初猟期を迎える人向けに狩猟で使うナイフについて考えてみる
今日は初猟期を迎える人向けに狩猟ナイフについて考えてみます。
狩猟ナイフも趣味としては奥深い世界でして、一家言持っている人も多いですね。まぁ、あまりディープなところには入らず、わたしなりに「とりあえずこれくらい知っておけば」という範囲で考えていきたいと思います。
人それぞれ、十人十色
狩猟で使うナイフは本当に人それぞれです。
ある人は大きな剣ナタ1本ですべてをこなし、ある人はいくつものナイフを適材適所で使い分けます。
現地で解体する人と、持ち帰ってから解体する人とでは山に携行するナイフも違うでしょう。
理屈では「こういうナイフが使いやすい」という比較的一般化したナイフってのもあるんですが、そんなの関係なく「好きだから」という理由で、独特なナイフで解体している人もいますね。
わたしはこの「好きだから」を最優先した方が楽しいと思っているタイプですので、みなさんも好きなナイフがあればそれを買うのがいいと思いますよ。
とはいえ「よくわからん」という人もいると思うので私なりにナイフについて思うことをつらつらと書いていきます。どれも私の個人的な意見です。もしこれを読んでいるハンターで「俺はこう思う」って意見があったらぜひTwitterでお知らせください。きっとそれもこれから買う人の参考になると思います。
適材適所か、汎用ナイフを1本か
こだわる人だといくつかのナイフを使い分けて解体します。よくあるのは皮剥ナイフと骨スキナイフの2本ですかね。
これが皮剥ナイフ。
で、これが骨スキナイフ。
文字通り、皮剥ナイフで皮を剥ぎ、肉の解体は骨スキナイフでやるわけです。
これに加えて止め刺しや血抜きのために剣ナタや、刃渡りの長いナイフを持っていく人もいるでしょう。たとえばモーラですと、こんなのがあります。刃長は203mmですので、止め刺し・血抜きには十分でしょうね。
一方、少ないナイフで全部をこなすタイプの人もいます。剣ナタで止め刺し、血抜き、解体と全部やる人もいますし、たとえばモーラのコンパニオンとかで全部こなす人もいます。この場合、止め刺しはちょっと厳しいかもしれないけど、鉄砲で仕留めると割り切れば問題ありません(犬を使う人は鉄砲が使えない場面もあるでしょう)。
使い分けるか、汎用ナイフ1本か、
これは好みでしょうね。わたしは剣ナタ+小さめナイフの2本持ちです。
理由はいくつかあります——
- 剣ナタが好きだから
- 解体は小さめの方がやりやすい気がする
- 刃物は紛失したときのために2本持っておきたい
……ってなところでしょうか。でも突き詰めれば、「その2本が好きだから」ですね。
解体は小さいナイフ1本で全部やります。使っているのはこれ——
わたしなりに使いやすいナイフの大きさの基準は「持ったときに人差し指と同じくらいの長さのもの」です。

ただ大きめのイノシシを解体するとき、「もうちょい刃渡りがあった方が使いやすいかも」とちょっと感じました。まだ大きなイノシシの経験があまりないので、そのへんは私も今後の課題です。
初猟期を迎える人はアレコレたくさん揃えるよりも、汎用的なナイフを1つ持っておいて、経験するに従って増やす方がいい気がします。
解体に使いやすいナイフってどういうの?
わたしも研究途中なんですが、私なりに前猟期に感じたのは、多少ベリーが丸いものが使いやすいということ。
こちらの写真の上は刃先が丸みを持っているのに対して、下はややストレート気味ですね。

皮剥ぎは丸い方がやりやすいです。皮剥後の解体はストレート気味でもいいですね。骨スキナイフなんてまっすぐですから、むしろそのほうが向いているのでしょう。
わたしは現地では大バラシのみ——つまり皮剥+足や腕の切り離しだけです。自宅で細かく解体します。そのときは上の写真の下のナイフを使います。
1本のナイフで全部やるなら、上のナイフを断然推しますね。
鋼材は?
いろんな考え方があります。
- 血などで錆びないようにステンレスが最高!
- 切れ味重視で鋼がいい!
ってなところでしょうか。いまどき「ステンレス=切れない」っていうほど単純ではないです。わたしの解体ナイフはATS-34ってやつですが、切れ味でも、刃持ちでも不満を感じたことはありません。なにしろ単独猟なもんで、1頭しか解体しませんからね。
次から次へと解体していくのであれば、また違った意見が出てくるのかもしれません。
鋼材についてネットで調べていくと「あの鋼材は刃持ちが良いらしい」「この鋼材はダメらしいぞ」と情報過多になって、結局「1番高価なヤツ以外はダメ」みたいな結論に行き着いてしまいます。しかし、実際に使ってみると、また違った感想を持つものです。
良く分からないならまずはステンレスを選ぶと無難な気がします。
刃長は?
漠然とですが、10〜15cmってところなら大きな不満はない気がします。
ちなみにわたしのは7cmくらいですから、やや小さめです。でも不満はないかな〜。
10〜15cmと書いたのは、周りの人がそれくらいを使っている印象があるからです。たとえば先ほどご紹介した骨スキナイフは15cmでした。モーラですと10cmくらいです。
そのあたりなら無難かと。
刃の形状は?)
コンベックスグラインド、フラットグラインド、ホローグラインド、片刃、両刃など、まぁ、あれこれありますね。
わたしのはホローグラインドです。まったく不満がありません。「ホローだと弱い」と言われていますが、わたしはこのナイフで胸骨も割り開いたりしますが、欠けたこともないし、その後の切れ味も問題ありません。
解体という目的においては、どの刃の形状でもいいと思います。
そんなことよりも、ちゃんと研ぐ技術を身につけることの方が重要な気がします。
汎用的なナイフってたとえばどれよ?
いきなり結論ですが、もう無難にモーラとかいかがでしょうか?
「結局それかよ」と言われてしまいそうですが、結構「良く分からんしモーラで良いか!」とモーラを使い始め、経験を積んだ後になって「うん、モーラでいい」とやっぱりモーラを使っている人っているもんです。
なにしろ安いし、刃渡りも10cmくらいと使いやすい。ベリーも一応丸みがある。1番解体に適したナイフであるかどうかは分かりませんが、コレを使っていて大問題に直面するなんてことはないと思います。他人から見ても無難です。
モーラのコンパニオンを挙げましたが、もっと前に挙げたコンパニオン・オレンジとか、無くす心配が少なくて良いですよね。値段はグッと上がりますが、フルタングモデルのガーバーグってのも所有欲を満たす1本かもしれません。
たくさんのユーザがいて一定の満足度を得ているモーラは無難な気がしますね。
探す喜び
まぁ、結局モーラを勧めてしまう私ですが、ナイフって本当に手に持ってみて分かる事って多いと思います。
できることならナイフを展示販売しているお店に行って、手にフィットするものを探すのが1番です。
予算が許すならカスタムナイフの展示会に行くと、かなり勉強になるし、おもしろい魅力的なナイフを見ることもできます。
参考:第38回JKGナイフショーに行ってきたので気になったナイフをご紹介
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