猟期前の下見で何を下見しておけば良かったのか?

最終更新日

下記の記事から続く形で「下見について」考えてみたいと思います。

参考:シカがいる場所を理解し、山の地形を知り尽くすことが1番重要かも

例の如く、書きながら考えています。ツッコミどころ、不備/不足があると思いますので、ぜひみなさんの考えも聞かせてください。

実際にわたしが下見で見てきたもの

わたしは猟期前に暇さえあれば山に通って下見をしてきました。そのときわたしが下見で確認してきたものは明確です。1番重要視していたのは

「その場所で猟をしても大丈夫かどうか?」

ということ。なにしろ初めての猟です。間違っても誤射をしたり、建物に弾を撃ち込んでしまったり、誰かから通報されたりしたくない。とにかく獲物が獲れる/獲れないなんかよりも、安全に気持ちよく猟をしたいという気持ちの方が圧倒的に強かったです。

そしてそれで良かったと思っています。

おかげで人が入らないエリアを見つけて、安全に、集中して猟に取り組むことができました。なにより重要なことです。

 

次の禁猟期で下見したいこと

さて、そうやって安全に猟ができる場所を何カ所か見つけることができました。実際に猟をしましたし、獲物も獲れました。シカの多い猟場、少ない猟場も少しずつ分かってきました。

もちろん、こういう猟場の候補地を増やしていく必要はあるので、これまでのように「新しい猟場」を探す下見も続けます。そのときはやっぱり「安全にやれるか?」が最も重要なキーワードになりますね。

しかし、せっかく猟を体験したわけです。その1歩先に行きたい。

つまり「次の猟期で獲物を獲るための下見」をしたいのです。何を見ておくことが重要か、考えてみたいと思います。

 

1.けもの道をよく理解する

やっぱりこれは重要ですね。

こちらの(参考:シカがいる場所を理解し、山の地形を知り尽くすことが1番重要かも)記事でも書きましたが、高速道路レベルのけもの道もあれば、一般道、裏道レベルのけもの道もあります。シカがそこを歩くのには理由があるわけで、どこかに向かっているはず。

「けもの道を理解する」というのは「あ、ここにけもの道がある」ってだけじゃ不足で「その道を通ってどこに行くのか?」まで理解したいところ。

 

2.地形を理解する

実際に山を歩いてみれば、地形図なんて所詮 “参考程度” にしかならないことが分かります。

たとえば「南向きの杉林の斜面」は冬のシカが集まりやすいと思いますが、地形図でそれを見つけても、実際に行って見たら「杉が超濃くて陽が入らず、足場が倒木と岩だらけで、とても快適に過ごせない」なんてこともありますね。

また地形図には存在しない崖なんていくらでもあります。

とにかく地形を理解して、シカがどこを通るのか? どこでくつろぎそうか? どこがえさ場か? など理解したいところです。まぁ、下見をするのは冬ではないので、“冬のシカ” の観察はできません。でも少なくとも仮説は立てておきたいですね。

また、地形を理解するのは自分のためでもあります。

どこから入山して、どういうルートで歩くのがいいか? どこに沢があるか?(緊急時に飲み水を確保できる) 山奥で獲物を獲ったときの脱出ルートはどうか? など把握しておきたいですね。

単独猟では山奥まではいることが多いので、こういう理解はとっても重要です。

 

3.他のハンターの痕跡

完全に把握するのは難しいにしても、猟期前からわたしはほかの猟師の痕跡を探していました。猟期外だとせいぜい空薬莢くらいしか分かりませんでしたけどね。

空薬莢をたくさん見つけちゃうような場所は避けるようにしています。少なくとも休日は行きません。他のハンターと鉢合わせるのは嫌なので。

でも空薬莢はそういう「行きたくない」という情報ばかりではなく、もう1つ重要な情報を与えてくれます。それは——

「そこで誰かが獲物を見て撃った」

という情報です。巻狩かもしれないし、単独かもしれませんが、確実にそこを獲物が通ったことが分かります。もちろん薬莢の種類は見ておきましょうね。鳥撃ちかもしれないので。

そこからいろいろ仮説を立てることができますね。そのあたりに有力なけもの道があるかもしれません。近くにえさ場・寝屋があるのかもしれません。

 

——ついでに言いますが、わたしはこうやって見つけた空薬莢は全部回収します。他の人に見せない意図もありますが、なによりゴミなんでね。山にゴミを残すのは良くない……。

 

4.植生を理解する

どこにどういう植物が生えているかは知っておきたいですね。

広葉樹林、針葉樹林は当然のこと、下草なんかもよく見ておきたいです。

 

下見は楽しい

みなさん下見ってどう捉えているんでしょうね。

わたしは楽しくて仕方がないです。猟をしていても、もちろん獲物を獲ることは最高に嬉しい瞬間ではありますが、獲れなくてもシカやイノシシに遭遇しただけでも嬉しいものです。

下見をして、野生動物を見つけて、研究するのってとっても楽しい遊びだと思っています。下見とは言っていますが、それ自体が楽しい遊びなんじゃないかな?

わたしは次の猟期までに、今より植物について勉強したいと思っているので、ここに挙げたような「猟のための下見」と平行して、植物図鑑を使って、いろんな植物について勉強したいとも思っています。

楽しく下見をして、次の猟期も獲物に恵まれたいものです。

 


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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