イノシシ用の解体ナイフは鹿とは違うタイプのものが欲しくなった
先日、イノシシを獲りまして、人生2度目のイノシシの解体となりました。「鹿と同じようなもんだろう」と考えたら大間違いで、イノシシって勝手が違うんですよ。
※注意:仕留めた獲物の写真がありますので、気分を害する人はページを閉じるようお願いします。
分厚い脂の壁
イノシシの分厚い脂に慣れないもんで苦労しました。こればかりは不慣れだと言わざるを得ません。
また、皮の堅さも鹿とは全然違います。皮剥をする前に、まずお腹をスーッと開けるわけですが、もうそれが鹿と違う。わたしのナイフの鋭さはいろいろ考えて、「超シャープ」というより、やや刃持ち優先にしているつもりです。鹿の解体はこれで問題なく、最後までスムーズにやれます。しかし、そのせいなのか、そもそも今回の研ぎが甘すぎたのか、腹空けひとつで苦労する有り様です。
使用ナイフ
今回使用したのは、いつも通り剣ナタを1本と小型の解体ナイフです。
こちらが剣ナタ。6寸サイズです。
で、こちらが奈良定守氏のセミスキナー。鹿の大バラシはこれ1本でいけます。刃長8cm程度の小さなナイフです。愛用しています。
イノシシ解体にこれらのナイフを使っていて思ったことを書いてみたいと思います。あくまで感じたことです。経験を積まないと結論は出せないので、備忘録的なものだとご理解ください。
1.刃長8cmは短いかな
イノシシは脂肪が分厚く、脂肪の下を切りたいような場面で苦労しました。
このナイフだとハンドルまで押し込んで切る形になるので、刃先が見えなくなるんです。刃長が長ければ視界を確保しながら解体しやすい気がしました。
2.もうちょい鋭く
これはわたしの私感と言いますか、個人的な感覚で申し訳ないんですが、もうちょっとシャープにしておきたかったな〜、と。
3.のこぎり持ってくればよかった
わたしが下手なだけかもしれませんが、ナイフで胸骨を割ることができませんでした。比較的大きな雄イノシシでしたので、そのせいかもしれません。
小さなのこぎりを持っているので、次回から持って行こうかな。
4.シャープナー持ってくればよかった
脂がスゴイからだと思うのですが、刃が鈍ります。鈍ると力が入るし、グリグリ切ることになるので、断面が汚くなります。
解体施設ならば沸騰したお湯で脂を流しながら解体するのかもしれませんが、現地でバラすので、シャープナーでサッと研ぎたかったです。
ビクトリノックスのシャープナーを持っているので、これを持って行けばいい話なんですが、鹿ではあまり必要に感じず、荷物を減らそうと除外したアイテムの1つでした。今後は持って行きます。
で、買うなら何か?
わたし、北海道移住を目論んでおりまして、まだ不確定要素があるものの、前向きに準備中です。北海道に行くとイノシシもいませんし、狩猟のスタイルも大きく変わると思うので、「イノシシ用のナイフ」とか「本州の猟で使う道具」は買わないと決めています。
とはいえ「もし買うなら、この辺りかな」と思うものがいくつかありますので、挙げてみます。エゾシカでも使えるんじゃないか? とか思ったりしますので、そのへんも今後リサーチですね。使えるなら買ってしまうかもしれません。
まず骨スキと皮剥の2本持ちがいいと感じました。鹿の皮剥ってイノシシに比べると簡単な印象です。高いレベルでやるのは難しいのでしょうけれど、ひとまず剥ぐだけなら、引っ張って、境目にサッとナイフを当てれば勝手に剥がれていきます。
一方でイノシシは脂肪の関係でそんな簡単じゃないんですよね〜。できたら皮剥用のナイフがあった方がキレイにできる気がします。上手な人は本当にキレイに剥ぎますので、研究したいところです。
まずは皮剥ナイフ
北正は刃渡り170mmということで、使いやすそうですが、単独忍び猟で携行するにはやや大きい気がするのですが、どうでしょうね。
ゾーリンゲンは155mmということで、わずかにコンパクト。これもいいですね〜。
もう少し小さいのないかな〜と見つけたのが、最後の白紙鋼の皮剥ナイフ。こちらは100mmとコンパクト。現地バラしの私はこれくらいのサイズに魅力を感じますが、どうなんでしょうね。
コンパクトならいいかと言えば、実際の解体の現場では使いやすいとも限らないですからね……。悩ましいところです。
骨スキナイフ
骨スキもいろいろありますね。パッとAmazonで見つけられるものを挙げると、こんなのが目につきました。骨スキに関してはあんまりコンパクト路線にいかず、150mmくらいが使いやすそうな印象です。
藤次郎のこちらは全体が全体が金属で衛生的にも魅力的ですね。
同じ藤次郎のこちらはグッと安くなっています。3000円台で買えるので、とりあえず買うならこのあたりがいいかな〜。「とりあえず」と言いながら、長く使えそうな予感のする刃物です。

こんなセットも

こちらはトヨクニ製の狩猟解体に特化したセットになっています。
四代目、晶之がプロの狩猟家より依頼を受けて作り上げた、プロ狩猟家推薦の逸品「晶之狩猟包丁」である。有害駆除狩猟家、狩猟ハンターより好評頂いております。
【送料無料】【晶之作】狩猟解体包丁 スキナナイフ・骨スキ丸セット[狩猟:晶之作 スキナナイフシリーズ]
お値段は2本で1.7万円。悪くないと思いますよ。カスタムナイフとか、1本買うだけで3万〜ですから。また、先ほど紹介したAmazonで買える皮剥・骨スキナイフも、2本買えば1万円を超えますので、それなら最初からセットを買うという選択肢もあると思います。
ケースがない……
ただですね〜。こういう皮剥・骨スキナイフってケースがないんですよ。携帯が前提に作られていないんでしょうね。
自作するか、既製品を買うか、考える必要はありますね。
解体はそれ自体が奥深い
狩猟をやれば解体は避けられないプロセスです。
「解体をやりたいから狩猟をやっている」なんて人はあまりいない気がしますが、これはこれで突き詰めると深い世界ですよね〜。上手な人は本当に上手で、わたしのように単独でやっていると、教わる機会が少なくて、未熟さを痛感するばかりです。
慣れた人に解体だけ教わりに行きたいくらいですよ。
いまはYouTubeを見れば解体動画がいろいろありますが、やっぱり生で見るのとは違いますからね。。
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