状況が変われば手袋が変わる——狩猟で使う手袋いろいろ!

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今日はぼくが狩猟やその周辺のアクティビティで使う手袋をいろいろご紹介していきます。

手袋って難しいんです。

寒いときは温めたい。でも厚手のものは手先の自由が奪われて小回りが効かなくなる。暖かいときは涼しく過ごしたいけど、物理的な手の保護のために、ある程度丈夫な手袋をしたいということもある。雨が降ってるなら防水がいいし、そうじゃないなら通気性がいい方がいい。

気温に対してちょうど良く、天気に対して適切で、それでいてなお細かな作業の邪魔をしない最善の手袋を追い求める永遠の旅路を、アウトドアマンはいつも歩いているのです。

というわけで、あれこれ迷いながらではありますが、最近使っている手袋を一気にすべてお見せしていきます。ぜひ「こういうのもあるよ」「これも試してみて」というモデルがあったら教えてください。

おたふく手袋 FB-53

おたふく手袋 FB-53
おたふく手袋 FB-53

手のひらの部分が人工皮革で、手の甲はストレッチ素材という作りで、これが大変ちょうどいいんですね。

動かしやすいし、手のひら側はとっても丈夫。たとえば急斜面を登っていて、不意に掴んだ立木がトゲトゲした、痛々しいヤツでも大丈夫。ちゃんと手を保護してくれます。

かつ、だらっとしたブカブカな感覚もないので弾を装填したり、ジャケットのジッパーを上げ下げしたりといったちょっとした作業を邪魔しません。

お値段も1,000円ちょっととお安いので、気楽に使えますね。

ぼくは雨・雪が降ってなくて、寒すぎないなら、まずこれを使うことを考えます。

 

KINCO グローブ

Kincoグローブ
Kincoグローブ

これは、まぁ、全力でオススメするわけではありません。じつは狩猟ではほとんど使わないから。

ただ、犬の散歩とか、猟期直前の下見散策だとか、子どもや犬を山で遊ばせるとか、ちょっとした外でのアクティビティでは重宝しています。

とっても丈夫でバシッと手の保護をしてくれる安心感のあるグローブです。

指先にある縫い目のせいで指先の細かな仕事をするには向きませんが、もうちょっとざっくりした用途には便利です。キャンプなんかで使う人も多いようですね。銃を扱うのにちょっと不向きなので、「それ以外」の場面で活躍しています。

 

ショーワグローブ No.406

ショーワグローブ No.406
ショーワグローブ No.406

これも愛用していて、何度も買っています。これが「ベストだ!」ってなる季節や気候は多くないんですが、でも、たしかに「これがいい!」という日はあるんです。普段の家仕事なんかでも役立つのでいつも切らさず持っています。

ポイントは手首部分以外は防水であるということ。そして中にそれなりに暖かいインナーが入っていることですね。

つまり、ちょっと寒い季節で、雨などの濡れる環境下で最高です。

これが活躍するのは(当地では)11月。少し寒い日が増えてきて、気温次第で雨だったり雪だったりするジットリとした季節。たとえ降っているのが雪だとしても、気温が落ちきっていないので、降ったそばから溶けて山中のものが濡れているんですね。

こんな季節はおたふく手袋FB-53と迷うところです。濡れ対策重視か、動きやすさと通気性重視か。天気を見ながらエイヤって決めますね。ショーワグローブ No.406だと暑すぎたり、おたふく手袋FB-53だと濡れて不快だったり、難しい季節です。

 

防寒テムレス

防寒テムレス
防寒テムレス

防寒テムレスは雪山の鉄板ですね。

マイナス5〜10度以下の季節となると、ただでさえ寒いし、濡れたら手が痛くなります。指先の自由度とか、贅沢を言える季節ではなくなってきます。そうなると防寒テムレスの出番ですね。

雪の降り始めるころは、防寒テムレスと先述のショーワグローブ No.406で迷いますが、この2つは方向性が近いので、お互いの予備として、両方を持って行くこともあります。

たとえば行動中はショーワグローブで、獲物の解体では防寒テムレスを使うなど、適当に使い分けます。

そして積雪期・厳冬期となると防寒テムレスメインになっていきます。ちなみに防寒テムレスとVBLシステムの組み合わせで運用することも最近は増えています。

VBLシステムについて書くと長くなるので、サクッとだけ説明すると、ニトリル手袋(薄手のゴム手袋)をつけてから、その上に防寒テムレスを着用することで、手の汗が防寒テムレスに吸われなくなります。当然ゴム手袋の内側は汗で濡れます。それにより湿度100%となり、それ以上は汗をかかないうえに、気化しないので、気化熱に奪われることもなく、身体が冷えない、とまぁ、そんな感じの理屈です。詳しくは検索ッ!

 

SPRINGENトリガーミトン

SPRINGENトリガーミトン
SPRINGENトリガーミトン

ぼくの中では防寒テムレスの上位互換です。単純に防寒テムレスより暖かいですね。

本当に寒い日はこれを愛用しています。防寒テムレスだと小指や薬指が痛いくらい冷えたりします。ぼくはなぜか薬指が冷えますが、みなさんはそういうのないですか?

その点、ミトン型だとやっぱり暖かさは段違い。でも完全なミトンだと実質なにもできないので、引き金は引けるトリガーミトンを使うというわけです。

トリガーについてはもちろん手袋無しが1番いいし、薄手なら薄手なほど引き金の感触は確かに伝わってきます。ただSPRINGENや防寒テムレスを使うような時期だと、あんまり「急いで撃つ」ということもないので、撃つときは手袋をとるも良し、取らないにしても、ゆっくり丁寧に撃てばいいので、「手袋が厚くてトリガーコントロールでミスった」とを実感したことはありません。

また、このトリガーミトンはインナーが取り外せるので、乾かしやすいというメリットも。

 

まとめ

思い切って使い分けを表にしてみると、こんな感じです。

  晴れ 雨・雪
暖かい日 おたふく手袋 FB-53 ショーワグローブ No.406
涼しい日 おたふく手袋 FB-53
ショーワグローブ No.406
ショーワグローブ No.406
寒い日 防寒テムレス
SPRINGENトリガーミトン
防寒テムレス
SPRINGENトリガーミトン

 

実際には “涼しい” と “寒い” の狭間であったりとか、雨・雪は降ってないけど、朝露や前日の雨で山が濡れているとか、判断に迷うことはありますが、ざっくりした指針としては上記の通りです。

そして白状すると、手袋をしていないことも多いです。暑くなるととっちゃいますよね。でも、必ず荷物には入っているかな。

とくに厳冬期に、何らかの理由で手袋を失うと凍傷の危険もあるため、予備も欠かさず持っていきます。防寒テムレスとSPRINGENトリガーミトンを持って行って、微妙な気温の違いで選んで使ったりします。

ようやく最近は手袋で迷うことも減ってきて、だいたい上記の表の基軸が自分の中で決まってきた感じです。さすが不惑の40歳。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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