絶えることのない妄想——MSS-20につけてみたいGRSというストックのこと

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鉄砲について勉強したり、いろんな人のお話を聞いていると「もしかして○○を導入すれば、精度が上がるかな?」「かっこいいかな?」「楽しいかな?」と妄想が広がるアイテムってあるんですよね〜。

今日はそういう妄想の1つ、GRSというライフルストックについてお勉強してみます。散弾銃であるMSS-20でも使うことができるようですので、まだライフル所持できない人も使えますよ。

GRSというストックの基礎知識

GRS

ご覧の通り、GRSってのはいわゆるストックです。伝統的なライフルの形状とはちょっと違うのですが、その “ちょっと違う” の1つひとつが、このストックの特徴であり、強みのようですね。

GRSは元々ノルウェーの家具メーカーでした。家族経営の小さな会社で、設立は1983年。とても評価されていましたが、2010年頃、ノルウェーの家具市場が崩壊し、やっていけなくなったようです。息子は軍でスナイパーを10年もやっていました。その経験と家具作りの技術をかけ合わせて、ライフルストックを開発したというわけです。

ライフルストックメーカーとしてはとても新しい会社です。

今では世界中に販売されており、高い評価を受けているようです。GRSライフルストックの特徴を見てみましょう。

GRSの特徴

GRSライフルストックの特徴はこちらの公式動画を見るのが分かりやすいです(英語)。

一応、自分なりに「い〜ね〜」と思った点を挙げていきます。

1.調整可能なチーク高と銃床の長さ

GRSはボタンひとつでチークの高さと銃床の長さを変えることができます。

伝統的なライフルストックだと、木を削ることで使用者に合わせていくわけですが、実際のところ、服装が替わるだけでも理想的な銃床の長さは変わってしまうわけです。

また、一般的に立射では短く、伏せ撃ちでは長くなりますね。

そう言った調整をワンタッチでできるので、姿勢を変えるときにスッと、伸ばしたり縮めたりできるのは大きな強みになります。

2.調整部品がワンタッチで取り外せる

銃床長やチーク高を調整する機構がとてもシンプルなのも魅力的です。

この機構はボタンひとつで完全に取り外すことができます。これは結構重要なことです。狩猟がメインのわたしにとっては、猟のあとで完全に清掃できるのは精神衛生上も、道具の寿命を考えても重要なことです。

こちらの動画(6:50〜)で、実際に取り外す映像があります。

3.先台の形状がいい

動画で見ても分かりづらいかもしれませんが、先台が “下太り” 的な形状になっており、自然と左手にフィットするようです。

こちらの動画で一応語ってくれていますが、見た目では分かりづらいかな? まん丸ではなく、下部が平ら気味で、下に行くほど太くなっているようですね。

こういった形の先台は今村義逸氏の『続・猟銃』でも良しとされていますね。もちろん最終的には射手の好みだとも書いてあります。

下記の本はオリジナルの『猟銃』で、これに加筆修正を加えたものが『続・猟銃』なのですが、Amazonでは見つけることができませんでした。

4.かっこいい

これは主観的なお話ですが、かっこよくないですか? とくにオイルフィニッシュな感じが好きですね。

でも、それ、競技用なんでしょ?

じつは、わたしが銃砲店でMSS-20を買ったとき、ディスプレイにはGRSを装備したMSS-20も展示されていました。

見た瞬間「これ、競技用でしょ? おれは狩猟メインだから」とGRSにまったく興味も湧きませんでした。今思えばもったいなかったかもしれません……。

つい最近まで「競技用でしょ?」という気持ちはありましたね。

でも、実際にGRSのサイトを見てみると……

普通にモデル名にGRS HUNTERと書いてあるじゃないですか。そう。GRSとしては、決して競技用に限定して開発しているわけではないんです。

「で、本当に狩猟で使っている人いるのかよ?」

と思って調べてみたら、開発者が山での忍び猟で使っている映像がありました(猟が始まるのは4:30くらいからです)。

この映像で行われている猟のスタイルなんかは、わたしがやる忍び猟に近いと感じました。山の斜面をトラバースしつつ、獲物を探し、見つけたら丁寧に狙って撃つ。そういう猟でGRSを使っている映像は個人的に魅力でしたね。

「ああ、このストックで猟をやっても良いのかー!」

と開眼したようです。

コスパもいいと思うけど

お値段はどうか? 確かに安いものではありません。日本で取り扱っているのはガンショップ栄興さんと三進小銃器製作所さん。どちらで見ても10万円ちょっと。

高いととるか安いととるか、意見が分かれるところかもしれません。しかし、ずっと使っていくつもりなら満足度が高いアイテムだと思います。

なにより嬉しいのはミロクのMSS-20でも使えるという点。こういうのってライフル用がほとんどで、スラッグ銃用に用意されているとは限らないんですよね。GRSにしてもMSS-20に対応したというより、X-Bolt当たりとマッチして、たまたま使えたんじゃないか、と想像しています。どうなんでしょう?

GRS|三進小銃器製作所

みなさん悩まれるだろうと思うのは「スラッグでこの投資をするか?」って点ですね。

ライフルなら「一生もの」という気持ちも強いのですが、ライフル所持のためには10年の経験が必要です。わたしもあと9年あります。

追記→ 実際はライフルの方が重心のライフリングがあることで寿命がシビアなようです。一方散弾銃は一生物に近いとのこと。

スラッグ銃は「ライフルまでのつなぎ」という気持ちがどこかにあって、いまいち投資の踏ん切りがつかないという考えもあると思います。

でも、少なくとも本州ではライフル不要という意見もありますし、不要とまでは言わないまでも「スラッグでいいんだよ」という人にお会いすることも多いです。

10年経って、ライフルを所持してもスラッグを使うかもしれません。どうかな〜。

そう思うと、ここで投資をして、大好きなMSS-20をより個性的な銃にしていくというのはありだと思うんですよね〜。

まぁ、すぐにってわけじゃないですが、しばらく妄想したいと思っています。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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