好きに追加できる」こと。
いろんな装備品を適宜ベストに装着できれば便利ですよね? しかし、装備を付ければ付けるほど、身動きが取りにくくなります。たとえば胸のあたりに大きめのポーチを付けると、下が見えなくなります(巨乳だと足下が見えないのと一緒ですね)。また腹に近いエリアも厚みのあるポーチを付けると、腰回りの装備品を触るときに邪魔に感じます。
極端な話、機動性を考えるとポーチなんて1つも付けないのが1番。冗談抜きで、「モーリだからポーチを付けないと」という思いに駆られるよりも、まずは何も付けないところから考えて、どうしても付けたいものだけ付ける発想の方がうまくいく気がします。「いくつでもポーチが付けられるベスト」と捉えずに、「ポーチをいくらでも減らせるベスト」と捉えるイメージです。
わたしも最初の数回の猟ではもう少し付けていましたが、すぐに整理して、今の形になっています。これでも「まだ減らしたい」という気持ちがあります。だから弾差しも小さなものにしましたし、小物入れに使っているポーチも小さなものに交換したいと思っています。
4.厚みのないポーチがいい
ポーチを付けるとき、できるだけ厚みのないポーチがいいですね。
厚みがあればあるほど、不安定になりますし、てこの原理(?)でベストにかかる負荷が強まります。
できるだけペタッと薄いポーチを使った方が良さそうです。いいポーチをこれから探すつもりです。
5.着心地は好き。でも重いよ。
「柔軟性のある、身体にフィットする素材」というよりは、「防具のようにしっかり着るもの」という印象です。
ふわりと羽織る軽いものではないので、極端な話、何もポーチを付けていなくても、それなりの重量感はあります。デューティーアパレルのコンセプトが「低価格で、丈夫で、使えるもの」のようなので、まさにその路線ですね。がっしりしたベストです。
(低価格とか言ってますが、これはカナダ・アメリカでの話です。向こうじゃ80ドル台で売っているようです。日本だと14,980。輸入コストなんかを考えれば仕方ないですが、やっぱり猟用品は高いですね。それでも、他のモーリベストでしっかりしたものだと3万円台になることもあるので、この品質のものとしては “低価格” と言ってもいい気がします)
丈夫でしっかりしている分、ちょっと重いです。またモーリシステムの都合上、全身にナイロンベルトが這っているわけです。それらがすべて重量に追加されるので、モーリではないベストに比べて重いのは当然。けっこうしっかりしているもんだから、「もしかして防御性能もあるのでは?」と思ったりしています。ほら、オスジカの角に腹を刺される場面とか、このベストのおかげで助かりそう(笑)。
とにかく……、がっしりした着心地が好きならオススメできます。ただしやや重いです。
気に入っています
このベストについてザックリまとめれば——
- ポーチを自由に付け外しできるから、装備に凝る人は楽しいよ
- 丈夫だから壊す心配をせずに使えるよ
- サイズさえ合えば、フィット感がいいよ。ぴったり身体についてくる感じがするよ
- でも、ちょっと重いよ。
- ポーチも付けすぎると邪魔になるよ
って感じでしょうか。
まぁ総じて言えば、気に入っています。買い替える気もないし、来期もコレを使うんじゃないかな。
ちなみに、このベストを利用されている狩猟ブロガー・YouTuberさんもいますので、ご紹介しつつ締めくくります。
まずは『吾輩はプアである』さん。なんとこのベストをタダでもらっています。けしからんです!笑。羨ましいですね。
使い勝手よし。Duty Apparelの狩猟用ベストがやってきた。|吾輩はプアである
次は『ずん&ハム 二人で始めるハンティング』さん。動画で紹介してくれているのでとっても分かりやすいです。
[狩猟] Duty Apparel ブレイズオレンジMOLLEベストをレビュー part1
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