詳しい人、教えて! 山で使う包丁を探して出会ったのがこれでした

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山で包丁を使いたいと思うようになり、御徒町の某刃物屋さんへ。そこで出会った包丁にひと目ぼれして買ってしまったのですが、誰か、この包丁の素性が分かる人いないでしょうか?

不意に出会ったこの包丁

——山で包丁を使いたい。

そう思い立ち、御徒町の某刃物屋さんを訊ねました。

「何を探してるの?」

店主にそう訊かれて「山に持っていく包丁を——」と答えたところ、少し怪訝な顔。

「山に包丁を持っていくの? 山で使うならこういうナイフの方がいいんじゃない?」とフォールディングナイフやシースナイフに目を向けます。

たしかにそう。言いたいことはよく分かります。だけど——、という気持ちで少し自分のやりたいことを説明しました。

「包丁を腰にぶら下げて歩こうっていうんじゃないんです。近所の山の中でゆっくり料理をしたくて……」
「そう。まぁ、包丁はこっちにもっとあるよ」

と店の奥にある包丁コーナーに案内してくれました。

ガラスケースの中に並ぶ大小の和包丁。どれも美しいです。

しかし大きすぎては持ち運べないし、小さな果物ナイフを買うなら、それこそ普通のシースナイフでいい、ということになってしまう。それに高価すぎると値段ばかり気になって山で使いにくい……。

やはり狙いはそれなりに安くて、がっしりしている出刃包丁。

——ま、こういうのは出会いだから。出会わない日もあるよね。

そう思って店を出ようとした時です。

包丁コーナーの隅にある1丁の包丁が目に入りました。

手にとってひと目ぼれ

「すいません、これ見せてもらってもいいですか?」

目に入った包丁を指差します。これまで上に挙げたセリフ以外、一切言葉を発しなかった店主が、包丁を出しながら、もう我慢できないという風に、まさに溢れるように喋り始めました。

「これね、すっごくいい包丁なんですよ。ちょっと持ってみて。重いでしょ? 一昔前の鋼材を使っていてね。切れるよぉ。それにこれ、すごい人が作ってんだから——。四国の名工よ」

どうでしょうか? 無骨ながらもがっしりした出で立ち!

言われるがままに手に取る。グッと手にかかる重み。最高に心地いい。初めて高級ボールペンを手にしたときのような、心地よい、高級感のある重みです。

刃を見る。黒光りするブレード。

手作りっぽさが滲み出ていますね。

やっぱり美しい。

「ちなみに名工って、どなたなんですか?」
「白鷹幸伯さん。知ってる?」
「——いえ」

正直、誰が作ったかなんてどうでもよかったんです。だってひと目ぼれしてしまっていたから……。

鍛冶、白鷹幸伯さん

店主は1冊の本を持ってきました。

「白鷹幸伯さんってこの本の人なんだ」

刃物屋さんにあった白鷹幸伯さんについての著書。

聞くところによると、法隆寺などの修理で使う和釘を叩いた人らしい。すごい人なのはまちがいない。

「和釘もあるんですよ」

店主はお店の隅の引き出しから新聞に包まれた “なにか” を持ってくる。開けてみると釘。というか、想像よりも大きな釘でした。これが和釘なんですね。

本物の和釘。

「これを作ったってことですか?」
「そうなの。すごいよねェ」
「すごいですねェ」

とふたりで釘を眺める。

「じゃぁ、この包丁、もらいます」

満足! だけど……?

値段的にも想像よりずっと安い。お店の人に思わず、「この値段でいいんですか?」と訊いてしまったほど。

家に帰って出して、見てみる。やっぱり美しい。刃の黒の深さ。ハンドルの色合い。最高に自分好み。

包丁のハンドル。フィット感もすばらしいです。

買うときにはあまり気にしてなかったんですが、よく考えてみれば、フルタングの包丁ってすこし珍しくないですか?

スッと上から下まで通ったブレードがキレイです。フルタングの美しさってこれですよね。

ほとんどの和包丁っていわゆるナロータング。つまり柄の中の鋼材は見えないわけです。でもこの包丁はフルタング。ブッシュクラフト系の人がよく使うナイフと同じですね。

ずっしり重いのはこれが理由かもしれません。その気はありませんが、万が一山で遭難し、この包丁が唯一の刃物だったとしても、かなりハードに使えるでしょう。山で使うという意味で、文句なしのスペックです。

だけど、1つだけ分からないことがあるのです。

「どうして白鷹幸伯さんの名前が入っていないのか? そして刃に刻まれた For Your Health の意味は?」

For Your Healthに関しては、店主にも訊きましたが、「昔ながらの鋼材を使っていて、一切身体に悪いものが入っていないってことだよ」と言っていました。

ネットで検索しても、こういう刻印がされた包丁は見当たりません。

本当に白鷹幸伯さんの包丁なのでしょうか? ネットで彼の他の包丁を見てみると、確かに刃の色合いは似ている、と言っても良さそう。

Googleで「白鷹幸伯 包丁」で検索。

しかし、他の包丁には彼の銘が切ってある。なぜわたしの包丁にはないのか?

だれかご存じでしたら教えてください。また売ってくれたお店に行ったら聞いてみようと思うのですが、近所ではないので頻繁には行けず……。

これが誰の包丁だったとしても、気に入っている事実に違いはなく、ただ素性を知りたいという、知的好奇心なのです。

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コメント

  1. manabu_ono より:

    6/6にお亡くなりになったようですね。
    私も包丁が欲しくなって、検索してみたら・・・
    残念です。

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