吹雪の中でスベア123Rを使ってみたら湯が沸かず。次回への反省を
これまでは猟の最中にあれこれ調理したりはしませんでしたが、今期は料理をしたり、お茶を作ったりすることも楽しみたいと思っています。
ところがここは北海道。これからどんどんと寒くなり、雪も深くなります。そしてわたしが住む地域は風が強い場所。冬に限らずいつも強風です。
たまたまそれなりに強風で吹雪いている日があったので、スベア123Rといつもの狩猟で持ち歩いているセットを持ち出して、うまく機能するか実験してみようという試みです。
実験するという遊び
いきなり余談になりますが、わたしがアウトドアや狩猟に出るときは、できるだけ毎回なんらかの「実験的要素」を込めて行きます。
たとえば「いつも登山靴だけど、今日は長靴にしてみよう」とか「ハットを愛用しているけど今日はあえてニット帽で」ってな具合に。
たしかに一般論として「こういうときは、こういう道具がいい」とか「こういうときはこういうやり方をしよう」といったハウツーってネットや書籍で出回っていますが、それを鵜呑みにして、自分で実験せず、いきなり実戦に投入するのって不安なんですよね。
だからそういうハウツーやみんなの意見を参考にしつつ、余裕があるときに自分で実験するようにしています。とくに深く山に入らないときはあれこれ実験できますし、悪天候の日は最高の実験日和。小雨の日にあえて焚き火を熾してみたり、調理してみたり。
実際に実験してみると「あれ、うまくいかない」なんてことも少なくないです。
で、今回は強風&氷点下の環境でスベアで調理できるか? という実験でした。
さてスベア123Rの力は?
先日、スベア123Rのプレヒートをしやすいように、ZIPPOのウイックを巻きました。よくあるカスタムですね。これのおかげもあって、じつはプレヒートは凄くスムーズでした。寒かったので2度プレヒートが必要でしたが、大した手間じゃないですね。これは凄く良かったです。
しかし問題は着火後。強風で火が流されて全然暖まらない。そのうえ、乗せているコッヘル(キャンティーンカップ)が細い形だからか、どうもうまく熱を受け止めていない気がするし、縦長だから「下を温めている一方で、上の方は熱を逃がしている」という状態。しばらく経っても上の方はまったく暖まっていません。
風の様子はなかなか伝わりにくいとおもいますが、ちょっと動画に撮ってみました。動画撮影時はこうやって風に晒していましたが、実際は手で周りを覆ってみたり、リュックを置いてみたりして、風を遮る努力はしていました。しかしそういった小手先の工夫はなかなか実りませんでしたね。
ちなみに風が吹くとこんな感じに。
これでも風も雪も弱い方で、実際はもっと強い時間が多かった。特に風。 pic.twitter.com/ZTyJ5ubxPO— やまくじ (@yamakuji_jp) November 19, 2019
20分ほど待ちましたが、鍋の底に気泡が現れる程度。いつまでもちゃんと沸きません。これだとお茶くらいは飲めても、調理はきびしい。そもそもお茶を飲むのに20分もかかるんじゃきびしいし。
結論 → まだ雪も気温も下がりきっていない今からこの状態だと、本当の厳冬期になったらまったく歯が立たない。対策必須。
対策はどうするか?
対策案はいくつか考えられます。
1.風防を追加
普通に風防を追加して使えば、風はかなり遮れるし、熱効率も上がります。
ただしスベア123Rは風防で囲うと熱暴走してしまうことがありますので、要注意です。オススメはしません。が、本当に寒いときに適度に使うなら大丈夫でしょう。
2.コッヘルを丸形に変更
今のキャンティーンカップは熱効率がどうにも悪いので、丸形に変更した方が良さそうです。
こういう飯ごう型の形は焚き火なんかだと都合がいいんですけどね。ストーブで使うには非効率なのかも。
3.スベアの簡易風防カスタムを施す
これは、こちらのWinpy-jijiiさんの動画で見たカスタムです。6:32あたりから見てもらえば分かると思います。
これがどの程度の効果を生むかは分かりませんが、ないよりはマシなはず。割と簡単なので、試してみたいですね。荷物も増えず、軽量なので、これがうまくいくなら普通に風防を持っていくより魅力的です。
4.SOTOストームブレイカーを導入
あれこれやってもダメならSOTOストームブレイカーの導入ですかね。
商品の売りとしては……
- 優れた防風性
- 静音性(代表的他社商品:87.5dB。ストームブレイカー:74.5dB)
- 火力はスベアの倍以上の3000kcal/h(スベアは1300kcal/h)
スペック上はもうスベアなんかじゃ比べものにならないでしょうね。風に強いだけでも魅力的ですが、火力も倍以上となると、たぶん実際に湯を沸かすまでの時間はすごい差になるでしょう(そもそもスベアで沸かなかったし……)。
できることから少しずつ
結論としてはストームブレイカーを導入するのが1番簡単だとは思うのですが、まずは手元にあるもので工夫していきましょう。それで限界を感じたら、ストームブレイカーで対処。
というわけで、次回はこんなセットで行ってみたいと思います。
自宅にほとんど使ってない風防があったので、これを次は使ってみよう。
ただスベア123Rは風防で囲うと熱暴走することがあるので普段はオススメしません。よっぽど寒い時に、最低限囲う形で使います。 pic.twitter.com/R69fB6k763
— やまくじ (@yamakuji_jp) November 19, 2019
今回の道具の変更前後でどれくらい重量に変化があったか比べてみたら、おどろくほどまったく一緒で、変化なしでした。風防を追加したけど、重くならなかったのでラッキーでしたね。
また次回実験かな
関東にいたときは狩猟を始める前からこういった山遊びにおける実験と変更を繰り返してきたので、それなりに「こうやればうまくいくだろ」という知見が溜まっていましたが、北海道に来て、雪国&寒い場所では経験値がなさ過ぎて、なにもかもが実験実験の繰り返しです。
ありがたいことに、徐々に寒くなっていくので、本気で寒くなる前にいろいろ実験できるのが救いかな。
これもまた楽しみのひとつですね。
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