北海道に来て、ハットをやめようと思った理由
本州では猟ではずっとハットを使っていました。釣りでも同じです。
しかし北海道で山を歩いてみて、こちらではキャップか、あるいはタオルか手ぬぐいでも巻くのがいいかも、と思うようになりました。
別に結論めいたことを言う気はないんですが、気づいたことと、思ったことを記録しておきます。
なぜハットだったか?
前にこんな記事を書いたことがあります。
ハットが好きな理由は大きく2つあります。1つは雨に対してカサの役割りをしてくれること。雨具的なものを着ていても、首筋から雨が入ります。フードを被ると雨は入りませんが、耳回りでガサガサと音がして猟になりません。その点、ハットを被っていれば雨が首から入るのを防いでくれます。
もう1つの理由は陽射し対策。360度つばがあるので、キャップに比べて幾分マシですね。
これに加えて、今日、ポイントになるメリットがもう1つあります。それは集音機能。ハットを被っているとき、上を向いてみると、ツバのおかげで後ろの音が少し弱まり、前からの音が聞こえやすくなります。だから、猟の途中に僅かな音が聞こえたときに、ちょっと上を向いて前方の音を確かめたりします。
「たかがツバでそんなに変わる?」と思うかもしれませんが、変わります。
集音機能は防音機能でもある
じつは最後に書いた「集音機能」って、裏を返せば防音機能なんですね。だって、「上を向くことで、後ろの音を遮っている」わけですからね。
まぁ、集音とか防音とか、小難しいことを書いてますが、要するにハットって回りから聞こえる音を多少変えているということです。少なくともわたしはそう思っています。
それが強みでもあるんですが、ヒグマが多いエリアを歩くときはちょっと嫌だなと思ってしまいました。
たとえば斜面を歩いているとき、上からの音が聞こえにくくなります。
はっきり言ってヒグマは怖いです。出てきたら剣ナタじゃ戦えないし、仮に一矢報いたとしても、無事では済まない。出会ったら負けだと思っています。仮に猟で狙うとしても、「出会う」ではなく「見つける」でなくてはならないだろうと思いますしね。
そこで、相手に気づかれる前に——あるいは少なくとも接近しすぎる前に——気づくための有力な手段が音だと思ってます。
360度の音を常にバランス良く聞くためにはキャップの方がちょっといい。さらに言えばニット帽やタオルを巻くような形だとなお良い。
そういえば久保俊治氏も
プロフェッショナル仕事の流儀や著書『熊撃ち』で有名な久保俊治氏もキャップを被っているのを見たことがありません。タオルや手ぬぐい、あるいはニット帽のようなものだけです。
さらにGoogleで久保俊治氏の名前で画像検索すると、ニット帽にせよ、タオルを巻くにせよ、必ず耳を出しています。ニット帽なんかは自然に被ると耳が隠れると思うので、意識的に出しているのだと予想しています。
別に結論はありません
ある日の猟の帰り道にこんなことを考えてました。
こういうことを考えるのが好きなんです。細かい道具1つ1つをあーでもないこーでもないとこねくり回してみたり、理想を追求してみたり。
というわけで、わたしはちょっとキャップを使ってみたいなと思って、使いやすいキャップを探しているところです。このハンティングベストに合う帽子がほしくてね〜。
ニット帽もありだと思っています。たとえば雨の心配がない日はニット帽、その心配がある日はキャップ……といった使い分けができるかな。雨や雪がちらつくときはキャップの方がスコープを覗きやすいかも、という仮説を持っています。一方で、普段はツバがない方が覗きやすい。
まぁあれこれ模索中です。
チャオ
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