ミステリーランチ製のウェストポーチを忍び猟に使ってみる(フルムーン)

最終更新日

忍び猟で、道具をどうやって携帯するかはわりと大きなテーマです。

ザックを使う人もいれば、ベストに収納する人もいるし、腰ベルトに下げる人もいます。そもそもほとんど荷物を持たない人もいますね。

ぼくの最近の主流はザック+腰ベルトです。で、ザックは比較的スカスカにしておくことで、肉をたくさん背負えるようにしています。

この腰回りの荷物の携行にミステリーランチのFull Moonというモデルを使いはじめたので、そのご紹介です。

ミステリーランチのフルムーン

世の中にはいろんなウェストポーチがありますが、ぼくが選んだのはミステリーランチのフルムーンのワックスウッドというカラーでした。

「これから猟に行く」というとき、気持ちが高まるルックスです。なお、薬莢はすべて空薬莢です(安全管理のため)。以下すべて同様。

ここに至るまでいろいろ悩んだので、こいつを選んだ理由をまとめておきます。

  • わりと安い(Amazonで6000円台)
  • ミリタリー感が薄い
  • ポケットの少ないシンプルな構造
  • 丈夫そう

ぼくの好みの問題なのですが、猟装にタクティカル系の雰囲気を入れないように意識しています。タクティカル系のポーチなどが便利なのは分かっているし実際に使ってもいますが、今後の方針としてカジュアルで落ち着いた格好を心掛けつつ、でもちゃんと「使える」形を目指したいのです

で、ミスランといえば、「米軍の特殊部隊のザックを作ってる」ことでも有名で、今となっては割とタクティカル感のある製品も多いですが、じつはメーカーの生い立ちを見ると——

娘のアリスにヒップバッグを作って欲しいと頼まれデイナがデザインルームに戻った時、まだそこには陽の目を見るべき素晴らしいパックたちがいたのです。
ブランドヒストリー

ミスランの最初の製品は娘のヒッピバッグ。現在のヒップモンキーというモデルがそれにあたります。

 

さて、ぼくが選んだのはフルムーンというモデル。そしてカラーはワックスドウッド。「ワックスドウッド」というのはオイルドコットンと風合いは似ていますが、コットンではなくCORDURA#1000にオイルを塗り込んだもの。

クラシカルな見た目に仕上がっていると、ぼくは思います。

ミステリーランチ製ということもあり、頑丈さには期待できそうなのも、これを選んだ大きな理由でした。

 

オーバービュー

ベルト部分もまあまあ強い(もちろんミリタリー系の弾帯ほどではない)ので、ぼくはそこにシェルホルダーと一眼レフホルダーをつけています。

さて、ウェストポーチ自体の構造はとってもシンプルなものです。

上部がガバッと開くメインコンパートメントと、前面にある薄いポケットのみ。メインコンパートメントの中にはさらにジップ付きの小さなポケットがあり、そこがちょうど猟銃の所持許可証の収納にちょうど良いです。それ以外はポケットやギミック的なものはありません。あくまでとってもシンプルな「ただの容器」に徹しています。そしてそれがいい。

下の写真は、サンプルとしてプラティパス0.5Lを収納しています。横に余裕を持って入ります。

メインコンパートメントを開いた状態。底にプラティパス0.5Lがちょうど横になって入る。

ポケットやジッパーなんかがたくさんついていると高機能な気がしてきますが、ポケットが増えれば重量が増えますし、うまく使えるときはいいけど、何を入れていいかわらかないようなムダなポケットは、ほんとにムダ。個人的には大小の2つのコンパートメントに分かれた、このフルムーンは「ちょうどいい」と感じました。

上部から見るとこうなります。あとで説明する全体をギュッと締めてくれるコンプレッションベルトを1番開いた状態になりますので、これが最大容量にしたカタチですね。これで6.3リットルとのことで、結構な容量です。ぼくの解体道具・水筒を入れてもまだ空きがあります。

 

で、この側面にあるベルトがコンプレッションベルト。これをグッと締めると全体が身体に吸い寄せられるように潰れます。

 

こんな感じに。こうやってテーブルに置いて締めるとその価値が伝わりにくいと思いますが、実際に腰に装着した状態でギュッと締めると、まさに「身体にフィットする」っていうのがわかると思います。

 

感覚的にはフルフルにものを詰め込んで使うよりも7〜8割くらいにしておいて、ギュッと締めて使うのが良い感じです。

 

実際に忍び猟で使った感想

フルムーンはいい感じですが、スコープカバーを忘れて、お見苦しいことになっていて……笑

まだ数回ではありますが、実際に猟で使い始めています。かなりお気に入りです。

気づいたことを挙げていきましょう。

  • 装着感よし。割と重めの荷物を入れてもよく身体にフィットします。
  • ベルト部分に弾差しと一眼レフホルダーを装着していましたが、ベルトがよれたり、ダレたりすることはありませんでした。
  • バックルはプラですが、冷えてかじかんだ手では外すのに苦戦するくらい固く頑丈です。カジュアルなウエストバッグはこれが弱いので、重い荷物を入れられないんですよね。
  • ジッパーの質は100点ではないかな。まだこなれていないのか、ひっかかりを感じます。丈夫そうではありますが、もっとスムーズに開いてくれてもいいな。このあたりが6000円、と安い理由の1つかな、と思いました。

 

目立った機能があるわけではなく、言ってみれば「6.3リットルの丈夫なポーチに、結構丈夫なベルトがついてる」っていうものです(実際にはその設計バランスやディテールに良さがあるのでしょうけど)。だから、わりと「見たまんま」だと思います。

だからその見た目が好きで、あれこれポケットもなく、カスタマイズ性もそんなに高くないことを欠点だと思わないなら、かなりオススメできるアイテムだと思いました。

ちなみにハンターに嬉しい、こんなオレンジ系もラインナップされています。

 

ザックとウエストバッグの運用

これは別の記事で改めて触れたいと思いますが、軽く……。

ザックとウエストバッグを併用するといろいろ便利です。ザックには「食料や念のため必要なもの」を入れておき、ウエストバッグ周りには猟で使うものと、基本的な解体道具を収納しています。猟銃所持許可証なんかもウエストバッグですね。

で、ザックは昼飯のときや、獲物が獲れたときくらいしか開けません(あとおトイレの紙を取るときとか)。

基本的な行動はほとんどウエストバッグで完結します。飲み物も小さな水筒(プラティパス0.5L)が入っているし、行動食もあります。

前はMOLLEベストにあれこれ収納していましたが、ベルトとザックに集約したことで胸の辺りがスッキリして、なんとなく気持ちが軽くなりました。

今期はこの調子でザック+フルムーンで運用していきたいと思います。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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