移住するに当たって気をつけたい5つのこと

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去年の春、神奈川から北海道に越して、もうすぐ1年になろうとしています。

きっと自然が好きな人、狩猟が好きな人の中には「将来、移住したいな」と思っている人もいると思います。そんな人に向けて、自分なりに思うことをつらつらと書いてみたいと思います。

地域によってもいろいろ違うと思うので、1つの情報として考えてください。

1.頼れる地元の人が欲しい

ぼくらがラッキーだったのは、移住に伴い購入した物件の家主が、地元でとても顔が利く人だったことです。詳細はプライバシーに関わるので触れませんが、とにかく顔が利く人でした。

そしてさらにラッキーだったのは、その人は物件を売って終わりではなく、その後のぼくらのこともサポートしてくれたんですね。今でもお世話になりっぱなしです。

なにか相談すると

「ああ、その手の話だったら○○さんに相談するといいよ。ぼくが1本電話しておくから、挨拶に行ってごらん」

とその場で電話してくれて、時間が合えば「よし、今一緒にいこう」と同行してくれて、顔合わせまで手伝ってくれる。なにもかもが驚くほどスムーズだし、「知り合いの知り合いはお友だち」理論で、みんな良くしてくれるんです。

もし引っ越した先にひとりも頼れる人がいないなら、苦労は大きくなっただろうと思いますし、何をやるにも時間と労力が掛かったと思います。

 

2.助け合い、支え合いは必要だしありがたい

都会にいると地域の人とか、まったく気にしないですよね? たとえばいつも行くコンビニの従業員とか、よく入る本屋のスタッフとか、知ってます?

これが、地方だとみんな知り合いになってきます。ある意味ではプライバシーなんてなくなります。コンビニで買うものまでバレバレです。笑

でもね、本当にみんな支え合いなんですよ。たとえば一例ですが、物件を購入するに当たって、書類上仲介してくれた人がいるんです。個人間の売買だったので、法律的な面などでフォローに入ってもらった感じで、もちろん地元の人です。

その人もとっても仲良くしてくれて、いまでもお世話になっていますが、じつはうちが宿をオープンするにあたり(自営業でゲストハウスを経営しています)、最初のお客さんはその人の紹介でした。

「今度、友だちのサークルが泊まるところを探しているんだけど、やまくじくんのところはどうかな?」

と話を振ってくれたんです。ちょうどオープン直前。それも10人を超える団体。しかも2泊! はっきり言ってありがたい話ですよ。自営業の人は分かると思いますが、立ち上げ当初の不安はかなりのものです。お客さん来るだろうか、と祈るような気持ちでいるところにこんなありがたい話。忘れません。

 

ほかにも、昨年末、わたしは本を出版しました。これも地元で交流していた新聞社が取り上げてくれて、地元の書店が取り扱ってくれて、一気に多くの人に知ってもらうことが出来ました(この地域ではね)。

そのうえ、書店ではPOPを付けてくれたり、狩猟コーナーを作ってくれたり、応援してくれて、ありがたすぎる話です。

 

さらに猟友会支部からは「せっかく地元で宿やってる人が会員になってくれたんだし、場所代払うから支部の総会をそこでやろうか?」と相談してくれたほどです。どうせ誰かに払うお金だから、できるだけ身近な人に払おう、という感じで、若くて来たばかりのぼくらを助けてくれているんだと思います。

だから、地方・田舎への移住をするのであれば、そういう交流は避けない方がいいと思います。いろんな人と絡んで、助け合いましょう。そのほうが幸せだと思います。

 

3.物件はネットには出てこないよ

空き家バンクとか、いろんな不動産屋が中古物件をネットに公開していますが、正直、本当に魅力的なものは出てきませんよ。

ぼくらが見つけた物件は完全に人から教えてもらいました。奇跡の出会いでしたね。

 

——当時、移住先を求めて、フラフラと北海道で物件探しをしていました。しかし全然見つからない。で、諦めて物件探し旅行の最終日に札幌の飲み屋に入ったわけです。そこで女将さんに「——こんなわけで、宿をやれる物件がなかなか見つからなくてね〜」と話したところ、「宿やりたいの? それなら稚内の友だちが宿を売りたがってるよ」と教えてくれました。そこで電話番号を教えてもらい、翌日電話したことがきっかけです。とうぜん、その物件は不動産屋などを通しては売りに出ていませんでした。

 

地方に行くと、こういう「不動産屋に乗せてない物件」が山ほどあります。

地元の人がいくつも物件を持っていて、「使ってない物件があるから売ってもいいけど、焦ってないし、なんとなく維持してる」なんてケースが多いんです。

これは地元で聞くしかないですよ。だからこそ、頼れる人が地元にいないとキツイ。

 

4.ちょっとでも収入があると気持ちが楽

わたしは移住して、そこでゲストハウスを開くことが前提でした。それが移住の目的ですからね。

だけど、当然オープンまでは時間がかかるし、オープンしても軌道に乗るまでは収入は限られています。

そんな中、わたしの場合はブログの収入とライターとしての雑誌の収入があったことがかなり精神的な救いになりました。金額は伏せますが、それらの収入を合わせると、ちょっとした良いお小遣いくらいの額にはなるんです。生活費にはほど遠いけど、でもブログも雑誌も移住しても増減しない収入です。特にブログは。

その少しばかりの収入が精神的には支えになりましたね。「もしゲストハウスが苦しくなっても、これだけは入ってくる……」。こればかりは理屈ではなく、感覚的なものです。でも本当にありがたいと思いましたね。

 

5.郷に入っては郷に従う

都会から地方に移住すると「今までと違うな〜」と感じる部分もあると思います。

そりゃそうです。大都市と地方が同じやり方でうまくいくわけがありません。なのに、あたかも都会のやり方の方が優れていると信じ、“良かれと思って” ガンガン変えていこうする人がいるようです。

もちろん新しい風が入ることは必要なことだし、それが求められる場面もあるでしょう。だけど、姿勢として、まずは学ぶことが大事。今のやり方を学んで、そのやり方でやってみて、それで一応うまく回るようになってからだと思います、変えるなら。

だって、考えてみてください。穏やかに生活していたある日、隣に新しく人が越してきて「あなたたちのやり方は古い! 変えねば!」とか言い始めたら……。「まぁ、ちょっと待ってよ」と思いますよ。そういうことです。

 

ぼくらはとっても幸せな移住生活です

今のところ、じつは最高に幸せな移住だったと思っています。

周辺の人とも仲良くさせてもらってるし、みんな応援してくれて、助けてくれて……。今のところ「助け合い」というよりは、一方的に助けてもらってる感じです。

みなさんも移住するときはうまくいきますように。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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