北海道で使う猟車について考え始める

最終更新日

狩猟で使っていたジムニーが死にました。直すのはかなり金が掛かり、茨の道になりそうなので、これを機に乗り換えを検討しています(直して乗り続けるのも選択肢としては残ってます)。

何に乗り換えるかが問題です。北海道での猟はまだ1年目の真っ只中。まだ「猟車ならこれ!」と断言できるほどの経験はありません。

でも買わないといけない(使命感)。そこで自分が考えていることを垂れ流してみようと思います。

道内のハンターさんはぜひアドバイスを。

道内ハンターの定番……

見ている限り、聞いている限りでは……という話ですが、道内のハンターはやっぱりランクルやハイラックスあたりが多いですね。あとはダットサントラックなども含めた、ピックアップトラックもかなり多いです。

あくまで一例ですが、著書『熊撃ち』で有名な久保俊治氏はランクル80VXに乗られているようです。

知床のヒグマ猟師が10年愛するクルマ「トヨタ/ランドクルーザー80VX ’97年式」

またGoogleで「北海道 狩猟車」というキーワードで検索してみると、こんな感じで、やっぱりそれ系の車が多いですね。

北海道 狩猟車|Google

 

まぁ、要するに道内の定番といえば

  • ランクル
  • ランクルピックアップ
  • ハイラックスピックアップ
  • ハイラックスサーフ
  • ダットサントラックなど、その他のSUVやピックアップ

ランクル・ハイラックス以外を「その他」としているのは、優先度が低いのではなく、ぼくが全部把握できていないからです。他意はないので。

本州では狩猟車の定番と言えば

  1. 軽トラ
  2. 軽バン
  3. ジムニー

だったので、いかにも車格がでかいのが分かりますね。

 

大きなSUVやピックアップが人気の理由を考える

本州では軽トラ・軽バン・ジムニーと小さな車が人気です。やはり細い林道に入れることが大前提ですね。あとは獲物の積載、快適さ、好みで選ぶ感じでしょう。

一方、北海道では明らかに大きなSUVやピックアップが人気のようです。なぜか? 考えてみます。

 

理由1:長距離の運転も多いから、快適さも大事

北海道は広いです。そして北海道で狩猟登録すれば、北海道全域で猟ができるわけです。また北海道の人の「移動距離の感覚」も本州とはずいぶん違います。

「あそこまでは近いよ」=2時間

みたいなことがザラです。本州で2時間も移動したら、他県に行っちゃう。狩猟でも割と遠くまで行く人も多いようです。だから移動中の快適さは重要、と。

また遠くに行くだけじゃなくて、北海道では人口の多い流し猟もまさに「運転する猟」なので、必然的に運転時間が長くなりがち。

やっぱりある程度の快適さは重要ですよね。

 

理由2:雪の積もった林道に入りたい

雪国北海道ですから、林道もあっという間に深く積もります。

そんな道に入っていこうとすると、やはりある程度のパワーと車高が必要でしょう。

しかしそれだけではありません。たとえば前日にほかのハンターがその林道に入って轍が出来ている場合、その轍に乗ることができれば快適です。

ジムニーだと車幅が狭いので、片輪しか轍に乗らず、片方はラッセル状態、片方は轍の上でかえって危ない。だからみんなと同じ車幅の車に乗るのはわりと重要だったりもします。

 

理由3:流し猟で獲物を回収・積載したい

さて、先述の通り、流し猟をする人が多いわけですが、流し猟では「捕獲→回収→次の獲物を探す」という感じで、できるだけテンポ良く獲っていきたい人が多いと思います。

駆除のためにやっている人が多いので、1日1頭と言わず、2頭も3頭も獲りたいわけです。

そうなるとピックアップのような荷台が活きてくるわけですね。

 

さて、ピックアップが必要か?

「じゃ、ピックアップを買っちゃえ」

と考えるわけですが、悩みはあるんです。まずピックアップは値が落ちないので高い。ネットで検索していると、安いのでも100万円前後。ある程度、選ぼうと思うと200万円近くまでは上がります。

ちなみにハイラックスの新車でも安いクラスだと340万円くらいなんです。なんか中古車(15年以上古い)に200万円払うなら、340万円で新車を、という可能性さえ考えちゃいます。いや、340万も使えないので考えてないですけどね。でも考えちゃいます。笑

「本当にピックアップが必要か」

って話になるわけです。で、よくよく考えてみると——

  • 少なくとも今期はジムニーでやれた
  • 本当に雪が深くなると、でかいピックアップやSUVでも入れない。地元の人はスノーモービルなんかを使ってる。
  • やはり基本は忍び猟なので、ピックアップの恩恵を受けづらい

というわけです。「牧草地で流し猟」みたいなスタイルではめちゃくちゃ活きてきますけどね。山で忍び猟となると、ピックアップの必然性はなくなります。

となると——普通のSUV(という表現で合ってますかね? ランクルとかハイラックスサーフなどです)の方が良いのかもしれない、とも思います。

つまり雪道での走破性は高い。荷室も広いから獲物も積める。そしてピックアップに比べると少し安い(みたい)。

ただ、この話を妻にしたところ「ピックアップなら普段でも大荷物を運ぶときに便利よね」とも言います。

たしかに今でもたまに仲良くしている工務店さんにトラックを借りて物を運ぶこともあるので、ピックアップがあれば仕事にも活きてくる場面は(多くないけど)あります。

そして、ピックアップが好きであるという事実も無視しがたい。

 

3人家族だから、それも配慮

狩猟車として選定しているけど、家族でも使いたいと思っています。まぁ、ファミリカーも持っているのですが、何年かしたら子どもも大きくなり、みんなで山に行くことだってあるでしょう。あるいはファミリカーの方が不調のときに、もう1台の車が使えればバックアップとしてありがたいです。

北海道だと車がないと困ることも多いですから。

そうなると、少なくとも4人乗りの車が必須。ピックアップでもWキャブやエクストラキャブならOK。SUV

 

考えられる選択肢

【ピックアップトラック】例:ハイラックス

もっとも汎用性が高い。

将来流し猟もやりたいとか、駆除にも力を入れる、ということになれば、必ず活きてくる。

直近数年で考えるとややオーバースペックだけど、精神的満足度が1番高い。

 

【SUV】例:ハイラックスサーフ・ランクル

やや金銭面でピックアップより安く、家族的にも使いやすい。

 

【軽バンなど】

安い軽バンなんかを探して、向こう数年をやり過ごすというのも手。程度のいいピックアップなどを探して待つという手がある。

とりあえず、数年は困らないけど、広がりがないのが残念。

※もちろん軽バンが悪いわけじゃないので誤解ないように。あくまで今とできることや行動範囲が変わらないという話です。

 

【ジムニーを直す】

死んだジムニーを直すという手もある。安い車を買うくらいお金が掛かっちゃうけど、おもしろい車でもあるのでありだと思ってる。

ただ、この投資をするなら、次の買い換えはしばーらく先にするという覚悟がいる。

 

悩んでます

本当に悩んでます。

まだ結論もないです。

ふむ……。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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