【2020年】導入して良かった山道具3選
2020年も終わりですね。今年を振り返って、導入して良かった山道具を3つ挙げていきます。
すべてに共通して言えるのは「行動を広げてくれる道具であること」ですね。
79式算盤火床
こちらはKentarou in The WoodsというYoutubeチャンネルを運営しているKentarouさんが制作しているガレージブランドの商品で、いわゆる焚火台です。
これを手にしてからほぼすべての山行で使っていますが、確実に行動の幅を広げてくれた道具ですね。
その魅力をすべて語れば長くなりますが、いくつか挙げると——
<軽量&コンパクト>
道具自体の重さは185gです。焚火台としては驚異的な軽さですねm
<展開と撤収の簡単さ>
ガチャガチャとした組み立てが一切ありません。折りたたみ式で、ほぼ1アクションで開き、そこに網を乗せて終わりです。スピードもさることながら、手袋をしたまま展開と撤収ができるというのが大きいです。氷点下10度くらいになると、手袋を外すとかなり冷えるので。
<小さい火を維持しやすい>
炊飯用の焚火を無駄に大きくすれば、燃え尽きるまでに時間がかかり、撤収に手間取ります。その点、こいつは小さな火を維持しやすいですね。
<同時に複数の調理が可能>
Solo Stove ソロストーブ ライトという焚火台を持っています。あれはあれで便利で、嫌いじゃないんですが、なにしろ1度に1つしか調理ができません。それに対して79式算盤火床なら(クッカーによりますが)3つくらいの調理を並行して進めることができます。
米を炊き、おかずを作り、食後のコーヒーの湯を沸かす……というのを一気に完了できます。たしかに火おこしの手間はありますが、その後の調理のスピード感を考えると、燃料式のストーブに引けを取らないテンポの良さです(もちろん、ガスストーブでワンバーナークッキングをするのが1番早いけど)。
結論:焚火という選択肢を与えてくれる
日帰り狩猟での昼食はダラダラと長い時間をかけたくありません。40分程度を1つの目安にしています。どんなに長くても1時間。
直火の焚火だと完全な撤収をするにはどうしても時間を要するため、ストーブを使おうという結論になります。ところが79式算盤火床を使えば40分でいけます。日帰り山行に焚火という選択肢を与えてくれたのはかなり大きい “事件” でした。
スノーシュー:MSR EVOアッセント
前猟期はスキー1つで雪山に向かいました。スキーで狩猟することが憧れだったこともあり、それはそれで大満足でした。
参考:届いたスノーハイクを眺めながら、スキーでの狩猟に憧れる理由を考えてみる
しかし現実的には積雪量や雪質によって、スキーが適さない場面があることも実感していました。雪が積もりきっていないと笹がたくさん飛び出していて、スキーが引っかかって仕方がないのです。かといってつぼ足でいくのはムリ。そんなときは「やっぱりスノーシューがいいのかな〜」と思うわけです。
また、行く山とルートによっては尾根をグイグイ登って降りてと繰り返すこともあります。ぼくが使っているスノーハイクは斜面を登ることもできるスキーですが、それにしたって急斜面を登るのに適しているわけではありません。やっぱり山によってはスノーシューがいいのでしょう。
今後も長いこと雪山での狩猟に取り組んでいくわけですから、スノーシューはケチらないことにして、MSRを買うことにしました。歩かのスノーシューをたくさん知っているわけではないのですが、少なくとも脱着のしやすさと頑丈さを考えると正解だったかな、と思っています。
アルコールストーブ:フレボR
これは本当に最近手にしたものですので、実戦投入は数回程度なんですが、道具としてのインパクトがすごいですね。
なによりも火勢の強さと重さです。
詳細は公式サイトを見ていただきたいのですが、性能はめちゃくちゃ高いです。実感できるくらい湯沸かしが早い。その数字を見たければ、こちらのサイトが分かりやすいです(とても長い記事なので、結論だけ見たい人は記事末尾の表を見てください)。
その中で、印象的な部分を1つ紹介すると湯沸かし速度でしょう。330mlの13度の水を沸かすのに、トランギアは5分36秒。フレボRは3分55秒。その差は1分41秒。すごい差です。アルコールストーブは環境の影響をモロに受けるので、状況が違えば結果も違ってくるでしょうけれど、それにしたって基礎的な力が違います。
そして火力が強いのに対して、重さはどうか? これが驚くべき軽さ。手元にあるのでまたトランギアと比較しますが、
トランギア(蓋なし):66g
トランギア(蓋あり):111g
フレボR:7g
もう比較になりません。これ以上の軽量化はもう望めないでしょうね。というか、7gが仮に5gになったところで、もはや実質的な差がない……。商品が届いたときの段ボールを手にして「あれ? 中身が入ってないんじゃない?」と思うほど軽いのです。
まぁ、道具マニアみたいになっても仕方ないので、軽さだけに感動していてはいけません。そして本当に感動する点はそこじゃないのです。
ぼくがアルストを使うのは、山での小休止。小休止はMAX15分、できれば10分程度に抑えたいという気持ちがあります。
この数字には意味があります。冬期の休憩は身体の冷えとの戦いです。山での気温は-5〜-15度。それでも歩いているときは汗をかくほど暑いのです。しかし止まった瞬間からガンガン冷えていきます。
ここで選択肢が生まれます。
冷えないように防寒着を携行する → 荷物が増えるのが嫌だし、着たり脱いだりするのが面倒。その手間で休憩が伸びるのも嫌。いくら着込んで冷えを防いでも、長く休めば身体が休憩モードになってしまう。
身体が冷えないように休憩を短縮する → 数分程度の休憩にすればたしかに身体は冷えないけど、やはり適度な休憩をとった方が集中力も維持しやすい。
短時間で素早く温かいものを飲み食いする → これが狙い
この第3案を狙っていきたいわけです。20分も休むと冷え切ってしまうので、できれば10〜12分以内で、温かいものをクイッと飲んで、サクッと撤収したいわけです。そこでトランギアに比べて湯沸かし速度の速いフレボRが活きてきます。タイムリミットがあるので、1.5分も短縮できるなら、かなり大きな効果です。これは机上の空論ですが、理論値としては15分かかっていた休憩を13.5分に短縮できます。めちゃくちゃ寒いときの1〜2分は意外と大きいわけです。
というわけで、フレボRは休憩の幅を広げてくれました。
良い道具は幅を広げてくれる
良い道具ってなんでしょうか? 人間は野生動物に比べて身体が弱いため、道具を使って行動範囲を広げてきた動物です。

大昔、人が火を手にして……なんて説明をしなくても分かると思います。
その道具を手にしてより広い範囲を歩けるようになったり、できることが増えるとき、それは「良い道具」になり得るんだと思います。
そういう意味で、今日ご紹介した3つの道具は確実に広げてくれていますね。じつはまだ実戦投入できていない「良さそうな道具」もあるので、それはおいおいご紹介してみようと思っています。
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