初めてのスラッグ体験! 驚きの痛さとサイト合わせのこと

最終更新日

初めてスラッグ射撃をしてきました。目的は「スラッグの体験」と「サイト合わせ」。

これまでスキートはやってきましたが、静的射撃は初めて。いつもの射撃場じゃできないので、ちょっと遠い射撃場に遠征します。

これからスラッグ射撃を始める人の心の準備の手助けになるように、事前準備から当日の流れをご紹介します。

まずは銃砲店で相談

まずは銃砲店でサイト合わせの方法を相談します。わたしが行く銃砲店の方はとっても丁寧に教えてくれました。これがなければ1人でやるのは辛かったと思います。

ちなみに “サイト合わせ” とは、照準器(スコープやアイアンサイト)の向きを正しい方向に向けること。これをやらないといくら高級なスコープで撃っても、弾はてんで変な方向に飛んでいきます。

わたしの銃にスコープはなく、照門と照星が付いたオープンサイトやアイアンサイトと言われるタイプです。いわゆる凸凹が銃身についたやつですね。

これがアイアンサイトの凹の部分。
照門を上から見ると、六角レンチが入る場所があります。これをいじくって位置を調整します。

「近々スラッグを撃ってみようかと思ってて、サイトあわせをしたいんですけど、手順を教えてくれませんか?」

と銃砲店で訊いてみました。紙にいろいろ書いて、事細かに教えてくれましたよ。教わったことをすごく大雑把にまとめると……

  • サイトあわせはガンレストを使って、銃を固定して行う。ガンレストがなければ、毛布などでうまく銃を固定すりゃOK
  • 照準器の調整は1発ずつやらない。5発くらい撃って、傾向を見ること(全体的に左寄りなら右に寄せるなど)
  • オープンサイト&自動銃だから、的の黒枠に収めることを目標にしよう
  • ある程度当たるようになったら、膝撃ち・立射に挑戦する

ってな具合。他にもフォームや照門の調整の仕方なども教わりました。その辺はぜひ周辺のうまい人に訊いてください。

いざ射撃場で受付!

スラッグはどこでも撃てるわけではありません。ライフル射撃場に行かないといけないんですね。

というわけで今日伺うのは初めての射撃場。なんだか緊張します。受付で素直に「初めてなんです!」と言ったら、親切に教えてくれました。

わたしが行った射撃場では静的射撃は50mと100mを選べました。もちろん50mを選択。

「的は何枚にする?」
「ん〜、的って何枚いるんですかね?」
「何発撃つの? 30発なら2〜3枚あればいいんじゃない?」

というわけで、よく分かりませんが2枚もらいました。1枚250円。

「画鋲ある?」
「画鋲? 画鋲がいるとは思いませんでした!笑」
「だよね。はい」

と画鋲を4つくれました。画鋲は持って行くものらしいです。知りませんでした。

スラッグの料金体系はスキートなどとは違うようですね。スキートは1ラウンド○○円って感じですが、スラッグは1日○○円となっていました。つまり弾代以外は固定ってことですね。理屈で言えば、撃てば撃つほど安くなる計算です。

最初の洗礼は音!

受付を終えて、ライフル射撃場に向かいます。

ライフル射撃場は屋内にあります。細長い体育館のような部屋の向こうに標的があり、手前に机が並んでいます。その机から撃つんですね。

先客が2人いて、1人は準備中、1人は射撃姿勢に入っています。

「ちょうどいいや、先客の様子を見て勉強しよう!」

なーんて、呑気に突っ立っていたときのことです。

どーーーーッん!

耳をつんざく大爆音! こだまする反響音。反射的に強張る身体。なんだ! なんだ! と射撃姿勢をとっていた射手を見ると、1発撃って、排莢するところでした。

「いまのが銃声!? スキートで聞いてきた音と違う。違いすぎる! スラッグだからか? 室内だからか? 両方か!?」

と驚いているうちに、同じ人が次の弾を装填しようとしています。

「うわ、また撃つんだ。まずい、早くイヤーマフを!」

と大慌てでカバンからイヤーマフを取り出します。そしてそれを耳に装着するかしないか、というタイミングで2発目の銃声。イヤーマフがあれば絶えられる音でした。ギリギリセーフ。

初めて行く人は、ぜひ室内に入る前にイヤーマフを装着しておきましょう。じゃないとビックリします。

あとは個の世界

射撃する机の様子です。これは写真用に並べたので、望遠鏡の位置が変です(ここにあったら撃つのに邪魔)。

スキートは複数人で行う競技です。たとえひとりで行ったとしても、少なくともプーラーがいます。純粋に自分ひとりだけ、という状況にはなり得ません。

それに対して静的射撃は純粋に1人ぼっち。個の世界。わたしが行ったときは自分を含めて3人いましたが、お互い干渉し合うことはなく、それぞれ自分のスペースにこもり、数発撃っては調整し、ってな具合に黙々と作業をしています。ストイックな職人的空間だと感じました。

わたしも作業に入ります。

用意したスラッグ弾は30発。的は2枚。銃砲店で教わったとおり5発ごとにサイト調整するとして、できれば2〜3ラウンド(10〜15発)でサイト合わせを済ませて、残りで膝撃ち・立射の練習もしたいところ——。

と頭の中で計画を立てます。

机に弾を出し、銃を置きます。ちゃんとしたガンレストがないので、射撃場にあった枕みたいなヤツを適当に積んで銃を置きます(上の写真のように)。先台だけ枕の上に置き、あとは普通に据銃します。いわゆる依託射撃の姿勢でしょうか(よくわかってない!)。

まぁ、考えても始まらないので、1発撃ってみることにしましょう!

殴られたって、こんなに痛くない

弾を装填して、依託射撃の姿勢をとり、銃砲店で教わったとおり照門照星と的を合わせ、ゆっくり引き金を引きます。優しく引くのがコツだそうで、ねっとりと引き金を絞ります。

……まだ引き金が落ちない。……いつもより重く感じる。……身体がビビってるのか? ええい、もう少し力を入れて! ……これでもまだダメなのか!? スラッグだから? いや弾の種類で引き金の重さは変わらないぞ。……よし思い切って引いてみよう……

としばらく粘ってセーフティがかかっていたことに気が付きます。恥ずかしい……。スラッグの反動を恐れる気持ちが強くて……。

気を取り直して、セーフティを外し、改めて射撃姿勢。引き金をヌラーっと引くと、ドッカーーーン。想像の10倍は強い衝撃でした。肩が痛いこと痛いこと!

「え? 何? どうした? なにがあった?」

と目が丸くなりました。周りの人が撃つ様子も見ていましたが、みなさん撃ったあとに顔をしかめないんですね。涼しい顔をして撃っています。まるで痛いのは自分だけかのようです。

なにはともあれ、5発撃ちます。的の下部に着弾。サイトを調整し、次の5発。さらに調整して5発と、3ラウンドを終えた時点で、こんな感じでした。

最初の5発は的の下の方に集弾していますね。2発は紙の少し下に着弾してました(上の画像の赤丸の位置)。

そこから調整を加えて、段々と中央に近付いて行くのが分かります。3ラウンド目にはちょい左寄りですが、黒枠に収まるようになりました。ここで、弱冠ですがサイトを右に寄せて、最終3ラウンド(15発)に移ります。

膝撃ちにも挑戦

最後は依託射撃を5発と膝撃ちを10発。結果は下の通りです。

銃砲店では「黒枠に収まればひとまずOK」と言われていました。というわけで、初練習の結果としては満足!

立射という課題は残っていますし、精度にしても今は黒枠(直径20cm)で良しとしていますが、15cm、10cmとレベルアップさせたいところです(実際、オープンサイトでどれくらいまで追求できるんでしょうね?)。

痛い……

それにしても痛いです、肩が……。

想像以上の痛さです。

実は30発を撃つ中で2度だけ痛みが少なかったときがありました。「あれ? 今のは痛くなかった!」と驚いたほどです。そのときのフォームがきっと良いフォームだったのだろうと想像していますが、その後再現できず……。

今後の研究課題ですね。

〜おまけ〜

最後になりますが、初めてスラッグを撃つ人はこちらの記事を読むことをオススメします。

射撃場でスラッグ弾の射撃練習する時はグリスを持って行こう。|吾輩はプアである

わたしもまったく同じグリスを買って、使用しました。いい感じでしたよ。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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2件のフィードバック

  1. 初スラッグ射撃の膝射でこれだけ当たれば十分かと。(・∀・)

    そういや覆道での射撃は皿撃ちの音とはわけがちがいますね。
    僕は場合によってはイヤーマフ+耳栓で臨んでます。

    • あまりにうるささに、ぼくも2度目からはイヤーマフ+耳栓です。かなり快適になりました。
      次の目標は立射ですね。立射でこれくらいまとまったら最高なのですが、実は先日3発だけ試しに立射してみたら、てんでバラバラ……。やっぱり難しいです。
      弾も買い込んだし、練習します。