猟場の下見も兼ねて軽量ソロタープ野営

  • Pocket

ここ数ヶ月、何かと忙しくて丸一日空いている日があまりなかった。

そんな中ようやく丸二日の暇ができたので、このタイミングで山に行くことに。

山に行くにしても、いろんな目的が考えられる。渓流釣りでもいいし、猟場の下見として山に入るのもいい。山菜・キノコを探しに行くのもいい。

前日の夜まで悩んだ結果、「猟場の下見」を目的に入ることにした。またせっかく2日あるので、泊まりで行くことに。

ちょっとした裏テーマもいくつかある。今日はその野営のお話。

猟場を広く知りたい

冬、猟で入る山のことは熟知しておきたい。地図を見なくても駆け回れるくらいの知識が欲しい。

「この尾根を越えたら何があるのか? 藪? 岩場? 急斜面? けもの道は?」
「この辺で日が当たる場所はどこだろう?」
「鹿の餌になる植物が生えている場所は?」
「あの場所に行くにはどのルートを歩けばいいか?」

などなど、地形図を見ても分からないことが山ほどある。というか、地形図だけじゃ大事なことは何も分からない。

今回行った場所は去年も下見で何度も入っているし、実際に猟をした場所でもあるのだけど、それでも歩いたことがない場所もたくさんある。

そこで1泊2日かけて、歩き回り、これまで歩いてこなかった場所を歩いてみようというのが今回の目的だ。

 

単独猟では歩きやすさも重要なポイント

昨シーズンの経験から、単独猟では “シカのいる・いない” 以上に、歩きやすいことが重要であると感じていた。いくらたくさんのシカがいても、忍び歩きができず、激しく藪漕ぎしないと歩けない場所ではすぐにシカに気取られて、逃げられてしまう。またシカが藪に入ってしまえば姿が見えず撃つこともできない。

ひどい藪や足場の悪い場所を避けながら歩けるルートを把握しておくだけで、チャンスは増えると思う。

 

装備を減らしたつもりでも、意外と多い

今回の下見の裏テーマは「いかに軽量に野営するか?」でもあった。

昔からテン泊登山やオートバイでのキャンプツーリングなんかをやっていたので、山中で野営することに少しは慣れていたが、荷物を減らすということをあまり本気で考えたことはなかった。

服部文祥さんがやっているようなサバイバル登山の考えに共感しているし、冬の猟でも野営できたら楽しいかもしれないという野望もある。猟では荷物は少なければ少ないほど有利だと思うので、それに向けての練習のようなものだ。

とはいえ、上の荷物を見てもらえば分かるように、ザックはしっかりパンパンになった。このザックはセロトーレのもの。日本人が、日本人のためにデザインしたザックメーカーで、企業の姿勢も尊敬できる。

参考:セロトーレジャパン公式サイト

 

わたしのザックの容量は35リットル。これは一般的には小屋泊サイズ。テン泊登山というと少なくとも40リットル。一般的には50リットル程度のものを勧められると思う。

パンパンではあるけれど、決して人より多いってことはないと思う。だけど、それでも「念のため」と入れた荷物もあるので、減らせるとは思ってる。それは記事の最後に触れる。

※こっそりビールとウイスキーを忍ばせているのは内緒だ。

 

いきなりシカに遭遇

上の写真にシカがいる。Twitterで「どこにシカがいるか?」とクイズにしたところ、みごと見つけた人もいた。撮った自分でも探すほど苦労したのだから、ハンターの感はすごいな、と思う。

ちなみにこのシカは最初はかなり近いところにいた。カメラを用意して、撮影をする頃にはあそこまで遠ざかっていたというわけだ。

なんにせよ、下見にきて獲物を見つけられるとホッとする。猟を通して獲物を獲ることも好きだが、山の中で野生動物を探して、見つけるというプロセス自体がおもしろいのだ。

 

その後も痕跡多数

ハッキリしたけもの道を見つけて、それに沿って歩いていたので、シカの痕跡に事欠くことはなかった。最初はこうして「痕跡の記録」として写真を撮っていたが、すぐに馬鹿らしくなってやめた。全部撮影していたら前に進まない。

 

けもの道は沢へ

けもの道は自然と沢へと降りた。

猟で来たことはなく、いつも歩いていた猟場ではあるが、今回初めて来た場所だ。遠いわけでもない。いつも歩いていたルートの外側だから来たことがないだけだ。こんな良い場所があったのか、と感心しつつ、ここで昼食。

 

昼食は鹿の“しぐれ煮サンド”。ちょっと油っ気は欲しいとは思ったが、味は申し分なし。鹿のしぐれ煮はどうやって食ってもうまい。

参考:シカのくず肉レシピ:簡単でうまい鹿のしぐれ煮

 

じつは今回の裏テーマはもう1つあった。「食べ物は普段通りの素材で」というものだ。

服部文祥さんのサバイバル登山では食料を現地調達する。その山で採れたものを食べて、その山の頂を踏むことで、その山を攻略するというプロセスを重要視しているのかな、と思う。わたしは服部文祥さんの思想には共感しつつも、登山家ではないので、まったく同じ事をしようと思っているわけではない。

むしろ「生活の延長線に山を置く」という考えを重要視している。遠くの高い山を登るよりも、近くの山に何度も入りたい。フラッと山に行きたい。山に行くためにアレもコレもと買い物をして、万全の準備をしていくよりも、家の冷蔵庫を開けて、そこにあるものを詰め込んでパッと行けちゃうことの方がいまは魅力を感じる。

 

昼食にはパンとシカのしぐれ煮を、夕食には米とシカのロース肉を持ち込んだ。シカは昨シーズンこの山で獲ったものだ。この山で獲ったものを食べながら、次のシーズン、またシカを獲るための下見をするというのは、なんとなく自分の行為が循環している気がして嬉しい。

 

野営。タープ泊。

沢沿いを探索し、この沢の源流域もチェックする。沢の水がしみ出すところまで確認すると、なんとなくこの沢を攻略したような気持ちになる。あまり魚のいない沢だと思い込んでいたのだけど、覗いてみると、源流域にはチョロチョロと魚影が見られた。

今度は釣り竿を持ち込めば、おかずを1品追加できるかもしれない。

野営地は沢近くのやや高台に決めた。今回の野営はタープを屋根にして、雨具のポンチョをグラウンドシートとする。寝るときは寝袋と寝袋マットを敷く。

タープとポンチョは本当に小さいので、荷物としては気にならないが、寝袋と寝袋マットが嵩張る。これをやめれば荷物はさらに減る。快適な睡眠と軽量な荷物のせめぎ合いとなる。

マットはやめてもいいかもしれないナ。

 

寝床を決めると何でも吊したくなる。無造作に地面に置くと必ず物をなくすし、汚れたり濡れたりもする。吊しておけば安心だ。

 

三時半。夕方の到来を感じさせる風が吹き始めた。その風を合図に火を熾す。細めの枝が大量にあったので、まずはそれを盛大に燃やしつつ、近くにあった笹の葉を収穫してお茶にする。

まだビールには早い(ビールもちゃんと冷蔵庫にあったのだから、裏テーマにも合ってる笑)のでお茶を飲みつつ、読書。読んだのは『颶風の王』。趣のある小説で、野営しながら読むのにちょうど良かった。適度に考えさせられる作品だが、過度に重くないのもいい。

まったく余談だが、似たタイトルの名作に『蠅の王』という作品がある。

読んだのはずいぶん昔だが、本当に名作だ。無人島に辿り着いた少年たちが生きていく様を描いた小説だから、野営地で読むのも良いかもしれない。

 

火もテキトーに落ち着いたところで、炊飯と肉の調理に入る。肉の調理と言っても、ぶつ切りにして、串焼きにするだけだ。何も調味料を持ってきていないので、工夫もない。写真では大きなシカ肉の塊に見えるが、実際は焼き鳥のように、小さめに切った肉が並んで刺さっている。

 

待ち時間が暇なので、ちょっとした細工をした。猟でも使っている剣ナタにチェッカリングを入れた。何の技巧もない、いい加減なものである。この小さなチェッカリングだけで満足しているわけでもないが、また今度野営するときに、さらに少し掘り進めればいい。他人から見りゃいい加減な細工でも、自分にとっちゃ愛着の湧くひと工夫になる。

 

炊きあがった米と、焼き上がった肉でささやかな夕食。肉は塩さえかけてない。しかし煙でいぶされて良い味がついていた。野外補正がかかっているかもしれないが、これまで食べた鹿肉でも上位に入る味だった。

現実問題として、米とシカ肉だけだと塩味と脂がたりないとは思った。味噌汁でも作れば食も豊かになるし、塩分もとれる。次回はそうするかもしれない。

(ちなみに翌朝の朝ごはんは、余った米に水と味噌を入れ、煮立てて味噌雑炊にした。昔からわたしの定番アウトドア朝食だ。鍋がキレイになるのがいい)

 

夜はひたすら読書

日が暮れればあとはやることもない。夕食も終え、あとはビールとウイスキー(これも家にあった)を舐めながら読書だ。

久々にひと晩で1冊の本を読み終えた。そのうえさらに2冊目にも取りかかった。最近、こういう一気読みをしていなかったので、無性に楽しかった。

 

減らせる荷物。

細書に書いたとおり、今回のテーマのひとつは「いかに軽量に野営するか?」。

今回の山行を振り返り、何を減らせたか、と考える。重さは大したことがないが、やたらと嵩張る寝袋マットがまず筆頭。快適な睡眠はもちろん欲しいところだが、良いテン場さえ見つけられればどうにかなる。今回も夜、あえてマットを外して寝てみたが、耐えられた。ただし冬は寒いだろうと思う。葉っぱを集めるなどをして、下に敷けば快適になるかもしれないが……。

次にラジオ。迷うところ。天気が安定していれば良いのだけど、朝、天気予報の1つくらい聞けないのは不安かも。スマホはあるが、ネットはなかったし。

ヘッデンも今回はあまり使わなかった。読書の時だけだ。しかし問題が起これば必要になるので、減らすのも不安を感じる。

意外と減らせる物は少ないナ。

 

荷物を減らす工夫があれば、是非教えてくださいな。

 

 

また、おもしろいと思ったらこちらをクリックしていただけると、ランキングが上がります。どうかお願いします。
ブログ村へ
にほんブログ村 アウトドアブログ 狩猟・ハンティングへ




Twitterではブログ以上にあれこれ模索の様子を呟いていますので、興味があればフォローをお願いします。
Twitter @yamakuji_jp

  • Pocket

SNSでもご購読できます。