誤射した獲物がメディアに掲載されている件に思うカモのメスのこと

最終更新日

あるメディアで獲った獲物が実は非狩猟鳥獣だった、という件が一部で取りざたされています。

その非狩猟鳥獣というのがカモのメスでした。やっぱりカモの雌は難しいのだな、という話です。

ある人があるメディアで……

ある狩猟も取り扱うメディアの中で、獲った獲物の写真が掲載されていました。

それが実は非狩猟鳥獣だった、という件がTwitterで指摘されていました。

そのメディアや狩猟した人を叩きたいとか、懲らしめたいという気持ちはありませんので名称は伏せます。

今回誤射されたのはカモのメスでした。

狩猟をやる人、やろうとしている人なら分かると思いますが、カモのメスの判別って難しいのです。オスは模様がはっきりしていて、少なくとも狩猟鳥の範囲においては判別は簡単です。ところがメスときたらみんな茶色いお婆ちゃんの煮物みたいな色ばかり……。

狩猟免許試験で「鳥獣の判別」という絵を見て鳥獣の種類を答える問題がありますが、カモの雌は出題されません(というか、オスと一緒に出題されるので、みんなオスしか見てないのです)。

みなさんの反応

これを知った人の反応はいくつかありません。その中で自分も思ったけど、どうもモヤモヤする意見がありました。

「これだから獲った獲物をネットに載せるのは怖い」

たしかに怖いです。

だってもし間違えていたらアウトですから……。許可なく野生鳥獣を捕獲すると『懲役1年以下又は100万円以下の罰金』です。狩猟免許や銃所持の許可だって無事ではないかもしれません。

いや、そもそも、そういう罰以上に非狩猟鳥獣は非狩猟鳥獣である理由があるわけです。貴重だったり、生態系への影響が大きかったり、絶滅危惧種だったり、美味くもなければ迷惑もかけない鳥獣かもしれないのです。

さて、「獲った獲物をネットに載せるのは怖い」という意見、すごく分かります。ネットに載せなければバレないですもんね。——って、そうじゃないですよね。

やっぱり不安があるならそもそも撃ってはいけないわけで、撃てるくらいの自信があるならネットに載せるくらいの自信も持っているべきなんだろう、と思うのです(実際に載せるかどうかは個人の嗜好ですので、「載せるべき」と言っているわけではありません)。

載せるのを躊躇するなら撃たない。ということなんでしょう。

カモの雌を撃つこと

わたしの父はもう30年以上カモ撃ちをやっています。

そんな父が「カモのメスが撃てるようになるまでは何年もかかったよ」と言っていました。

見つけても判別に確信が持てず、撃てなかったそうです。写真と違って、自然の中でははっきりと観察できるわけではないですからね。

経験を積み、まず近くてはっきり見えるときは撃つようになり、段々と遠くても撃てるようになったとのことです。それでもやっぱり不安なときはあり、躊躇すると言っていました。当然、躊躇するなら撃たないということです。

誤射した件を知ったとき、この話を思い出して「やっぱりカモの雌は難しいのかな」と感じました。難しいから許されるという話でもありません。むしろ難しいものなのだ、と理解してしばらくは手を出さないくらいの気持ちが必要なのかも知れません。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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