ちゃんと忍び猟ができるじゃん! 広がる猟場に興奮の日々

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この地域の特性か、とにかく山中に広がる笹藪が濃くて背が高い。とても長い時間歩けるものじゃないし、見通しも悪いのでそんなところを歩いていても猟にならない。

というわけで、この時期の忍び猟は諦めていたんだけど、北海道2年目の今期は、山を探索しまくって、歩ける場所を探している。おかげで何カ所も「藪の薄い場所」「藪がない場所」を見つけられた。

獲物よりも猟場探しを優先しているようだけど、あとで生きてくると信じてる。

##笹藪を越えなきゃ行けない場所も多い

背丈近い高さの笹藪。この藪を10mほど抜ければバーッと広がるエリアに出る。鹿も多い。

写真のような笹藪は、まるで壁のように立ちはだかるんだけど、よく探すと鹿の通り道になっている場所があったりする。立って探すと分かりづらいが、しゃがんでみると人間の腰の高さくらいにトンネル状に広がっている場所があって、そこを観察すると足跡があるのでそれだとわかる。

鹿だってこういう笹藪には辟易しているはずで(たぶんね)、やっぱりもう少し開けた歩きやすい場所を中心に行動しているんだと思うということはこういう鹿の通り道を抜ければ、どこか鹿にとって居心地が良い場所とか、餌場なんかにたどり着けるかもしれない、と信じて歩いてみた。

すると案の定、たったの10mそこらの藪漕ぎで、出たのは開けた尾根。下には水場があり、小さな谷を挟んで隣の尾根も開けている。「笹藪がないゾーン」が広がっているのだ。

 

しかもこの日、ちょうど鹿もいて、3頭群れが逃げていく姿も確認できた。逃げられて残念ではあるけど、逃げたルートを見れば主要なけもの道も見つけやすい。さっそく観察して、しばらくけもの道を追跡してみたりする。

「へぇ、こっちの尾根には立ち寄らず、向こうの谷を越えるのか」

少しずつ鹿の行動圏が見えてくる。

そのプロセスがおもしろい。

 

## 油断すると光学機器が汚れて曇る……

ひたすら歩いていると、身体が熱を発し、汗をかき、身体に近づけて持っていたスコープが曇ったりする。藪漕ぎすればゴミがスコープに溜まったりね。

カバーを付ければいいんだけど、藪を抜けたらヒグマがいた、となっては怖いので(そうならないように120%慎重に行動していますが)、カバーを外して歩くときもある。

気づいたらちゃんと立ち止まって休憩がてらメンテナンス。この日はメガネ拭きを忘れたので、トレペで拭く。

本当はレンズをこうやって拭くのってあんまり推奨されないですけどね。やむなし。

 

## 遠くでシカが鳴くも寄ってこず

遠くでシカが鳴き、その声が寄ってきているように思えたので、しばらく待ってみることに。

しかし待てども待てども現れず、諦めついでに「ぼくはここで待ち伏せた」という記念の撮影を。立派な切り株です。

 

休憩はだいたいメモの時間

79式算盤火床という焚火台

メシの時間や休憩時間はもっぱらメモを取る。歩きながら思いついたこと、考えたこと、そういうことを思い出しながら書く。

 

いつも反省点があるし、学ぶこともある。後で調べたいキノコ・樹木の情報もメモする。そういう植物の知識はまだ疎いのだけど、猟場で頻繁に見かけるものは知っておきたいと思っている。

 

## 最近の弾差し事情

最後に余談ではあるけど、最近の弾差し事情はこんな感じにしている。

ベルトに5本差しと2本差しの2つをつけていて、アクセスしやすい所に2本差しがくるようにしている。

この2本差しのモデルは X-HOLDER 12GA  というKAKASHI LAB製のもの。友人のカカシさんが設計・開発している。設計段階から口をださせてもらったこともあり、勝手に愛着を感じている(ちなみにサイトの商品説明はぼくが書いた)。

5本差しの方は2〜3年前にリロ氏からスコープを購入したときにおまけで付けてくれたもの。長らく活躍の場がなかったのですが、ここにきていい感じに使えてる。こいつはベルト通しなどはないので、タイラップで固定。なんでも困ったらタイラップ。便利なヤツさ。

 

雪を待たずに忍べる幸せ

雪が降らないと忍び猟にならない、と去年は結論付けたけど、ある程度はこの時期からやれることがわかった。

もちろん行動範囲に制約はあるし、無理があるところもある。本当の「忍び猟の時期」はやっぱり積雪期に入ってからかな、とは思ってる。だけど、少しずつこの時期から歩いて猟がやれると思うと、ぼくはとても嬉しいのだ。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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