初めてのスコープ選びについて思うこと

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今期から猟を始める人で、スコープ選びに迷っている人に向けて、わたしなりに思う「初めてのスコープ」について書いてみます。

わたしが使ってきたスコープについて

まず、わたしが前猟期に使ったスコープはこちらの記事で紹介しています。

初猟期が終わろうとしている今、スコープについて改めて考える

リューポルドのVX-HOG 1-4×20です。Amazonでも買えます。

 

リューポルドのエントリーモデルの中でもっとも低倍率寄りのスコープです。名前にHOGとあるくらいですので、走り抜けるイノシシ用って感じなのでしょう。レティクルも十字ではなく、中心に○があり、スッと構えてすぐに狙いやすいデザインになっています。

精密射撃ようというよりは、やはり走る獲物用ってところでしょうか。

 

で、今年MSS-20に載せているのはこちらBrowningの2-7×32。詳しくはこちらの記事でどうぞ。

新しい猟用スコープを頂いてしまったのでご紹介 “ブローニング 2-7×32”

VX-HOGと比べ、少し高倍率に寄せました。とにかく今年はこれを使ってみます。

 

スコープ選びで気をつけるべきこと

さて、『初めてのスコープ選び』ですが、わたしが相談を受けたならこう答えます(本州での単独猟を前提)。

「有名メーカーのエントリー機で、最低倍率が2倍以下のもの」

 

言い換えると——

  • コピー品などの、異常に安いブランドは避ける
  • ムダに高倍率は避ける
  • 高級モデルは避ける

ということです。誤解しないで欲しいのですが、あくまで『初めてのスコープ』としての考えです。「経験者があえてコピー品で遊んでみる」「考えがあって高倍率を使う」「いろいろ使った末に高級モデルを買う」というのはもちろん良いと思います。

理由を書いていきます。

コピー品などの、異常に安いブランドは避ける

散弾銃の衝撃って凄いんです。

それこそ、そういう前提で作られていないスコープは1発で壊れることがあるほど。しかも、壊れたときに爆発してくれるなら「壊れたこと」に気がつけるから良いのですが、実際には「撃つたびにレティクルがちょっと動いてしまう」みたいな目に見えない壊れ方をして、結果的に撃つたびに別の場所に着弾するという微妙な事態に陥ります。

それにすぐに気がつけたとしてもスコープは買い直しになりますし、また射撃場の場代を払い、弾代を払い、ゼロインをしなければいけません。

極端な話、たとえタダでもらったとしても、すぐに壊れたら射場代+弾代で1万円くらいは軽く飛びますし、半日くらいをムダにするかもしれません。

もっと最悪なのは壊れたことに気がつけないことです。

「なんか着弾がおかしいけど、自分の撃ち方がおかしいのかな?」

と撃っているうちに、あっという間に10発20発使ってしまうわけですよ。1発200円としたって、2000円〜4000円です。気がつくまでお金を失い続けるという落とし穴があります。

壊れたのが猟期だったらどうします? どこに飛ぶかも分からない鉄砲じゃ猟になりません……。

信頼できるスコープを使いたいのはこういう理由です。

 

ムダに高倍率は避ける

スコープというとスナイパー的なイメージから高倍率に憧れる人がいます。それで「せっかくなら」とやや高倍率寄りで買う人もたまに見かけます。

分かっていてやっているならいいんですが、良く分からなかったら、やっぱり最低倍率は2以下を検討した方がいいとわたしは思います。

低倍率でも遠くは撃てますが、高倍率で近くを撃つのは難しいんです。なにしろ鉄砲を構えても、獲物がスコープに入りませんから……。

わたしは4倍で100m越えの獲物を獲ったことがあります。うまい人だとアイアンサイトでもそれくらいやっちゃう人もいます。

迷ったら低倍率寄りのスコープをオススメします。

※北海道の牧草地ならば、もうちょっと倍率を上げてもいいのかもしれません(想像)。だから、この記事は “本州” と宣言しています。北海道とひと言で言っても忍び猟と牧草地の猟では質も違うでしょうから、そのへんは経験者に訊いた方がいいでしょうね。

 

高級モデルは避ける

スコープって倍率だけではなく、対物レンズの口径、倍率、レティクルの種類などいろんな要素があります。

どういうスコープが自分に合うかは使ってみないと分かりません。

だからいきなり高級モデルを買うより、エントリー機を使ってみて、「もっと高倍率が欲しい」とか「レティクルは○○タイプが良い」と分かるようになってから高級機に手をだした方がいいような気がします。

「じゃぁ、最初は中華モデルのコピー品で済ませたらいいじゃないか?」

と言うかもしれませんが『コピー品などの、異常に安いブランドは避ける』で書いたとおり、安くても壊れたらダメなんです。そこで有名メーカーのエントリー機をオススメします。

これならば、あとで中古で売っても少しは金額がつきます。高値で売れると言う気はありません。エントリー機はエントリー機ですから……。でも、壊れてなければ相応の値はつきます。

Twitterを見ていても、いつもスコープを欲しがっている人がいます。わたしもTwitter経由で中古のスコープを買いました(リューポのVX-HOG)。

 

『有名メーカーのエントリー機で、最低倍率が2倍以下のもの』

で、有名メーカーってどこよ?

と訊かれたら、「とりあえずリューポルドかな?」と答えます。それしかないわけではありませんが、まぁ、やっぱり定番ですよ。あとは国産メーカーのVixen、Vortex、ブッシュネルなんかがあります。

あ! あとは、ちゃんと散弾銃で使えるものを買いましょうね。エアガン用はだめ。実銃用と謳っていても、22LRという反動の少ない銃やエアライフル用だったらダメです。ネットで調べて、スラッグでの実績があるかを調べましょう。

 

追記 2020/05/23 初めてのスコープについて動画を作りました


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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