単独猟日記:鉄砲を背負って山に入ると猟期が始まった実感が湧く
わたしが登録している県の1つが11月1日解禁でして、15日解禁の人たちに比べてひと足早く猟に出ることができました。
始まった!
11月1日、日の出と共に猟期解禁です。
基本的に猟では日の出と共に山に入るタイプでして、この日もそうするつもりでいましたが、なんと身体を壊してしまい、前日の夜になっても「明日はやめるか……」と弱気な状態。
それでも荷物の用意だけはしておき、朝はゆっくり起きて、体調次第で判断することに。
朝起きてみると、万全とは言わないまでも行ける範囲。ジムニーを飛ばして、猟場に向かいます。
ひっさびさだぜ!
前猟期を終えてから、今日に至るまでずーーーーっと猟のことを考えていた気がします。猟期中に起きたことや、出会って獲れなかった獲物のことを考え「今なら獲れるだろうか?」と頭をひねってみたり、「今期はアレを試してみよう」と画策してみたり、とにかく山・射撃・獲物などのことを考えてきました。
山に入り、銃カバーから愛用のMSS-20を出して、分解していたボルトを差す。ボルトを閉じたり、安全装置などの動作確認をする。自然の中で鉄砲を操作するカチャカチャという音だけが聞こえる。気が引き締まるとはこのことですね。
準備が整ったところで、尾根を登っていきます。
ありがたいことに初シーズンだった昨年、自分なりにたくさんの獲物が獲れたので、今日もまったく焦りはありません。昨年の経験から思っていることは——
『獲れるときは獲れるから焦らない』
ですね。昨年、初めての1頭が獲れるまで、なかなか簡単に獲れる場面がなく、「こんな難しいシチュエーションで獲るのかよ!無理だよ」と苦しんでいましたが、コツコツやっていると、「あれ、このシチュエーションなら誰でも獲れるんじゃない?」と思ってしまうような場面に出くわすものです。
わたしの初めてのシカもそうでした。こちらに気付くことなく歩いてくる鹿の群れ。銃を構えて待つ。全身を見せたところでドン。30mもないような距離。素早い据銃とか、高い射撃技術とか、そういうのがいらない状況でした。
必要なものはコツコツ猟を続けて、そういう場面に出会えるように、とにかく獲物を探すこと。
獲物の気配は濃いものの……
獲物の気配とても濃いのです。今朝以降についたであろう足跡もいくつかあったし、朝まで寝ていたのかな、と思うような寝屋もある。
なのに出会えない!
歩いていれば先に気取られて逃げられたり、遠くでピーって鳴かれたりすることもあるもんですが、それもない。体調を考え、あまり奥まで行かず、適当な場所で気を背にして座ります。
待ち伏せ猟という名目で休憩です。
こうして鉄砲を膝に抱え、山を見ていると、登山で見る山とはまったく違って見えてきます。こればかりは自分でやってみた人しか分からない感覚なんじゃないかな。
ようやく2頭群れ
3時間が過ぎた頃、ようやくメスジカの2頭群れに遭遇します。尾根の上にいたシカに気付くと同時に向こうは走り始めます。すぐに死角に入ったため、こちらもダッシュで鹿が見える場所を探します。
数秒で再度視界に納めますが、すでに尾根の下の方を全力疾走。立ち止まる様子もなく、向こうの尾根を登っていき、その向こう側で繰り返しピーピーと鳴いています。
走って疲れているこちらはその場に座り込んで鹿の鳴き声を聞いていました。
その後は目立った動きはなく下山
ダメでしたね〜。体調自体はすでにあまり気にならなくなっていましたが、翌日に響くといけないので、早めに下山しました。
林道が近くなったところで銃カバーをかけて、鉄砲を背負い直します。
「なーんにも問題は起きなかった」
ということにちょっと安心している自分がいます。もちろん発砲のチャンスがあれば嬉しいし、獲物が獲れれば尚嬉しい。だけど、何もなかったら何もなかったでそれも良し。
荷物を車に積んで、靴を脱いでサンダルに履き替えます。身体が冷えないように服を羽織ってジムニーの運転席に座り、チョコレートをひとかけ。
妻に「下山したよ」と伝え、エンジンをかける。
始まりましたね、猟期が。
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