ハンティングベストについて迷っている人へ
今年の猟期に向けて、ハンティングベストについて思い悩んでいる人もいるのでは?
前期の経験から思うことを書いてみたいと思います。
わたしのスタイル
わたしは猟友会ベストとデューティーアパレルのモーリベストの2つしか使ったことがありません。
また、このベスト関連の記事はこれまでにいくつか書いているので、使用感などに興味があれば、こちらもご覧ください。
参考:モーリシステムで有名なデューティーアパレルのハンティングベストの使用感
デューティーアパレルのベストは気に入っていて、次の猟期もこれで挑みます。
一方、猟友会ベストについては、気に入っていません。デューティーアパレルのベストを持っている今、使う理由は駆除などでコレを着ないとダメだと言われるときだけ。
だからといって、初めての猟期にデューティーアパレルなり、田上なりの高価なベストを買う必要があるかといえば、そうでもない、という話をしたいと思います。
ハンティングベストに求められること
そもそもハンティングベストとはなにか? いくつかキーワードを挙げて書いてみます。
1.かっこいいこと
いきなり感覚的なもんですが、好きでやっている狩猟です。好きな格好してやりたいですよね。
かっこよさだって重要なポイントです。
2.収納力
ハンティングベストと言えば、ポケットがたくさんあって、必要なものをサッと取り出せるってイメージがあると思います。
たしかに狩猟中は必要なものを全部ザックにしまっておくわけにはいかないという面はあります。近くに獲物がいるかもしれないとき、ザックを下ろしてジッパーを開けるなんてことはしたくないんです。
そこで頻繁に使うものはベストにしまって……となるわけですが、じつはなんでもかんでもベストにしまうと、それはそれで問題がある、とも思いました。
ベストに入れる荷物がちょっとでも重くなると身体が動きにくくなります。たとえば猟友会ベストにパンパンに荷物を入れて身体を左右に振ると、ベストが身体についてこないから、ものすごい動きづらいんです。
一方、デューティーアパレルはベルトと繋ぐループがありますし、サイズ感がぴったりしていることもあり、ある程度身体についてきてくれます。身体をねじったときの動きやすさが格別です。
ただし!
デューティーアパレルの方が何倍もいいですが、それでも荷物をたくさん入れればそれなりにダボつくし、動きがもたつくのは事実だと思っています。
前猟期の前半はけっこういろいろベストにしまっていましたが、日に日に減らし、今では「極力ベストに入れない」という考え方に変わりました。その分、重いものはベルトに移しましたね。
3.視認性
ハンティングベストと呼ばれるものなら、どれも視認性は問題ないかと。
4.丈夫さ
狩猟で山に行くと、木に引っかかったり、斜面を滑り落ちたり、岩にこすりつけたり、ベストにはとにかく負担がかかります。
猟友会ベストは簡単に破れるでしょうね。わたしは破れるほど使っていませんが……。
その点、デューティーアパレルの方は丈夫。
5.動きやすさ
収納力の項でも書きましたが、ベストに荷物を入れれば入れるほど動きにくくなります。
それだけではなく、サイズ感がぴったりこないベストはやっぱり動きにくい。悪い例が猟友会ベストかな。あれはフリーサイズなのか、だぼだぼだぼだぼしていて、小さな子どもが大きなビブスを着ているような感じになります。
6.ベルト装備との相性の良さ
これは実際に着てみて初めて気付いたことですが、デューティーアパレルのベストは丈が短いんです(まぁ、買うサイズによるでしょうけど)。丈が短いと、ベルト装備との相性がいいんですよ。
一方で猟友会ベストは丈が長いため、ベルト装備をつけると、全部ベストの下に隠れます。だからベストをめくるようにしてアクセスすることになるわけで、やっぱり相性が悪いですね。
猟友会ベストはダメなのか?
——と、わたしはデューティーアパレルのベストが気に入っているので、猟友会ベストを悪く書くことになってしまいますが、実はこの記事の結論は真逆だったりします。
「よく理解して、上手く使えば初年度は猟友会ベストでもいいんじゃない?」
というのが結論です。
ここまでに挙げたベストに関するキーワードを軸に、猟友会ベストをフォローしてみたいと思います。
1.かっこいいこと。
単独猟なら誰に見られるわけでもありませんし、巻狩なら猟友会ベストが多数派です。
「うわ、猟友会ベスト着てる! ダサい!」
と言われることはまずないでしょう。むしろ、巻狩ならムダに目立たず居心地がいいかもしれません。
2.収納力
ポケットに重いものがガンガン入れるから動きにくいんです。ここで提案したいのは、ベストの上からベルト装備をしめてしまうこと。
とっても良い例なので、こちらの写真を共有させてください。ガンズ&シューティング誌の1枚です。
ガンズアンドシューティング誌vol9に、カリギュラで服部文祥氏と狩猟をしていたガイドの浦田氏が登場してた。使い込まれたAボルトとポロ式双眼鏡がいい味出してるナァ。もはや猟友会ベストさえいい味に思える。 pic.twitter.com/glhlasJrnv
— やまくじ (@yamakuji_jp) August 24, 2017
右のハンターが浦田さんという北海道のハンターです。ベストの上からベルトを締めています。ある程度の荷物はベルトに装着することで、収納力を確保しています。
3.視認性
これは、まぁ、猟友会ベストで問題なし。
4.丈夫さ
ベストが破れたらなんだっていうんですか?
直せばいいんです。破けたっていいんです。そう思えば猟友会ベストでもOK。
5.動きやすさ
先ほど書いたように、ベストの上からベルトを装着すれば、ダボつかずに動きやすいものです。
わたしが猟友会ベストを着るときはこの方法をとりました。
6.ベルト装備との相性の良さ
しつこいようですが、ベルトを上から装着しているのだから、ベルト装備へのアクセスは抜群です。
猟友会ベストも悪くない
自分が使っていないのに何を言ってんだ、という感じですが、前年度デューティーアパレルのベストを使って、ハンティングベストについていろいろ考えたわたしの結論は——
「猟友会ベストでも、上手く使えば問題はないんじゃない!?」
というものでした。デューティーアパレルのベストを後悔しているという意味ではありません。だけど、「ハンティングベストって結構高いんだよなァ」と悩んでいる人がいたら、「急いで買う必要ないよ」と言いたい。
そういうことです。
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