ヒグマの糞の時間による変化を観察をしてみる

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※ヒグマの糞の写真があります。

ヒグマ探しは糞探し……というわけで、最近はヒグマの糞を探し歩いている。そんな中でわりと分かりやすい、時間の経過によるヒグマの糞の色の変化を観察できたのでメモしておこう。

ヒグマの糞

ヒグマの糞は食べるものによって、色や形が大きく変わる。そのすべてを自在に見分けられるほどの経験値と知識はないが、分かりやすいのはコクワ(サルナシ)を食べたときの糞。いかにもコクワの実って感じの色になりますね。

コクワの実を食べたヒグマの糞

 

んで、コクワというのはこれ。食べるとまるでキウイフルーツで、本当に美味しい。なんというか、「野生の果実のわりには美味しい」ではなくて、普通に買いたいレベルで美味しい。

コクワ(サルナシ)の実

 

今の時期(10月)だとこのコクワとヤマブドウ、そしてブナ類のどんぐりがエサの中心になるようだ。たとえばヤマブドウはこういうやつ。

ヤマブドウの実

 

さて、今日見てみたいのは、糞の時間による変化だ。これをよく見ることで、今後、ヒグマの糞を見つけたときの新旧の判断をしたいな、という狙いがある。

 

今日の教材

まず、こちらの糞を見てほしい。

7時29分に見つけたヒグマの糞

一部色が違うが、それは撮影直前にわたしがほじくったもの。つまり空気に触れていなかった部分の色である。言い換えれば、他の部分は空気に触れて酸化し、変色していることがよくわかる。糞をした直後であれば、おそらくこのほじくった部分のような色をしていたのだろう。

つぎに約3時間後となる11時12分に同じ糞の元へと戻ってみた。ほじくった部分の色の変化を見てみたかった。そして、あたらしく右上部分をほじくってみた。

11時12分のヒグマの糞

 

分かりやすいようにメモを書き込んでみた。先述の通り、「たった今ほじった部分」は新鮮な糞の色に近いと想像される。そして、3時間前の部分はやはり色がずいぶんくすんできており、3時間分の酸化を感じさせる。

 

つまり——

「たった今ほじった部分」のような明らかに鮮やかな色(発色のいい明るい色)をしていれば鮮度が良い糞。

「約3時間前にほじった部分」のように緑色ではあるが、発色が悪くくすんだ色をしていれば3時間程度が経過した糞。

それ以外の部分のように緑と言うよりはグレーっぽい色だとおそらくは6時間以上が経過していると言えそうだ。

その上、1枚目の写真(3時間前)と2枚目の写真(3時間後)で全体の色にあまり大きな変化がないことから、酸化による変色はある程度で止まるらしいことも想像される。

 

前日は強い雨が降っていたが、その影響を感じないところを見ると、雨が収まったあとの糞であると思われ、時間で言えば6〜10時間が経過していると読んだ。

 

食痕→糞→足跡

ヤマブドウの実を見にいくぼく。

正しいのかどうかはわからないが、とにかく以上がこの糞に対する自分なりの “読み” である。

久保俊治氏の『狩猟教書』で、ヒグマのトラッキングについてこんなことが書いてあった。

ヒグマをトラッキングする優先順位は、①食痕②糞③足跡——である。なにより足跡を見つけることがトラッキングの主要な部分であると思いがちであるが、足跡を見つけるためにはなにを食べているかを知る必要がある。
『狩猟教書』久保俊治著

ぼくはシカを獲るときも、トラッキングをして獲ることが多い。とくに積雪期はその傾向が強いし、そうでなくても足跡を追いつつ獲るのが好きだ。山を適当に歩いていれば新しい足跡に出会うことも少なくないので、いくつかの条件と、気分が乗る足跡を見つけて、それを追跡する。当たるも八卦当たらぬも八卦……でうまく行けば追いついて捕獲に至る。

だからどうしても足跡を探してしまうのだが、たしかにヒグマの足跡はポンポンと見つかるものではない。あの肉球といい、足の大きさといい、無雪期だとなかなかハッキリとした痕跡を残さない。

となると、ヒグマを見つける為の第一歩は食痕であり、糞である、というのは最近、嫌というほどに感じている。

糞を見てなにを食べているかを読み、それが成っている場所を見て回り、食痕を探す。そういう繰り返しのさきにヒグマがいるんじゃないかと、と思う。そう信じて、とにかく最近はエサとなるコクワ・ヤマブドウ・ブナ類を探して山を歩いている。

急がば回れ。と、なるといいな。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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