狩猟とSNS
少なくともこの記事をご覧になっている人は狩猟に興味があり、ネットもつかえる人です。その一部は何らかの形でSNSも使っているでしょう。
で、いざ狩猟を始めると、やっぱりSNSで発信したくなったりするわけです。獲物自慢、鉄砲自慢、大いに結構なんですが、本当に気をつけて欲しいことがたくさんあるので、正直に言えば「3年ROMってから投稿しな」と言いたいほど(わたしはいきなり投稿しているので、人のこと言えないんですが……)。
前にもこういう話を書いた気がしますが、改めて書いてみます。
狩猟系SNSは炎上の火だねだらけ
まず、狩猟系SNSは小さなきっかけで炎上します。
たとえば獲物の写真をアップ。何の違法性もないとしても「動物殺し」として、ちょっと影響力のある人にリツイートされたりすると、あれよあれよという間に大きな焚火になっていることが。
「おれは間違ってない!」
と折れない心を持った鋼鉄ハートな人はいいのですが、並の心臓の持ち主だと、確実に心を痛めます。
この手の炎上を避けたければ……
- 獲物の写真は載せない
- 載せるなら血・傷口は見せない。あるいは顔を見せないとか、その手の写真に不慣れな人に配慮する。
- 白黒にするなどの配慮もあり。
- ニコニコしたハンターと一緒に撮影すると燃えやすい
わたしは上記のような写真をアップすることに反対しているわけではありません。表現の自由ってヤツがあるので、やりたいようにやればいいです。ただ、炎上の可能性が上がる要因であるのは間違いないですので、やりならそれを理解してやりましょう。
知らず知らずのうちに犯罪の告白を……
炎上とまた違って、知らず知らずのうちに自分の犯罪を告白しているケースも多いです。
よくあるケースを挙げると——
獲物を獲った。車まで獲物を下ろした。そこで鉄砲を持って獲物と一緒にパシャリ。
——と思ったらそこが路上で「裸銃」、はいアウト
とか
ほらほら見てよ、このカモ!
——と思ったら、オカヨシガモでした。非狩猟鳥獣で、はいアウト。
とか
どうよ、おれの銃さばき、きれいだろ! 動画で見てくれよ!
——と思ったら、そこが猟をしちゃいけない場所で、はいアウト。
みたいなね。まぁ、よくあることよくあること。
細かいことを言えば、「トリガーに指が入っている」みたいなツッコミ待ちの写真も見かけますね。
そもそも、そういう違法行為をしなければいいのですが、中には微妙な場面もあるわけです。一見すると違法だけど、例外的に合法ということも少なくない。それをコメントに書いておけば大丈夫なんですが、書いていないがために、いらぬ詮索をされてしまう投稿をよく見ます。
やはりちょっと配慮したほうがいいと思いますね。
これはわたしも気をつけなくてはいけないと思っていて、不安なときは仲間内で確認し合ってから投稿することもありますね。まぁ、不安なら投稿しなけりゃいいんですが……。
承認欲求のために無理してない?
これは表に明確には出てこないことですし、自分の中にも見覚えのある感情なので書いておきますが、「SNSで見せたいがためにムリしてる」ことはないですか?
ほかのことなら、まあいいと思うんです。SNSで良いところを見せたいがためにいつもより高いごはんを食べにいったりしたって、誰かに怒られることではありません。ただ猟は気をつけた方がいい。
狩猟はほかのどんな行為よりも安全を最優先しなくちゃいけないわけです。SNSで良いところを見せるために「ちょっとムリして撃ってみる」というのは絶対にダメ。
——と上から目線で書いていますが、わたしにもそういう感情があるんです。少し前に某誌の同行取材があったんです。うしろからカメラマンがついてきている中でやるわけですが、そのとき獲物が出てきて、わたしは撃ったものの外しました。安全確認などは疎かにしていませんが、あとでひとりになったときに自問しました。
「もし取材がなかったら、撃ったかな?」
ちょっと遠く、立射しかできないシチュエーション。撃たない選択肢はありました。撃ったことが間違えているとは思っていないのですが、撃つ方向に背中を押すものがあったとしたら、それは承認欲求だったと思います。反省しました。
SNSで “いいね” をもらうために引き金を引くことがあってはいけないですよね。自戒も込めて強調しておきます。
獲物を載せなくても狩猟系SNSは楽しめる
なんか注意事項ばかりですが、それでも狩猟系SNSはとっても有意義でおもしろいものなんです。
炎上しなくて、みんなが楽しみやすい話題の投稿をしていくと、安心して楽しめると思います。たとえば——
- 自分が買ったものを見せて、ちょっとしたレビューをする(例:新しい狩猟ベスト買いました)
- 最近試したことを投稿する(例:弾を変えたら、これくらい当たったよ)
- かっこいいと思ったものや、参考になった情報をアップする
ようするに、獲物や野外での鉄砲の写真を避けると、一気にリスクが減るんです。
狩猟系SNSが盛り上がるのはわたし個人的にも嬉しいので、ぜひ楽しんでやりましょう。
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