銃購入日記3:散弾銃カタログを見るときに役立つスペック用語を勉強(基本編)
銃のカタログを眺めていても、いろんな記号や数字が並んでいて、なにも知識がないとまったく頭に入ってきません。また、その意味だけ分かっていても、それがどう自分の銃選びに影響するのかが分からなければ、結局、分かっていないとの一緒。
今日は銃カタログの読み方を勉強して、まとめていこうと思います。
自分のお勉強の記録なので、突っ込みどころがあったら教えてください。
カタログを読むには知識がいる
車を選ぶとき「四駆」と書いてあれば、四輪駆動であることが分かると同時に、その車が「ある程度の悪路を走ることを目的にデザインされている」ことが読み取れます。
一方、「燃費が30Km/L」と書いてあったら、どうでしょうか?
ただの数字なので、それが多いのか少ないのか、基準を知らないと何も意味をなしません。いいのか悪いのか、分からないはずです。
――とまぁ、スペックを読み取るためには、ある程度の知識がいるんですね。
銃カタログを眺めていて、自分の知識の無さが嫌になったので、順を追って、勉強していこうというのが今日の記事です。
参考にしたカタログ
今回、参考にする銃カタログは2つ。
FAR EAST GUN SALES(リンク先、画面右下にカタログへのリンク)
SPORTS GUN NET(リンク先、画面右にカタログへのリンク)
これらを見ながら、理解していこうと思います。中級者以上の人には当たり前のことでしょう。むしろ、説明が間違っていないか、教えていただけると助かります。
*また、わたしはまだライフルは所持できませんし、空気銃は購入予定がないので、対象は散弾銃だけとします。
カタログの見方
銃カタログというのは、こんな感じになっています。FAR EAST GUN SALESさんの場合は
一方、SPORTS GUN NETさんだと、
今日はこの表の意味を読み取っていこうと思います。
『番径』
狩猟読本では口径と呼ばれるもので、思い切って言えば「銃口の太さ」を意味しています。太いと大きな弾を発射できるので、威力が強いということです。
数字が大きいほど太く、大きな弾を発射できます。
世界的には4番・8番・10番……とたくさんあるのですが、日本では12番・20番・410番の3つが一般的。
また「太い=威力が強い」と書きましたが、考え方を変えると、「太い=たくさんの散弾が入った弾を撃てる」とも言えます。「鳥撃ちを兼ねるのであれば、散弾数の多い12番径の方が好ましいが、猪猟に重きを置くのであれば20番径が良い」という意見もありました(猪猟のための猟銃)。必ずしも威力を求めて大口径の銃を買うわけではないようです。
「猪をやるなら12番!」という意見もよく見かけますね。これは大きなスラッグ弾を使えるから、ということでしょう。逆に20番で十分という意見もあるので、一概には言えない部分です。
簡単にまとめると……
口径が大きい(数字が小さい) | 口径が小さい(数字が大きい) | |
スラッグ弾での威力 | 強い | 弱い |
散弾の数 | 多い | 少ない |
反動 | 強い | 弱い |
どういう猟をやるとしても、結局は好きな口径の銃を使えばいいようですが、いろいろ考え方が表れる部分ですね。
*FAR EAST GUN SALESでは「12番×26インチ」と表記されていますが、26インチの意味については次の『銃身長』を参考にしてください。
『銃身長』
この項目はSPORTS GUN NETのように単体で記載されることもあれば、FAR EAST GUN SALESとのように、番径などと一緒に「12番×26インチ」「12×26」と書いてあることもあります。この場合は「口径12番で銃身長が26インチの銃身」を意味します。
さて、銃身長ですが、狩猟読本(狩猟免許の参考書)いわく、
26インチ~30インチが一般的。スラッグ弾専用銃では20~22インチが一般的。
また、長短の違いによる特性を表にまとめると
短い | 長い | |
重さ | 軽い | 重い |
持ち運び | 楽 | 楽じゃない |
取り回し | しやすい | しにくい |
反動 | 強い | 弱い |
命中精度 | 低い | 高い |
初速度 | 遅い | 速い |
という感じになりますが、一概に言い切れない部分も多く、長い方が初速度は速いとはいえ、長すぎると、逆に遅くなります。また命中精度に関してもあくまで比較論であって、短いからといって精度が著しく悪いわけではないようです。
山で猟をする場合、取り回しの方が重要視される傾向がある気がします(つまり短い方が良しとされる)。
わたしは山での四つ足猟をメインにやるつもりなので、銃身短めを選ぶつもりです。猪や鹿の猟では、一日に何十発も撃つわけではないので、反動の強さは気にする必要はないだろう、という判断です。
最終的には好みのようですね。
『薬室』
薬室はインチで表記されていますね。どうもその銃で使える薬莢の全長を指しているようです。
2-3/4インチか3インチが一般的で、3インチのものがマグナム弾と呼ばれています。ライフルではマグナム=威力が強い、と理解して良さそうですが、散弾銃ではそうとは限りません。
Wikipediaの説明が分かりやすかったので、散弾銃のマグナム弾について引用します。
12ゲージ3インチシェルのものの中には、鉛散弾から鉄散弾に切り替えた際の威力低下を防ぐ目的のものもあり、その場合には装薬量は増えない(増えたのは散弾の体積だが、鉛より鉄の方が比重が軽いため、必ずしも散弾質量が増えているわけではない)。この場合には、見かけはとにかく、厳密にはいわゆる「マグナム弾」の定義にはあてはまらない。
> Wikipedia マグナム
つまり、環境を意識した鉄の弾を使うとき、鉄では軽いので、重さを稼ぐために長くしている、と。
また、薬室の長さは「大は小を兼ねる」ようでして、3インチモデルならば、2-3/4インチの薬莢を使う事も出来ますが、その逆はできないようです。
同じモデルの銃なら3インチモデルの方が得なのかな?
『全長・総重量』
これはそのままですね。同じモデルの銃であれば、銃身長が短いほど、全長も短く、総重量も軽くなります。
あまり解説もいらないかと思います。
上であげた2丁の銃を比較すると、BENELLIの銃の方が重いですね。体力に自信がない人は軽い銃を選んだ方が楽ということでしょうね。
軽ければ軽いほどいいかというと、そうでもないようでして、軽いと反動が大きくなります。結局はバランスでしょうね。
『チョーク』
これが結構むずかしい。
上で挙げた銃にはこんな風に書いてありますね。
- オプティマチョーク(フル・モデ・インプシリンダー)
- MCチョーク(フル・モデ・インプシリンダー)
- インベクターチョーク5本付き(BENELLIの銃の銃身長の欄に記載されている)
もはや暗号で、さっぱり意味が分かりませんね。
順を追って勉強しましょう。
まず、チョークとは絞りのことです。「発射後の散弾の広がり具合」を決めます。絞らない “平筒” と呼ばれるチョークだと遠くの獲物を狙ったときに、散弾が散らばりすぎて当たらない(すり抜ける)という現象が起こります。そこで、絞ることで散弾をより密に飛ばし、遠くの獲物を仕留めるのです。
で、今どきの銃は銃身の先に交換チョークというものをつけて、絞り具合を変えることができるようになっています。
絞り具合によって呼び名があります。以下は12番口径の場合です。
銃口部の内径 | 呼び名 | 刻印の例 |
17.5mm | 全絞り、フルチョーク | *、FULL |
17.75mm | 3/4絞り、インプ・モデ | *ー、IMP.M |
18mm | 1/2絞り、半絞り、モデ | **、MOD |
18.25mm | 1/4絞り、インプ | **ー、IMP、IMP.CYL |
18.5mm | 平筒、シリンダー | ***、CYL |
18.5mm以上 | スキーと・チョーク | **S、**S-2、SK、SKEET |
また、オプティマチョークとか、MCチョークとか、インベクターチョークといったものはどうも各メーカーごとの「交換チョークの商品名」のようです。つまり、オプティマチョークと書いてあれば、「オプティマチョークという交換チョークを使う銃ですよ」ということが読み取れます(だから「銃に交換チョークが付いてこなくても、自分で買い足せるよ」とわたしは理解していますが正しいでしょうか?)。
では先ほどのカタログで見たスペックを読み取っていきましょう。間違えていたらごめんなさい。購入の際には必ず確認してくださいね。
《オプティマチョーク(フル・モデ・インプシリンダー)》
オプティマチョークを使う銃で、全絞り、半絞り、1/4絞りの交換チョークが付いてくるよ
《MCチョーク(フル・モデ・インプシリンダー)》
オプティマチョークを使う銃で、全絞り、半絞り、1/4絞りの交換チョークが付いてくるよ
《インベクターチョーク5本付き》
インベクターチョークを使う銃で、絞り具合は不明だが5本付いてくるよ(おそらくは全絞りから平筒までの5個かな?)
ってな具合です。すべての絞り具合が事細かに必要なのかは分かりませんが、数種類あった方が幅広く使えるのはまちがいないでしょうが、買い足せるのであれば、あまり気にしなくていいかもしれません。
また、このほかにカタログでよく見かけるのはこちら――
《スラッグ》
平筒で、交換チョーク式ではない(だと思われます。自信なし)。
《1/2ライフル・ハーフライフルなど》
平筒で、交換チョーク式ではなく、ライフリングが半分だけ切ってある。法律上は半分以上だと “ライフル” になってしまうので、散弾銃の経験が10年ないと所持できないけど、ハーフライフルなら最初から所持可能。
スラッグ弾の飛距離が伸びる。
——とまぁ、ほかにもいろんな表記があって、一筋縄ではいかないのが『チョーク』です。
わたしが分からずに困っているのは、FAR EAST GUN SALESの下記の表記です(ベレッタ上下二連銃に記載)。
固定チョーク(フル・インプ・モデ)
想像したのは、上下二連なので、2つ銃身があるわけで、片方がフルチョーク(全絞り)、片方がインプ・モデ(3/4絞り)という意味なのかな、ということです(これが正しいとしたらすっごい分かりづらい表記ですね。「フル、インプ・モデ」などと表記してくれないと分からない)。
トラップ用の上下二連銃では初矢(下の銃身)はインプ・モデとし、二の矢(上の銃身)はフルにするようなので、恐らくわたしの認識で合っているのでしょう。こんなところからも、この中がトラップ用らしいぞ、と読み取れるわけです(実際、この銃はトラップ用でした》。
『ヒール』『コム』『プル』
これはSPORTS GUN NETでのみ記載されていますね。これはSPORTS GUN NETさんのカタログを見るのが1番分かりやすいので、引用させていただきます(ほかにも、このカタログはいろんな説明があって勉強になるので、是非読んでみてください)
すでに銃を持っていて、「こういう銃が好き」という好みが定まっている人には役に立つ情報でしょうね。わたしにはまだ分かりません。
『価格』
購入すると、ここで書かれた数字の分だけ、あなたの貯金が減ります。
ただし、ローンや借金といった購入テクを利用することで、貯金が減ることを防ぐことも可能です。
実際には、初めての銃を買う場合、ここで書かれた金額では事足りず、ケースやクリーナーといった小物を買う必要があるので、注意。
カタログがおもしろい
こうやって少しずつスペックの見方が分かるようになってくると、カタログがおもしろくなってきます。
今回は表の見方だけを追っていきましたが、そのうち説明文の読み方をまとめてみたいと思います。慣れない用語が連発するので、かなり分かりづらいんですよ。
わたしもこの記事を書きながら勉強したというレベルです。間違いや過不足があったら指摘お願いします。
(´-`).。oO(なんか、初心者向けの銃を集めて、表記を易しくした、「最初の1本を買う人のためのカタログ」なんてものを作ったら、役立ちそうだけどなぁ……)
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