ターハントRSG12をレビューしてみよう
ターハントRSGはボルトアクション式のハーフライフル散弾銃です。
高価な銃として知られており、12番・20番それぞれ市場に出回っています。木銃床も、シンセもありますので、好みに合わせて選べます。
あまり数が出回っていないせいか、ネットでの情報も少ないので、改めていろいろご紹介します。
ターハントって銃砲店でも見かけないけど……
そもそもターハントってどれくらい市場に出回っているのか? 「買おうったって売ってないよ」と言う声も聞こえます。
わたしの感覚からすると「欲しいときにすぐに見つかるわけではないけど、ちょっとアンテナを張っていればそんなに時間をかけずに見つけられる」という感じ。
というのも——これは想像ですが——、あくまで散弾銃なので、ライフルを所持したら不要になることが多いのでしょう。だから市場には出回るのです。
だからたとえば「最初の1挺にすぐほしい」というのは難しいですが、2挺目・3挺目として、ゆっくり探すなら見つかりますよ。
相場はいくら? 高いだけの価値はあるの?
中古価格はかなり幅があって、15〜30万って感じでしょうか。新銃だと米国価格で6000ドル前後。日本に輸入される過程で100万近くになると聞きます(20年近く前のカタログでは50万でした)。
他のボルト式と比較してみましょうか。
銃種 | 新銃 | 中古 |
A-Bolt | 20〜30万 | 10〜20万 |
サベージ | 17〜23万 | 10〜20万 |
MSS-20 | 25万前後 | 10〜20万 |
ターハント | 100万 | 15〜30万 |
※言うまでもありませんが、銃の値段は店と状態でかなり差が開きます。新銃でさえ店によって違います。上記値段はいまザーッとネットで検索してみた感覚です。
この価格帯を見ているとターハント、お買い得じゃないですか?
たとえばA-Boltは新銃だと20万前後ですが、中古でもやはり10万くらいはします。状態によっては15万以上になることも。MSS-20も同様です。運が良ければ同価格帯でターハントも選択肢に入ってきます。ただ、やはりターハントは20万を超えることが多いのに対して、他の銃は10万ちょいで買えることも多いので、やはり比較すると高いってことなんでしょう。ただ根気よく探せば、予算内で見つけられる可能性はありそうです。
そしてターハントの値引率の高さ!!笑
まぁ、それだけ値が落ちるということなんでしょうけどね。中古市場は拮抗しているのでしょう。
たとえばA-Boltを新銃で買う予算があるなら、ターハントを中古で買うことも可能です。そういう意味では少なくとも価格だけ見れば、手が届く人もいるはずです。安いとは言いませんが。
ターハントってどういう銃?
写真を見ていきましょう。
全貌。
マズルブレーキ
トリガー
安全装置
ボルト
弾倉
精度
高い銃の精度は高いのかという問題があります。結論を言えば、高いから精度が高いということはないと思います。もちろんハーフライフルをあれこれ自分で撃ち比べたわけではありませんので、経験からくるものではなく、人から見聞きした上での感覚です。
ただアメリカの銃砲誌『GUNS』『GUNS&AMMO』で高い精度を褒められているようなので、相性の良い弾を見つけて、撃つ人が撃てば高い精度が出るのかもしれません。ポテンシャルはありそうです。
ちなみにこれはわたしがターハントをゼロインしたときの的紙です。調整していって、最後の4発はそこそこまとまっていますね。とはいえ、他の銃と比べて格段にまとまっているということもありません。そこそこ、ですね。
で、こちらがその後、別の機会に撃ったもの。一発上に飛んでるのが悲しい。実際には50mならワンホールになります。なったこともありますが、そのときの的紙が見つからなくて……。
うまい人が撃てばもうちょいまとまる気がします。がんばらないと。
トリガー
レミントンM700系のトリガーがついています。すくなくとも外観は同じようなものですね。
重さの調整はもちろん、シアーエンゲージメント・オーバートラベルなどをネジで調整できますので、多くの散弾銃に比べて、調整幅が広いトリガーだと思います。
ちゃんと調整してあげれば、フィーリングもいいとわたしは思います。もちろんライフル競技で使われるようなハイエンドなトリガーとは比べものにならないとは思いますが……(試してないので分からない)。
安全装置
安全装置は(ただしく調整されたトリガーならば)叩いても振っても暴発しないことは確認済みです。
ちょっとぶつけたくらいで落ちることはありません。
ボルトの操作感
これがかなりいい。スコーンと入ります。さすがという感じ。
ただし、ボルトを上げるとき、2段階に力がかかります。だから最小限の力加減で上げようとすると、グイ……グイ……と2度上げるような感じになりますね。もたつくので、適度に力を入れてガッと上げちゃった方がスムーズ。
また、ボルト自体の分解も簡単で、特別な工具も不要です。まぁ、MSS-20なんかも特別な工具は不要ですが、固くて外しにくいんですよね。ターハントは「あれ、もう分解できちゃった」って感じでした。
分解しやすいということは、清掃もしやすいわけで、ありがたいことです。
全長が短いのもいい
銃身22インチと、MSS-20を使っていたわたしとしては短くてありがたいですね。
装填と脱砲
まず弾は薬室1発、弾倉2発の計3発入ります。その操作感ですが、装填はMSS-20に軍配が上がりますね。
MSS-20だと上から弾倉と薬室共に装填できるんです。脱着式弾倉を外さずに使えるという意味です。これができると、猟場では素早く装填できるのでありがたいんですよね。
ターハントはそれがうまくできません(いい方法知っている人がいたら教えて)。
というわけで、弾倉をとりだして装填しないといけないので、手間が大きいです。わたしはたぶん、咄嗟の獲物には弾倉を使わないと思います。獲物がいたら薬室に1発入れて撃つ。2発目を撃つなら、ボルトを引いて、1発入れて、また撃つ。
まぁ、わたしの場合はボルト式を使う時点で連射性能は求めていないので大きな問題ではないかな。
次に脱砲ですが、これはほかのボルト式と大差ないですかね。
排莢とか次弾の装填は良好
MSS-20では排莢に微妙に問題があり、ゆっくりボルトを引いたり、ボルトの引き方がちょっとでも足りないと、うまく排莢されずに次弾も装填されなくなったりします。
不良品と言うよりも「ややシビア」「クセがある」という言い方の方が適切な気がします。慣れればちゃんと排莢しますので誤解せぬよう。
で、ターハントはどうか? ばっちり排莢されます。とくに次弾が弾倉に入っているときの排莢はスムーズですね〜。ピョーンと飛んでいきます。これは気持ちがいい。
銃床よし
かっこいいですよね〜。ほんとかっこいい。うっとり。
ウッドストックだとオイルフィニッシュなので、お手入れが必要です。その点MSS-20のようなウレタンコーティングされている銃の方がお手入れが簡単(拭けばOK)ですね。一方オイルフィニッシュのストックだと、やっぱり定期的にオイルは塗ってあげないといけないでしょう。
オイルを塗ることで、耐水性が強くなるというか、木に水が浸みにくくなるので必ずやったほうがいいです。とくに中古のストックだと、前のオーナー次第で保管状況がなんとも言えないので、可能ならばオイルを少し抜いてあげて、また丁寧に数日かけてオイルを入れていくようなことはしてあげてもいい気がします。
ただ、前に銃砲店で言われたのは「ターハントを買うような人は、やっぱり好きで買っているので銃の状態もいいですよ」とのこと。まぁ、ケースバイケースでしょうけどね。
買いか?
買いですよ! 好きならね。
いつでもどこでも見つかる銃ではないのですので、もし欲しいならば銃砲店に「入ったら教えて」と伝えておいたり、鉄砲仲間に「見つけたら教えて」と頼んでおくといいですね。
ネットに出てくるとすぐに売れてしまうので、見つけたら即予約。少なくとも仮押さえして、見にいきましょう。
みんなが持っている銃ではないので、所有欲も満たす鉄砲になるはずです。
あと、せっかく手元にあるので「この部分はどうなの?」と気になる点がありましたら、聞いてください。どんどん追記していきます。
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