狩猟ナイフ1:狩猟におけるナイフの使い道ってなんだろう!?

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狩猟を始めるうえで必ず必要となる道具の1つがナイフです。来年から狩猟を始めるにあたり「どういうナイフを使おうか」と頭を巡らせるのが最近の趣味の1つなのですが、漠然と悩んでいても仕方がないので、ちょっと勉強してみようと思いました。

今日はその第1回。そもそもなぜ狩猟ではナイフが必要なのか? どういうナイフが必要なのか? という大枠を理解しようと思います。

ちなみにここでいう狩猟とは、大物猟(イノシシ・シカ)を対象にしています。鳥だとまた変わってくるでしょうね。

* いろいろなサイトやブログを見て学んだことです。不備・不足がありましたら突っ込んでください。また参考にしたサイトへのリンクも記事の末尾に挙げておきます。

狩猟におけるナイフの使い道

狩猟ではどういう場面でナイフを使うのでしょうか? 場面ごとに必要なナイフのタイプを調べてみました。

ちなみに参考程度に商品を紹介していますが、わたしが使った経験からオススメしているものではありません。あくまで「こういうナイフ」という例として挙げているだけです。ご理解ください。

 

ヤブ払い

いわゆる “登山” と違い、狩猟では道なき道を歩きます。獣道を歩く場合でも、獣は一般的に人間よりも背丈が低いので、人間が歩こうとしても、腰より上はヤブだらけ、なんてこともあるでしょう。

あるいは、撃った獣が逃げ、薮の中で息絶える、なんてこともあるでしょう。そうなると薮の中から獣を引きずり出さなくてはなりません。

そんなとき、ヤブ払いができるナイフが必要になります。

一般的に重さがあるナイフが良いとされています。ヤブ払いであれば、鉈が強いですね。

 

ただし、上記のような角鉈だと、本当に用途がヤブ払いに限定されてしまいますので、次に説明する「止め刺し」など、ほかの用途と兼用しやすい剣鉈と呼ばれる刃物を使う人が多いかもしれません。こちらはわたしが憧れのマタギナガサです。

 

※追記(2018/12/31):この7寸のナガサをわたしは購入しました。正確にはまったく同じものですが、マタギナガサの銘が入っていないものになります。

秋田の旅土産話3:鍛冶屋さんでのナガサを購入日記

止め刺し

いわゆる「とどめを刺す」というやつです。特に罠猟の場合は確実に必要になる作業ですし、銃猟でもナイフでとどめを刺す場面があると聞きます。

大きなイノシシのとどめを刺すとき、小さなナイフでは心臓まで届かなかったり、暴れるイノシシと戦えないなんてこともあるでしょう。そのため、どうしても大きなナイフが必要になります。

先ほど挙げたマタギナガサも良いでしょうし、探せばいろんな剣鉈が出てきます。

 

血抜き~皮剥~解体

獲った獣を解体し、食べられる状態にしなくてはいけません。まずは動脈を切り血を抜き、内臓を出し、皮を剥ぎ、肉を部位ごとに切り分けます。

この作業をひとまとめにして「解体」と呼びますが、各作業で必要となるナイフの特性が違うため、数本のナイフを使い分ける人が多いようです。

血抜きはここまでで挙げた剣鉈を使えばいいと思いますが、皮剥と解体は剣鉈では「大きすぎる」と感じる人が多いようです。また、皮を剥ぐときに皮を痛めないように、先の尖っていないナイフを使ったり、解体するときに疲れないように、手にフィットするナイフを使ったり、みなさんこだわりを感じます。

たとえば皮剥ナイフだとこんなのを見つけました。

 

あのYouTubeで有名なJPSikaHunterさんはバークリバーのナイフを全力で押していますね。高いですけど、彼曰く「全然違う」とのことです。かっこいいことはよく分かります。

 

熊対策

一般的にシカやイノシシを獲りに行けば、熊のテリトリーに足を踏み入れることになります(地域差アリ)。

北海道ならばヒグマ、それ以外ならばツキノワグマが生息しています。

熊が出たときの対策はいろいろありますが、その最後の最後の手段が「がんばって戦う」です。

できれば戦いたくないですけどね。

熊対策用であれば、大型の剣鉈でしょうね。最初に挙げたヤブ払い用のナイフが、そのまま熊対策ナイフになるでしょうね。

 

その他、一般的なアウトドアの用途として

ここまで挙げたのは狩猟独特なナイフの用途でしたが、当然、山の中で長い時間を過ごすわけでして、一般的なアウトドアでやるようなことは、狩猟でもやるはずです。

人によるでしょうけれど、焚き火を熾すなら薪を割る・削るといった作業もやるでしょうし、料理をするならば野菜・肉を切ることもあるでしょう。

ロープを切るとか、ちょっとした工作をやる人もいるかもしれません(わたしは時々ですが、疲れて杖を作ることがあります)。

こういった用途であれば、一般的なアウトドアナイフがいろいろ出ています。わたしも使っているのがこちらです。コスパ最高だと思います。

実用とロマン

銃もそうですが、ナイフという分野も「実用」と「ロマン」が入り乱れています。

剣鉈1本ですべてを済ませる人もいれば、用途別にあれこれ持っている人もいます。ホームセンターで買えるような安いナイフをガシガシ使うのがいいという人もいれば、高価なブランド物のナイフを使う人もいます。

和物がいいという意見も、外国産がいいという意見も、ステンレス派も、カーボン派も、いろんな意見があるようです。

こちらのサイトの文章がしっくりきました。

まずは自分が欲しいナイフを買う。使っているうちに形,重さ,材質について自分の好みが出てくる。その時に買い直せばよい。なんだかんだと何本もナイフを買って理想のナイフにたどり着く。

ディアハンティングより

 

いろんなブログなんかを見ていると、結局地元の鍛冶屋さんで作ってもらうなんて人も少なくないようです。ほら、山賊ダイアリーでも引退した鍛冶屋さんにナイフを作ってもらおう、というエピソードがありますよね。

個人的な好みですが、和式ナイフや和包丁に魅力を感じます。やっぱり究極の刃物は和包丁じゃなかろうか、と。

どうなんでしょうね。これからもいろいろナイフについて勉強して、記事にしていきますので、ご意見ください。

《参考サイト》

狩猟とは切っても切れないツール。僕の猟用ナイフ一式を紹介します。(我輩はプアである)

あれこれナイフ談義(孤独のジビエ)

色々なナイフ(ナイフと狩猟part6)(晴れ時々狙撃手)

狩猟とナイフ

買うべき3本のハンティングナイフ(YouTube: JPSikaHunter)

狩猟と刃物(2chスレ)


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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2件のフィードバック

  1. 当方は勿論、和刃物にして狩猟民のマタギの伝統工芸であるフクロナガサ一辺倒です。前にもコメントしましたがこれ一本で全部やれてます。(^ω^)

    ただこの前入ったラーメン屋の親父さんが、当方の腰に下げてる猪牙のキーホルダーを目に留め、狩猟の話になったのですが…親父さんの猟友会会長さんは使い捨てのカッターナイフが解体には一番との事。結構ベテランの方には解体するのにはカッターナイフの愛好者が多いみたいですね。(^_^)
    やっぱりハンターの数だけ刃物考も千差万別あると思います。

    • いやはや、ナイフの世界も奥深いですね。先日、フラッと入った刃物屋さんの主人は「うちに来るハンターさんは和包丁を使う人が多い」って言ってました。わたしも今のところ「マタギナガサだ」と思っています。買うのは来年になるので、それまでいろいろ情報を集めて、選ぶ楽しさを堪能したいと思います。