【雪国】スキー猟の魅力と猟法【ゾンメルスキー】
北海道に来て2シーズン目。12月になると積雪は1メートルを越え、つぼ足では山に入れません。
そこでスノーシューやらスキーやら使う事になりますが、ぼくはほぼスキーです。
わたしなりにスキー猟の魅力と、スキーを活かした猟法についてお話してみたいと思います。
動画版あります。
ゾンメルスキーってなに?
まず狩猟で使うスキーとしてはゾンメルスキーが定番です。ゾンメルスキーについてはこちらの記事でご紹介しています。
参考:北海道での“足”はスノーシューかなと思っていたら、ゾンメルスキーというものがあるらしくワクワク
まず一般的なスキーとの構造の違いは2点
- 裏面にアザラシの毛皮などが貼ってあり、前には進むけど後ろには戻らない
- バインディングの踵が浮く
これにより、平地を進んだり上り坂を登りやすいという特徴が生まれます。
ゾンメルスキーの魅力
まず道具としてのスキーの魅力について見ていきましょう。
1.平地での直進機動力の高さ
平地を一直線に進むという意味ではスキーに敵う道具はないのでは? ほとんど「足を上げる」という動作は不要で、足を前に滑らせればスキー先端がそり上がっている構造により、自然とスキーは雪上を滑ります。
スピードも速く、体力的にも楽ですね。
2.実はぐいぐい登れる!
「でも登りはキツイでしょ?」と思われるかもしれませんが、スノーシューも使った感想としては、「正直、上り坂もゾンメルスキーの方が楽」ですね。
もちろん急な坂を直登するのは無理があります。しかし、それはスノーシューだって同じこと。雪の急登はそもそも無理があるんです。だからスノーシューであれ、ゾンメルスキーであれ、ジグザグ登りになりますが、そうなるとゾンメルスキーはらくですね〜。
3.浮力の高さ
表面積の広さにより、浮力が高い!
深雪でふっかふかの雪でも沈まずグイグイ進めます。同じ日にスノーシューを使ったら見事に膝上まで沈み込んでしまいましたが、スキーではスネ辺り。そのうえ、スノーシューは足を完全に上げてから前に進めるわけですが、スキーは構わず前進させるだけ。
楽です。
4.下りはスイスイと
そして言うまでもなく、スキーは滑ることができます。普通のスキーのようにはいかないですが、スーッと滑り降りることはできます。
実を言うと、ぼくはまったくスキーができませんが、ぶきっちょながらも尾根をスーッと降りることはできます(たまに転びます)。
また、滑るほどの斜面でなくても、ちょっとでも下りの傾斜があれば、進むのはかなり楽になります。
デメリット
なんと言っても方向転換の手間です。
たとえば後ろに振り返りたいとき、かなり動きが大きくなります。もし後ろに獲物がいたら目も当てられないですね。
で、この方向転換の手間は発砲時にも影響します。正面から左方向への射撃姿勢は割と自然に取れますが、右方向は難しい。やってみると分かりますが。足を少し動かさないと右には構えにくいんです。そしてその「少し足を動かす」が億劫なのがスキーです。
どうやって動かすか、試しておくとスムーズです。
また、スキー板の長さのせいで、鬱蒼とした森の中を進むのは不便です。そういう機敏な動きはスノーシューには敵いませんね。
スキーを活かした猟法
で、こういったメリット・デメリットを活かし、わたしがよくやるのが「スキーによる流し猟」です。「林道歩き猟」と勝手に呼んでいます。
雪が深くなり、車も入れなくなった林道をゾンメルスキーで進みます(もちろん鉄砲はカバーに収納)。
で、足跡を見つけたら林道を降りて、トラッキングします。
林道は車が走る場所なので当然平坦で、スキーの直進能力の高さを全力で活かせます。早いし、体力的にも楽。また雪山に不慣れな人も、大部分の移動は林道上なので道迷いもせず、事故に遭う確率も少ない、と。
そもそも雪が深くなるとしかも平坦なところにいることが多い(わたしのところでは)ので、わりとこういう林道から遠くない場所で捕獲出来ることが多く、回収も少しは楽です。
スノーシューが定番化している気がするけど
雪国の猟だとかんじきやスノーシューが定番化していますが、昔はスキーが定番だったはず(たぶん)。
うまくスキーを活かしたアプローチの仕方ができるようになると、これほど気持ちの良い道具はないです。
ぜひ、雪国の人はご検討を。
また、おもしろいと思ったらこちらをクリックしていただけると、ランキングが上がります。応援のつもりでお願いします。
ブログ村へ