良く聞かれる質問:「将来、狩猟ガイドはやらないんですか?」に答える
北海道に引っ越してきたこともあり、「狩猟ガイドをやらないんですか?」という質問を何度もうけています。
結論を言えば「やらないです」ということなんですが、「なぜガイドをやらないのか?」を書いてみようと思います。
1.大前提としてその技量がない
これは「いま」狩猟ガイドをやらない理由になりますね。
人をガイドするっていうのは、並大抵の技術レベルでできることではないと思っています。
ガイドするからには「獲らせる」のはもちろんのこと、事故や遭難への対応、怪我の処置もできないといけないと思いますし、お客さんを楽しませる技術も必要でしょう。
友だちを連れて行くのとはわけが違うわけで、やっぱりプロとしての技量が必要だと思うんですよね。
もちろん技量はこれから身につけていけば良いのですが、いまはそれがないのでガイドはやれません。
2.狩猟をやる人が同じ考えとは限らない
ハンターがみんな同じ考えってことはありえません。
「撃てれば楽しい!」って人もいるし、「肉のため」っている人もいる。みんな考え方が違います。
撃ち方1つとっても、それぞれみんな引き金を引くことに対する気持ちが違うんですよね。その違いって、結構ストレスに繋がると思ってます。
たとえば「かなり遠い獲物がいて当たる気がしないけど、試しに撃ってみたよ」という話ってたまに聞くんですけど、個人的に、この考え方には共感できないんです。撃つからには自信を持って撃ちたい。もちろんそれでも外すときはあるんですけど、撃つ瞬間だけは「これなら当てられるはず」という気持ちでいたい。自分なりに自信を持って撃ちたいんです。
だからもし自分がガイドをしていて、お客さんにやたら遠い獲物を(根拠もなく)バンバン撃たれちゃったら、ストレスを感じちゃいそうなんですよ。お客さんだと「だめだ!」とも言えないかもしれないし……。
いや、この考え方が正しいって話じゃないですよ。合うか合わないかって話です。べつに他人がどんな考え方でも構わないんです。ただ自分に合わない考え方の人をガイドするのってストレスだと思うんですよ。それを続けていると大好きな狩猟を嫌いになりそうで……。
3.猟は自分のためにやりたい
じつはこれが1番の理由です。
猟は自分のためにやりたいんです。獲るも獲らないも自分次第。他人のためにやるのはあまり楽しめなさそう。
たとえば有害鳥獣駆除は地域のためにやるわけですけど、それだって「自分で “地域のために駆除をやろう” と決めて」取り組むわけです。
それに制度の上では有害鳥獣駆除と呼ばれていても、取り組み方は自分次第です。
自分が獲るために努力をして、模索して、深掘りしていきたいんですよね〜。
狩猟系のビジネスにあまり興味がないのもこれが理由です。自分のために獲りたいんです。駆除の報奨金は否定してません。わたしだってもらえるものはもらいます。だけど、ビジネス化すると「事業化して、スタッフなども食わせるためにどうしても獲らないといけない」とか「先行投資分は取り返さないと!」みたいなプレッシャーがかかると思うんです。これだとせっかく楽しい狩猟を嫌いになりそうで……。
わたしも雑誌に寄稿したり、ブログの広告収入があったりして、僅かながら狩猟系の収入があるのは事実です。でも、これらは自分の狩猟に作用しないからいいんですよね〜。獲れないときは「獲れないぞ」っていう話が話のネタになるわけですから。
まぁ、未来のことは分からないけれども
狩猟ガイドをやらない理由ってのは、こんな具合なんです。
もちろん将来のことは分かりません。考えが変わることもあるでしょう。ひょんなきっかけで「やっぱりガイドやりますわ〜」ってこともあるかもしれません。
あくまで今の時点ではやる気も興味もないということです。
ガイドを否定しているわけでもないですよ〜、念のため。
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