「狩猟を始めたいかも」と思ったら見てほしいFAQリスト

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いざ狩猟に興味を持っても、なかなか身の回りに経験者はいないし、ネットで検索しようにも検索キーワードもわからない人も多いのでは?

そんな人から良く聞かれる質問と答えをまとめてみることにしました。

できるだけ主観は入れず(とはいえ少しは入るのはご了承を)、一般論や、よく聞く答えをまとめていこうと思っています。また、詳細はネットで検索してください。あくまで基本的な回答のみ、ということで。

「これも知りたい!」という質問があったらTwitterまでお願いします。

Q. 狩猟を始めるための手続きは?

A. 罠猟なら「わな猟免許」、散弾銃を使った猟なら「第一種銃猟免許+猟銃の所持許可」、エアライフルを使った猟なら「第二種銃猟免許+猟銃の所持許可」。

それぞれの免許・許可については検索すればいくらでも情報があります。

また、実際に猟を始めるときは毎年「狩猟登録」ってのが必要ですが、それは狩猟免許をとる過程で学ぶので、今はあんまり気にしなくて良いです。

 

Q. わな猟と銃猟のどちらから始めるべき?

A. お好きな方で。どちらかが入門向きってことはないはず。

それぞれ違った難しさや苦労があります。「わな猟の方が銃を使わないから始めやすい」と思っている人もいますが、わな猟は猟場の縄張り問題、毎日の見回り、でかい獲物が掛かったときにどうするか、などといった悩みもあり、けっして銃に比べて簡単とは思いません。もちろん銃猟にも難しさがあるわけで、好きな方をやりましょう。

狩猟をやる以上、ある程度の苦労はあります。しかしそれらは “好きなら乗り越えられる苦労” です。だから好きな猟をやるのが大事。

 

Q. 猟友会には入るべき?

A. まぁ入った方が良いんじゃないかな。

入らないことも可能ですが、その場合はそれなりに情報収集能力と行動力が必要になります。

参考:「猟友会に入るべきか?」問題について考えてみる

 

Q. まず解体の方法を学んだ方がいい?

A. 不要。

狩猟をしながら学べばOK。もちろん事前に「解体ワークショップ」みたいなやつに参加することが悪いこととは思いません。学んでおけば、いざ始めたときに少し楽できるかもしれないです。でも、ほとんどの人は狩猟を通じて解体も学び経験していきます。

いまはネットでも情報が転がってます。わたしはYouTubeで国内外の解体動画を見まくりました。今でもうまくはありませんが、それでも自分で食えるだけの解体はやれています。

 

Q. なんか縄張り問題が面倒って聞いたけど……

A. そういう話はたまに聞きます。まぁうまくやろう。

少なくとも猟を始める前から悩む問題ではないです。始めてから悩めば良いことだし、必ず解決できます。要するにそういう人がいる山から離れればいい。それだけのことです。

あるいは地元銃砲店や地元ハンターと交流を深めておくといろいろ情報を得られます。

 

Q. 狩猟って金が掛かるんでしょ?

A. 参考サイトを見てお財布と相談。

参考:狩猟は金持ちの道楽か?
参考:狩猟にかかるお金はどれぐらい? 免許取得代や銃・装備品の値段は?

金銭感覚は人によるので、高い安いは自分で判断してください。

 

Q. いきなり単独猟はムリ?

A. ムリじゃない。だけど苦労も多い。

わたしは単独猟から始めました。多くの人に「いきなり単独猟はやめておけ」的なアドバイスを頂きました。天邪鬼なわたしは「徹底的に準備して、やってやる」と決意し、猟期前から山に通い詰め、銃砲店・SNS・書籍・雑誌で情報収集し、猟期に入ってからも何回も何回も山に通って経験を積みました。

1年目から獲物は獲れたし、楽しかったです。だけど「初年度から単独でOKよ」と気楽に答えるのも違う気がしています。ちゃんと準備をして、安全性など自制心を持って取り組めるなら可能。

でも銃の安全な取り扱いなどはみんな所持許可を取る過程で習っています。あそこで習うことを真面目にやっていればいいんです。過剰なくらいしっかりルールを守ればいいんです。事故っていうのは、自己判断で「まぁ、これは大丈夫だろう」とルールを軽んじたときに起こるわけです。

まぁ、単独猟から始める苦労話はわたしの書籍にも書いています。ぜひそちらもご覧くださいな。

 

Q. 最初の銃って何を選べばいいの?

A. 好きな銃を選びましょう。

好きな銃が基本。好きなら丁寧にメンテするし、特性を研究するし、練習にも身が入ります。

でも、もし猟を教えてくれる先輩がいるならその人の意見を聞くのもあり。また好きな銃なんて分からないという人は、獲りたい獲物とやりたい狩猟スタイルを明確にして銃砲店やSNSで相談しましょう。

最初は「なんでもできる銃が欲しい」というのが定番です。つまり「鳥もシカもイノシシも獲りたい」と。そうなると銃身を交換していろんな使い方ができる自動銃やレピーターあたりを勧める人が多いです。

でも実際はもっと難しいもんなんです。鳥がメインか、シカ・イノシシがメインか。巻狩なのか、忍び猟なのか、流し猟なのか。住んでいる地域によっても変わってきます。だから一概に「最初はこれを買え」とは言えないんです。

だからお世話になる先輩ハンターか、地元銃砲店に相談するのが吉。自分のスタイルを明確にした上で、SNSを活用して意見を求めるのもアリです。

 

Q. 最初の銃にボルトアクションはまずい?

A. まずくはないけど、知っておくべき懸念はあります。

ボルトはクレー射撃にめっぽう弱いです。猟友会の射撃会なんかはクレーがメインです。ボルト(とくにハーフライフル)では不向き。多くの人はクレーで使える上下二連・自動銃・レピーターあたりとボルトアクションを組み合わせて所持しています。

わたし個人的な考えとしては、1挺目はやはり上下・自動・レピーターなどクレーを撃ちやすい銃を所持し、2挺目以降にボルトをオススメします。北海道は別かな。いきなりボルトの人が多いと聞きます。本州とはいろいろ事情が違いますから。

 

Q. 12番と20番どっちがいいの?

A. どちらもでお好きな方で。

理屈上は12番の方が威力があります。が、わたしは本州で20番を使い、1頭も半矢にしていません。ちゃんと当たるところに当たれば倒れます。とはいえ巻狩で犬が絡んだ獲物を短距離で急いで撃つときなど、「多少急所を外れても倒れて欲しい」という考えで「絶対12番」という人もいますね。

20番は反動が少ないので、かなり撃ちやすいです。一方、もし自分で弾を作りたいなら12番の方がいろいろ情報も多いかな。

北海道ではヒグマもいるので、12番を勧められました。

 

ほかにも聞きたいことありますか?

せっかくなので、質問があれば答えます。

もし質問がありましたら、twitter@yamakuji_jpまでメッセージをお願いします。この記事に掲載する形でお答えします。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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