狩猟界隈は一枚岩ではないことを知っておく
狩猟を始める前は「狩猟者は同好の仲間だし、基本的には味方だろう」と思っていました。
でも今となってはまったくそうは思いません。もちろん人間同士だから、好き嫌いはありますが、ここで言いたいのは「同じ狩猟者だからこそ、お互いを認められず、否定し合うこともある」という厄介な話です。
「俺の狩猟が最高」はいいのだけど
狩猟をやりこんでいる人であれば、自分のやっている狩猟、あるいは自分が目指す狩猟が最高だと思っている人もいると思います。
「おれの獲り方が1番おいしい」
「俺の獲り方が1番奥が深い」
「俺の獲り方が1番技術的に難しい」
「俺の獲り方こそが、本当の狩猟なのだ」
じつはこういうことを言う人のことが僕は嫌いじゃありません。自分のやっていることを誇り高く思っているのは、人間として素敵だし、ある程度突き詰めてきたからこそ言えることだろうと思います。ある意味、それくら言い切れるくらいの人の方が魅力的だったりするものです。
だってぼくも「単独忍び猟が1番おもしろいしやりがいがある」と思っていますもんね。
言うまでもなく、この文章には括弧書きで “(わたしにとって)” という言葉が隠れています。
「(わたしにとって)単独忍び猟が1番おもしろいしやりがいがある」
それを人に押しつけられるのはまっぴらごめん
たとえば「やっぱり犬を連れてこそ狩猟だよ。このおもしろさを知ったら他の狩猟なんてやれないよ」と言う人に会ったことがあります。
犬を飼ってないぼくは、別に嫌な思いなんてしませんでした。だって「その人にとっては」っていう当たり前の前提があるからです。ぼくが「わたしは犬なしで単独猟をやってるんですよ」と言うと、「それもおもしろいンだよな。でもいつか犬も飼ってみなよ。別のおもしろさが見えてくるからさ」とある程度認め合ったコミュニケーションがとれるわけです。
これが普通。
でも、真っ向から否定してくる人もいました。
「単独忍び猟? ばかじゃないの? 狩猟ってのは巻狩に始まり、巻狩に終わるんだよ。んなことやってないで、ちゃんと猟隊に入れてもらえ、ろくでもない猟師になるぞ」
と、冗談のようでマジで言われたことがあります(文章にフェイクは入れていますが、実際にはこれより口汚く言われました)。
その人にとって巻狩がおもしろく、奥深いことはいいんですが、押しつけないでくれ、と。
ネット上での妬みもある
YouTuberの “のんちゃん” さんもYouTubeで配信するにあたり、いろいろ誹謗中傷があったそうです。
狩女子の連載第30回配信しました!
狩猟✖️映像。
YouTubeってなんなの?
YouTubeってどうなの?
収益は?誹謗中傷は?…等よく聞かれる所をまとめました!
【狩女子】狩猟×映像。YouTubeって何? 誹謗中傷は? |BEST TiMES(ベストタイムズ) https://t.co/kTDEBgUDIJ @KKBEST_officialより
— のんちゃん狩チャンネル*猟師3年目 (@nonchaaan512) August 16, 2020
女性は余計に言われやすいのか、露出が桁違いに多いからか、ぼくよりはるかに多く言われてきたようですね。ぼくも——
「こんなに毎日ブログを更新して、あんた無職?」
とか
「誰でも本を出せるんだね」
みたいなコトを言われました。が、逆に言えばその程度。それが数回あったくらいです。
まぁこういうことを言ってくる人もきっとハンターだと思うんですよ。じゃなきゃ僕のブログなんか見ないでしょうから。嫉妬されるようなすごい栄光なんて頂いちゃいないですけどね。出版の話を頂けたのはとても光栄なことですが、本を出版したからといって毎日酒池肉林になるわけでもなく、昨日までと同じ毎日が続くだけです。
のんちゃんさんにしても、ほかの誹謗中傷に晒されている人たちにせよ、言ってくる人間の少なくとも一部はハンターです。
決して味方ばかりではない、という現実。
いつもそのことを肝に銘じています。
ネットでは特に
ネットの匿名性を否定する立場ではないですが、でも面と向かってなら言わないことを、匿名なら言えちゃうのも事実だと思っています。
そして狩猟というトピックは着火剤のようなもので、ケチをつけようと思えばいくらでもケチが付くんです。
「動物を殺すなんてひどい!」
という定番の非難はさすがにハンターからは出てこないでしょうけど、「もっと真摯な姿勢でやれよ」みたいな話はよく見かけます。あと、確信がなくても違反の可能性があれば、そこを突いて「これは違反じゃないですか?」みたいな突っ込みを受けることもあるでしょう。
参考:狩猟とSNS
だからネットで発信をしようと思うなら(そうじゃなくても、だけど)、徹底的な潔白を保つ必要があります。
もしネットで公開した写真に対して「これ、もしかしたら違反じゃない?」と警察に報告すれば、警察は動きます。まぁ、調べてもらえば違反じゃないことが判明するだけのことですが、それにしたって、1mmでも違反を疑われるのはいい気持ちじゃないですからね。
気をつけましょう。
もちろん、味方が多い
と書いてきましたが、実際は “味方寄り” の人が多いんです。
全力で非難してくる人なんて1%もいないでしょう。 だけど、たとえ0.1%の人からの非難だって、うければ気持ちがいいものではないですからね。
ハンターの敵はハンター。
そんな言葉をよく聞きます。実際そうなんだろうな、と頷いてしまう自分がいます。
ぼくはこうして不特定多数に対してブログを書いていますが、正直、楽しみたいだけなら、もっとクローズドな環境で情報交換した方が幸せじゃないかな、とか思います。ぼくも頻繁にやりとりする猟友がいますが、やっぱりそういう間柄の方がおもしろい情報交換ができますからね。
結論:ハンターは一枚岩じゃないよ。でも味方も多いから、嫌なヤツに会ったらさっさと逃げて、仲間を探しましょうね。
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