単独猟日記9:鹿に遭遇できず迎えた日没直前に現れたものは……(動画あり)
前回シカが獲れたもんだから「今日も獲れるんじゃないか」と下心満載で迎えた単独猟9日目。
ところが、ぜんぜんシカに出会えない。そして最後……。
※動画もあります。
強風に悪い予感
張り切って出猟します。
この出猟の瞬間はたまらないもの。1日のことを思い描き、どんなドラマが待っているかと心ときめかせます。鉄砲を背負い、ナイフを持ち、山に足を踏み入れます。
山に入るなり、鉄砲を銃カバーから出して、ボルトをセット(分解して携帯しているので)。この、ボルトをセットした瞬間の気持ちは言葉にできません。シャキン! とボルトが収まり、「いくぜ」と気が引き締まります。
さて、山は強風です。
嫌な予感しかありません。
というのも、過去、強風の中で出猟したとき、本当に獲物に出会えなかったんです。まったくと言ってもいいくらい。どうにか100m以上離れたところにいるシカがスッと姿を消す瞬間を見ることができたものの、それ以外はダメ。姿を見られないどころか、痕跡もグッと減る印象でした……。
今日はどうなんだろう? と疑心暗鬼になりつつの猟になりました。
シカがいない……場所を変えよう
本当にシカがいません。実はこれまで8回の出猟で、獲物を見なかったことは1度もありませんでした。撃てるチャンスはなかなかありませんが、それでも逃げていくシカや、遠すぎて狙えないシカも含めて、必ずシカかイノシシを見てきました。
しかし、今日はダメ。
まったくダメです。シカの足跡もない。昨晩からの強風でわたしのよく知る猟場から出ていったとしか思えません。わたしがメインで歩く場所は北向きの斜面です。もちろん、細かい尾根が入り組んでいて、やや東向き、西向き、南向きの尾根もありますが、大きな視点で見ると北向きの地形です。
「北風が冷たいから、南向きの斜面に避難しているのではなかろうか……」
——という考えがどうしても頭から離れないため、思い切って場所を変えることにしました。これまで1度出猟すると、猟を終えるまで車に戻ることはありませんでしたが、今日は昼過ぎに下山して、猟期前に下見をしていた別の猟場に行ってみることにしました。
その場所は全体的に南向き。下見したときの印象だと陽が入る明るい山。もしかしたら今後寒くなってきたらこういう場所の方がいいのかもしれません。
猟期前の下見の重要性を感じますね。
こっちもあまり痕跡が濃くない……
さて、猟期にこの猟場に来るのは初めてのこと。あまり時間もないので、山に奥まで入ることはせず、近場をウロウロして、足跡を探すことを優先しました。ところどころ小さめの鹿の足跡がありましたが、期待したほど濃厚ではありません。
おやつ&お茶を飲みつつ、ちょっと待ち伏せ的なことをしてみますが、ダメ。うまくいきません。あまりに動物の気配は少なくてガックリ。
さて、時計を見ると16:00。日没は16:35。しかしわたしは5分余裕を見て切り上げると決めていますので、16:30まで。つまり残り30分。悔しいので林道近い尾根で待ち伏せをすることにしました。
待ち始めて10分。
カラカラカラ……
向かいの尾根の斜面で石が転がり落ちる音……。
「きた!」
広い斜面。音はどこから聞こえた……? 双眼鏡で舐めるように見るも、見つからず。恐らく死角にいるのだろうと思われます。
いつもなら何十分でも待って、根比べに入ります。しかし、こちらは日没まで20分というタイミング。サッサと撃たないといけません。
思い切って斜面の下まで駆け寄ります。逃げるところを撃つ作戦です。
そこにいたものは……思わず動画を撮っちゃいました……。
そう、カモシカです。わたしも撮影中に気付いたのですが、どうやら足が悪いようですね。わたしから逃げようと足が悪いのを無理して斜面を上がろうとしているようです。そのせいで斜面から転げ落ちてしまいました。
足が悪いと知らなかったので……。このとき気が付いて、かわいそうなのでその場を去りました。
獲物遭遇記録が途切れたナァ
最初に書きましたが、これまで8回出猟して、少なくとも何らかの形でシカ・イノシシに遭遇してきました。
しかし今日はダメでしたね。カモシカはいましたが、狩猟対象じゃないし……。
というわけで、獲物遭遇記録は9回目にして途切れました。こういう日もありますね。強風の日のアプローチも考えないといけませんね。精進精進。
次も頑張っていきましょう。
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