雪囲いと積雪期用の山道具の準備
10月も後半になり、そろそろいつ雪が降り始めてもおかしくないだろうという季節になった。
雪の前と後ではいろんなことが違ってくる。生活も狩猟も。町も山も。
家の雪囲いをして、狩猟用の車載道具を雪モードに切り替えた。季節の変わり目は楽しい。
雪囲い
うちの家の前オーナーから「雪の前にちゃんと窓の雪囲いをやっておいた方がいいよ」と言われていた。
言われなければたぶん1mmたりとも気づかない仕事だったと思う。雪が窓の高さまで積もったり、隣家の屋根の雪が落ちてきたときに窓を守るためのものである。
まだ今日明日に降り始めるわけじゃないだろうが、こういうことは早め早めにやっておいた方がいい。というわけでさっそく済ませた。やればすぐに終わるのだけど、腰が重い仕事でもある。
こんな窓を……
囲っていく。
隙間だらけだけど、まぁ、こんなもんで良いらしい。
狩猟用車載道具の積雪対応
雪の季節への対応は家だけじゃない。
狩猟道具全般にも影響してくる。
分かりやすいものだとスキーや魔法瓶。スキーかスノーシューがないとまともに歩けないし、水なんて普通の水筒じゃ凍ってしまう。
でもそれだけじゃない(というかその辺りは実際に降り始めたら考えればいい)。
車載道具が少し変わってくる。
たとえば「雪でスタックしたときの脱出用の道具」が必要になる。たとえばこういうやつだ。
ほかにもスコップなんかも役立つ。手動ウィンチ(もちろんちゃんとしたウィンチならなおいい)などを積む人もいる。
どこまで何を用意するかは自分の行動範囲によるので一概に言えないが、雪国で狩猟をやる以上「何も用意していない」ってわけにはいかないだろうと思う。
今期、新しく開拓している猟場がある。そこは人里からずいぶん離れていて、携帯電話はもちろん圏外。歩いてまともに人が生活しているところまで行くと10kmはあるかもしれない。
たとえば日暮れ前に猟を終えて車に戻り、日中に降り積もった雪で脱出不能になったとする。あるいは帰り際に側道に落ちるかもしれない。日暮れの時間は16時過ぎ。あっという間に暗くなる。JAF? 電話が圏外。通る車もない。運が悪いことに吹雪いてくる。歩いて町に出るのもキツイ……。
こうなると車で待機することになる。夜間の気温は-10〜-20度になることもある。車のエンジンをかけっぱなしにすると、マフラーが雪に埋まったときに死んでしまう。窓を開けておくか、エンジンを切るしかない。
冗談抜きで車中で凍死できる環境だ。
というわけで、車には非常食と暖かい寝袋を常備しておくことにする。調理用ストーブも。状況が許せばメシを食って、湯を沸かして飲むこともできる。車載のファーストエイドキットにホッカイロも常備。
とまぁ、こんな感じで自分が必要だと思う雪対策をしていく。
言うまでもなく動けなくなるような事態にならないことが大前提だし、ぼくはビビりなので、雪道をギリギリまで攻める気はない。だけど、不運は重なるものだから……。
雪の準備は嫌いじゃない
雪囲いとか、洋服の衣替え、山の道具の変更など雪の季節に向けてやることがちょこちょことある。
面倒と言えば面倒なのだけど、ぼくはこの仕事が嫌いじゃない。気持ちが入れ替わるし、新しいことをやれる喜びもある。ようするに飽きない。何十年も住んでいれば「あーめんどくさい」という気持ちが強くなるのかもしれないけど、1年中同じような季節・気温の地域よりも、こうやって「さぁ! 雪の季節だぞ!」と慌てて雪対策をするような地域の方がおもしろいと思っている。
そしてこれは雪解けの季節にも言える。
雪囲いを外し、窓に日が入るようになる。
車に積んである雪系の装備を乾かして収納する。
タンスの洋服も春の装いに替わる。
そうやって感じる季節感はなかなか楽しいものなのだ。
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