《コラム》銃選びを通じて狩猟を知る

最終更新日

ノウハウでもなく、日記でもない、狩猟に関して思うこと、考えていることをフワッと書く「狩猟のコラム」というカテゴリー の書き物を始めてみることにしました。イメージ的には雑誌の白黒ページの隅っこに書かれてるアレです。

さて、“狩猟あるある質問” の代表格が『はじめての銃はなにがいいの?』だと思います。

ねー。悩むよね。で、これに対していろんな人がいろんなことを言っています。「折っときゃ安全な上下二連にしよう」とか「銃身を変えればなんでも撃てる自動銃!」とか「いや、好きな銃じゃないと愛着も持てないぞ」とか……。まぁ、いろんな意見があるわけです。どの意見にも一理あって、つまるところ「なんでもいい」という結論になるわけですよ。

で、ぼくもわりと「なんでも良いんじゃない?」と思うタイプだったりします。

ただ1つだけ、オススメしないことがあって、それが「考えずに誰かに選んでもらうこと」だったりします。

じつははじめての銃選びというプロセス自体が、狩猟(銃猟)について学ぶすばらしい題材なんじゃないかな、と思うんです。

普通の人は狩猟のことはほとんど何も知らずに始めるでしょう。銃のことも知らないでしょう。獲物のこともろくに知らないでしょう。山の歩き方も知らないかもしれないし、狩猟経験のある友人もいないかもしれません。法律のことも知らないし、解体のことも知らないし、止め刺しや血抜きのことも知らない。とにかくなーーーーーーんにも知らずに始めるわけです。

そんな中で、「はじめての銃を選ぶこと」は、狩猟周辺の知識を付ける第一歩になりえると思います。

「へー、12番の方が威力が強いのか。でも反動も強い……と」
「バックショットってのがあるんだ。当たりやすそうでいいなー。あ! でも犬が絡んでいると犬に当たる可能性があるから使うべきじゃないって言ってる人がいる。なるほどー、巻狩だと犬が絡んだ獲物を撃つことになるのかー。それにいくつも弾が当たると、ダメになる肉が増えるのかな?」
「スコープってあったほうがいいのかな? 調べてみると、単独猟だと使っている人が多いみたいだなー。巻狩ではいらないっていう意見もあるけど、使ってる人もいる。なんでだろうー」
「自動銃は連射ができるみたいだけど、どういう猟だと連射するんだろう」

みたいに、銃を基点にいろんなことを考えるきっかけになると思うんです。

 

幸いにして、猟銃の所持許可の手続きが長いので、これを考える時間がたっぷりあります。ネットで調べたり、いろんな人に訊いたり、銃砲店で教えてもらったり……。そういう中でキリのようにつかみ所のない狩猟という行為に対して、おぼろげながら輪郭が見えてくることもあるんじゃないかな、と思うんです。

 

もちろん親が猟師だったりして、こういった狩猟のいろはを教えてもらったり、体験する場面があったりする人もいると思います。

でも、何も手がかりがない人にとってはこの「はじめての猟銃選び」が実質の、狩猟の第一歩になるんじゃないかな、って。

だからぼくは始めての猟銃を買う人に「○○を買えばいいよ」とは言わず、「こういう銃だとこういう強みがあるよね〜。でもああいう銃なら、こういう利点があってさー」みたいに、タラタラと語ることが多いです。そこから考えることが大事かなって。

 

銃選び、楽しいよね〜


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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