狩猟用にはハンディ無線機だけじゃだめ? いろんなタイプのイヤホンマイク
先日書いたとおり、巻き狩り用にハンディ無線機を購入しました。まだ開局申請が済んでいないので、正式には手続き完了ではないものの、後は開局申請がおりるのを待つばかり。
——と言いたいところですが、無線絡みであと1つだけ気にすべきことがあるようです。
それがマイクとイヤホン。何を買うか考えてみましょう。
なぜマイクとイヤホン
ハンディ無線機というのは、いわゆるトランシーバーのことで、ボタンを押している間は自分の声がみんなに届き、離すとみんなの喋り声が聞こえてくる仕組みです(大雑把に言えば)。
イメージ的にはタクシーの運転手さんが時々使っているヤツですね。
「ザーー、○○地区、空いているタクシー、向かってください、どうぞー」
「こちら○○番。付近にいます。向かいます、どうぞー」
みたいな感じでやりとりしてますよね(中身は適当ですが)。
これを使って、あれこれ狩猟仲間同士でやりとりするわけです。たとえば
「こちら○○、イノシシ起きた、西に向かってる」
「こちら○○、1頭撃った、もう1頭逃げてった」
みたいな感じでしょうか(これまた、中身は適当です)。
電話でやりとりしていたら時間がかかって仕方ないし、第一、電話じゃ特定の誰かとしか喋れません。というわけで無線が活躍するようです。
(注意)ただし有害鳥獣駆除でのアマチュア無線の利用は禁止されています。というのも有害鳥獣駆除は行政から委託を受けている “業務” であり、アマチュア活動ではないからです。一方、趣味の狩猟は問題ないという認識です。たとえば林道ドライブが趣味の人同士が運転しながらアマチュア無線でやりとりするようなケースと似ていると思います……(´-`).。oO(と、言いつつ、正直な話、可能ならば駆除でも合法的に使えるデジタル簡易無線に1本化した方がいいと思うんですけどねぇ〜)
さて、そんな便利な無線ですが、問題は無線機に電源が入って、周波数が合っていれば、問答無用に声が届いてしまうという仕組みです。つまり「電話を取る」という行為が発生しません。勝手に無線機から声が流れます。
もし目の前に獲物がいて、こちらに気付いていない状態、ジーッと狙いを定めているときに「イノシシがそっち行ったぞーーー」と叫ぶ声が無線機から流れてしまったらどうでしょう? 声を聞いてイノシシだって逃げていくでしょうよ。
というわけで、イヤホンは確実に必要でしょう。
一方、マイクの方はどうでしょうか? わたしはまだ試していないので分かりませんが、おそらく、ハンディ無線機を胸ポケットに入れて、そのまま喋ってもちょっと声が遠いのではないでしょうか? というか、ポケットの布とこすれる音ばかりが届いてしまいそうです。
そうすると喋りたいときに、いちいちポケットから出して、ボタンを押して、喋り掛けることになります。鉄砲を持っているときにそれはちょっと不便そうな気がします。そこで “マイク” の存在が出てきます。
無線機自体はポケットに収納しておき、マイクだけ胸元・口元に用意しておき、ハンズフリーで通信できたら便利そうですよね。
3つのタイプがあるみたい
さて、イヤホンとマイクですが、調べてみると、ざっくり3種類ありそうです(たぶん、探せばもっとあるのでしょうが)。
ここで挙げているのはわたしが購入したVX-6のオプションとして紹介されていたものです。社外品などもっと選択肢はあるでしょう。
1. スピーカーマイク+イヤホン方式
この商品自体は名前の通りスピーカーマイクです。イヤホンの機能はついていません。しかし、こいつにイヤホンジャックがあり、そこに普通のイヤホン(音楽プレーヤーで使うようなヤツ)をさせばスピーカー機能が死んで、イヤホンだけに音が流れる仕組みになっているようです。
じつは無線機屋さんの店長はこの方法を勧めていました。
「これがいいと思うよ。ほら、無線機自体はちょっと重いでしょ。それがベストの上の方があるとバランスが悪いんじゃない? ぼくは鉄砲やらないから分からないけどさァ。だからもっと低い位置のポケットに無線機を入れて、このスピーカーマイクだけを胸元につけて、イヤホンを耳に入れれば使いやすいでしょ。たぶん、みんなそうしていると思うよ」
実際、みんながそうしているかは分かりませんが、この地域のハンターはこの無線機屋さんで買う人が多いらしいので、まったくの間違えということもないでしょう。
また車で運用するようなときも便利そうな気がします。無線機はダッシュボードに固定して、このマイクだけで通信できたらいいですよね。
ちなみにブログ『新米猟師の独り言』さんはこの方式を使っているようです(参考:アマチュア無線の話)。
まずハンディマイクとイヤホンを取り付ける。これで受信時の「ザー」という音が外部に漏れないし、獲物を前に大声で話さなくてもよくなった。
とのことです。いいですね〜。
2. イヤホン・ピンマイク
とってもシンプルな方式ですね。1番シンプルでしょう。。普通のイヤホンに普通のピンマイク。
比較していないので分かりませんが、1. スピーカーマイク方式に比べると、マイクの性能がいかにも悪そうですね。
実際はどうなんでしょうか? まったくの想像なので分かりません。
ちなみに、『狩猟装備 服装編』でイヤホンの形状について言及があり参考になります。
マーカー取り以外の通話する無線は、音を漏らさないために耳掛け式イヤホンとピンマイク・ハンドマイクを使用する。耳の穴に入れるタイプは、一日使っていると痛くなるが、耳掛け式は何ともない。外の音も聞こえる(かなり重要!)ので、音源方向が分かり手放せないアイテムだ。
これは参考になりますね。こういう耳に入れるタイプのイヤホンは長時間使っていると耳が痛くなります。これは経験があるのでよく分かります。そして、周りの音が聞こえにくくなるという弱点もあるんですね。納得です。
そこで「耳掛け式」が出てくるんですね。
3. 耳掛けタイプイヤホン+ピンマイク
こちらは 2. イヤホン・ピンマイクが耳掛け式になったものです。
2か3かと言われたら、ダントツ3が良さそうですね。ちなみにこれはブログ『吾輩はプアである。』の『巻き狩り(グループ猟)に必須。4アマ無線の免許取り方と運用』で使われている方式です。
そのままでも使えるのは使えますが、本体のみだと、受信した音声はスピーカーから流れ出て獲物に気づかれ、発信する音声はわざわざ口のそばに持ってこないと相手に伝わらないという残念な状態です。他の用途ならともかく、狩猟ではまともに使えません。
とのことです。
どれがいいのか?
まず消去法的に2は外そうかと思います。好みによるのでしょうけれど、狩猟をやる上で、周りの音が聞こえない点と、耳が痛い点(これが実は気になる)が厳しいです。
で、『1. スピーカーマイク方式』と『3. 耳掛けタイプイヤホン+ピンマイク』のどちらがいいか?
わたしなりに思うのは、スピーカーマイク方式は『音質良さそう&防沫性あり』という強みがあるのに対して、耳掛けタイプイヤホン+ピンマイク方式は『軽量・省スペース』。
もっとざっくり言えば、高機能 vs シンプルという戦いかな。
ちなみに金額で言えば、そんなに変わりません。スピーカーマイク方式は(イヤホンを含まないですが)3,954円。耳掛けタイプイヤホン+ピンマイクは3,180円。前者はイヤホンも買わなくてはいけない分、ちょいかかりますが、当然耳掛けタイプを買うこともできるし、好きなイヤホンを使えるのもいいですね(後者でもイヤホンを変えられそうですけど)。
わたしは、(まだ買ってないですが)、前者の『1. スピーカーマイク方式』をとるつもりでいます。最後に無線機屋さんで相談ですね。
また、おもしろいと思ったらこちらをクリックしていただけると、ランキングが上がります。応援のつもりでお願いします。
ブログ村へ
視線を落とさずに、とっさにパッと握って送信ボタンが押せるのは、スピーカーマイクくらい大きさがある方がいいです。
ただ、襟元にクリップで挟んでぶら下げて置くには小さい方がじゃまにならない。
この辺は好みだと思います。
ただ、以前にも書きましたが、PTTスイッチはゴムカバーが掛かってる方が雪で凍りつく心配がないです。雪がふらないなら気にすることないですが。
イヤホンは基本リード線を耳にかけます。
なので耳掛けフックは♪あってもなくてもどうでもいい~
です。
音楽用や普通のラジオ用のイヤホンは、スケルチが開いたときの「ブツッ」とか「ザッ」って音が重低音で響くので鼓膜がつらいです。
人の声の周波数だけ通る通信用のイヤホンの方が快適です。
うちの猟隊では、みんなサージカルテープ(医療用テープ、ガーゼを貼ったりする奴)を持参していて、イヤホンを耳に入れたらその上から横一文字に貼って、脱落止めにします。ヤブ漕ぎしてて抜ける心配がなくなりますのでおすすめします。
イヤホンの形状はその人の耳の形にもよるでしょうから、付けていてしっくり来るってのが大事ですので、好みで選べばいいと思いますけどね。
あとは、アコースティックチューブタイプは、雪がふるような日にはチューブが固くなって使いづらいのですが、耳孔に入れる部分が細くなって外部の音が直接聞こえるタイプのものはちょっと気になってます。誰か試してくれないかなぁw