新しい“足”にダットサントラックD22を選んだ理由と狩猟観

最終更新日

これまで狩猟車として使っていたジムニーJA11がいろいろ不調で、自分には手に負えない状態になり、買い替えることになりました。

とはいえ車は安いものではないし、ポンポンと買える経済状況でもありません。かなり頭を悩ませていました。

参考:北海道で使う猟車について考え始める

結局、手の届くダットサントラックD22が出てきて、それを購入するに至ったわけですが、今日は自分がなぜピックアップトラックを選んだか? というテーマでお話をしたいと思います。

狩猟車選びはじつはとっても重要なことなのだな〜と。

なにはともあれ、ダットサントラックD22の紹介を

ぽんぽんと車を見ていきましょう〜。

バンパーに穴が!
ドアに凹みが!
ダブルキャブといって、4人乗れる4ドアのピックアップトラックです。家族でも使える!
いろいろ積載方法を考えるのが楽しい

 

いかがでしょう? なかなかにボロいでしょ。自虐的に「ボロい」と言ってますが、ぼくはこれがかっこいいと思っています。他人がなんと言おうとカッコいい。分かる人だけが分かってくれれば良いのです。

でも、これに決意するにはかなりいろいろ考えました。

 

4つあった選択肢

車を選ぶに当たり、心の中には4つの選択肢がありました。自分の心の声を垂れ流してみます。

 

<ジムニー案>

これまでジムニーで気持ちよく猟をやれていたし、あの小さな車体と走破性は魅力。なんとなくおもちゃ的なおもしろさもあり、飽きない車。そして軽なので維持費が安いというのも魅力。

 

<軽トラ案>

ジムニーと同じように軽だから維持費が安いのに加えて、比較的安く手に入りやすそうだし、汚れ物を気ままに積める荷台の存在が大きい。

 

<ピックアップトラック案>

北海道での狩猟車定番と言えばピックアップトラック。定番には定番の価値と魅力がある。雪の積もり始めは轍ができるが、この手の車の幅なので、軽だと轍に乗れずにしんどい。流し猟をやるなら、獲物を積めて、パワーもあり、林道に入りやすいピックアップトラックはかなり有利。でも自分は流し猟をやっていないしな……。

 

<SUV案>

ピックアップトラックが割と高いのを知って、いくらか価格がこなれているSUVという選択肢も考えた。ただ車格はでかいけど、結局獲物の積載は車内になるので流し猟をやるなら最適とは言いがたい。やれるけどね。でも流し猟をやらないしな……。

 

狩猟車選びは、これからの狩猟を選ぶこと

ピックアップトラックって働く車感が楽しいですよね

じつはこれまでと同じようにシカの忍び猟をやるならば、ジムニーでいいんです。日に何頭も獲らないから積載もなんとでもなるし。

雪が積もれば、どんな車も林道には入れなくなります。ジムニーであろうと、SUV・ピックアップトラックであろうと、どうせ入れません。入りたければスノーモービルかスキー・スノーシューになります。わたしの場合はスキーですね。

だから “これまで通りの猟” を続けるならジムニーでも軽トラでも問題ありませんでした。

でもピックアップトラックを選んだのはなぜか?

 

「もっといろんな狩猟をやってみたい」と思ったからです。ぼくもまだ猟歴丸3年で、スタイルを固めてしまうには早すぎます。色々試して経験を積みたいので、“これまで通り” ではなく “もっといろいろな猟” をやりたいんです。

たとえば——

北海道の猟期は10月から。しかし10〜11月は雪もなく、笹藪が多すぎて忍び猟にはきびしい時期です。それなら流し猟で獲物を獲り、地元の食肉処理施設に卸すというのもおもしろいかもしれません。

プロの目から見て「うまい肉」を獲るのは難しいでしょうけれど、それができるようになれば、自分用の肉もこれまで以上においしく獲って処理できるようになるかもしれません。そのあたりの経験から解体などの知識や経験を積めるかもしれません。

そしてこれ自体が12月以降の忍び猟のシーズンに向けての下見にもなるでしょう。

前に雑誌『狩猟生活』でも書きましたが、狩猟にも季節感がある感じています。猟期を通して同じことをするのではなくて、前・中・後半と時期に合わせたスタイルで取り組む方が自然でムリがないな、と。

 

ほかにも——

流し猟は比較的短時間でもやれる、というメリットがあるのを感じました(取材で流し猟に同行して感じたことです)。

朝一の2時間くらいでも十分やれる(獲れる獲れないは日によるでしょうけど)わけで、そうなると「忍び猟をやるには時間がない」ってときでも出猟できます。

 

また——

「今すぐに」と声高に言うわけではありませんが、やっぱり熊撃ちにも興味があります。すごくあります。

こればかりは安易に「まぁやってみるか」と言いがたいので、経験者の方に少しずつアドバイスをもらったり、来期、熊猟に同行させてもらうお願いをしているところです。で、いつか自分で獲るようになったら、やっぱり獲物を積む必要があるわけで、ピックアップトラックは活きてくるはずです。

 

流し猟ばかりを例に挙げましたが、たとえば地元での駆除活動の中で獲物の回収など、率先してやりたいという気持ちもあります。できるだけ地元の猟友会の活動に参加したいンです。そんなときに「すいません、獲物を積めません」となるよりは「ガンガン積んじゃってください」と言えるピックアップトラックは強いな、と。

 

要するに、今後の長い狩猟生活を考えると、いろんなことに挑戦してみたい(あるいは挑戦できる可能性を狭めたくない)のです

流し猟をどれくらい熱心にやるかは分かりません。でも、来期の前半はちょっとやってみるつもりです。

わたしの場合は獲物をたくさん獲りたいという欲求はなく、自分で食べる分が獲れればOK、というタイプです。だから忍び猟で獲れたり獲れなかったりするくらいがちょうどいいと思っています。しかし、1歩レベルを上げたいと思ったとき、食肉処理施設に卸すという選択肢が浮かびました。そこから学ぶことがあるはずだ、と。

 

ピックアップトラックに決めた、けど……

さて、ピックアップトラックを買おうと思っても、いろいろ選択肢があります。車種はハイラックスを考えていましたが、それでもいろいろ買い方があります。

ざっくり言ってこんなパターンが考えていましたね。

  1. 新車がいいでしょ。将来売れるし、トラブルも少ないから。(400万)
  2. 程度のいい中古車を買えばいいんじゃない?(220万)
  3. どうせ傷も付くんだし、安めの中古車がいいんじゃない?(150万)
  4. いや、もう個人売買で格安路線を探してさ(50万)

 

じつはここで自分の性格に気付かされました。

まず1・2は直感的に避けようと思いました。というのも、これだけの額を投資すると、しばーらく車を買い替えることができません。言い換えれば「未来の自分が乗る車を決める」ということです。

5〜10年後の自分がピックアップトラックに乗りたいかなんてわかりません。

「売って乗り換えれば良いじゃん」

という意見もあるでしょうけど、それを前提にすると「売るためにキレイに乗る」という気持ちになってしまって、それはそれでいやなんです。キズを気にしながら乗るなんてつまらない。

となると3・4あたりの選択肢となります。それをしばらく探していたら、道内のハンターさんから「こんな中古車あるよ」と連絡がありました。それが4の格安路線相当のダットサントラックD22でした。

外装はボロボロだけど、中身はまだまだ乗れる。とにかく2〜3年も乗れば元が取れる。壊れない限り、長く乗ってもいいし、数年後に乗り換えるのもあり。

理屈はどうあれ、わたしの性格には合うようです。

 

しばらくはD22を相棒にがんばります

ジムニーとはまったく違う車です。でかくて重くて荷台があって……。

先日ちょっと林道を走らせてきましたが、あまりの感覚の違いにドキドキワクワク……。

この車について気付いたことなどはブログでもご紹介していきたいと思います。狩猟車選びをしている人の参考にあれば幸いです。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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