単独でのシカ撃ちとシシ撃ちのアプローチの違いについて考える

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「ひとりでイノシシを獲るのは難しい」と言われます。

自分なりに挑戦してみて、その難しさを実感するのは確かですが、少しずつとはいえ遭遇率も増えてきました。

ここでひとつ、自分のアプローチをまとめてみたいと思います。まぁ、遭遇率が増えたといっても、1日歩いて1〜2度程度。まだ決定的な方法は見つかっていませんけどね。

わたしのシカ撃ちのアプローチ

始めに言っておきますが、狩猟のアプローチって地域性、山ごとの違い、ハンターのスタイルの違いなど、いろんなバリエーションがあります。

それにわたしはまだハンター1年生で、数あるバリエーションの1つ2つがやっと見えてきたという感じ。だから、これから書く内容がすべてじゃないし、優れたアプローチであるわけでもないです。ご了承を。

 

さて、シカを獲るとき、わたしの定番のアプローチはシンプルです。

狙いは南東向きの斜面(日の当たる斜面)。やや陽が入る密度の杉林。

アプローチとしてはそういう斜面のできるだけ上の方をトラバースします。その斜面を降りたり、登ったりはしません。静かに静かにトラバースして、意識の8割は下方に向けています。

シカはこういう斜面で寝ていたり、くつろいでいることが多いので、そういうシカを見つけて、撃つわけです。こういう斜面なら、どこにでもいるかって言われると、そんな簡単でもなくて、いる斜面といない斜面がある。いる斜面を見つけるのが1番大事だと感じています。

 

わたしの考えとしては、やっぱりシカは上よりも下を見やすい動物だと思うんです。どうなんでしょうね? 人間だって力を抜いて立っているとき、上を向く人はいないと思います。視線は必ず斜め下。シカも似た傾向があるんじゃないかと思うので、見られにくい上からのアプローチを優先します。

また発砲するときも撃ち下ろしの方がバックストップが確保しやすいですね。これまで下からアプローチして、バックストップがない、あるいは際どいという場面に陥ったことが何度もありますので、極力撃ち降ろす形でのアプローチを心掛けています。まぁ、例外はいくらでもありますけど。

 

つまり、ざっくりまとめると——見晴らしのいい杉林の上の方を歩き、下の方で休んでいるシカを撃つってわけです。

 

シシ撃ちのアプローチ

さて、今度はシシ撃ちのアプローチを考えていきます。少しは獲れるようになってきたシカと違い、イノシシを獲るためのアプローチはまだ分からず、模索しています。

 

猪を狩るための一般論

まず一般論的なことから考えていきましょう。

 

<日中過ごす場所>

イノシシは笹などの藪の中に隠れて寝ていることが多いようです。開けた杉林で寝るシカとは違いますね。

 

<イノシシが人間を見たときの反応>

自分が見られていないと判断したときは、ジッと動かず耐える傾向があるようです。よく聞く笑い話(?)として、「ハンターが昼食を終えて、いざ出発……と立ち上がったら、真後ろにいたイノシシがダッシュで逃げていった」なんて話も聞きます。

つまり数メートル後ろでジーッと耐えて、人間が背を向けた隙に逃げるというわけです。

これもシカとは違いますね。シカも見られていないときはジッと耐える傾向がありますが、ここまで我慢しないことが多いとわたしは感じます。ましてや数メートルまで近寄らせてくれるシカはそうそういません。もっと早い段階で逃げてしまいます。

シカはこうして逃げるからこそ、遭遇は難しくないと言えるのだと思います。撃てるか撃てないかは別としても、「逃げていくお尻は見えた!」という場面は山ほどあるもの。

 

また、イノシシも人間に見られたと思ったときはダッシュで逃げます。このときの逃げ足はシカより速い印象です。シカは少し距離を置いたと思ったら立ち止まってこちらを見ることも多いですが、イノシシはそれをしませんね。とにかく自分が安全だと思う場所まで迷わず、振り返らず、死にものぐるいで走り続ける印象です。

余談ですが、イノシシが矢に強い(撃たれても死なない or 遠くまで逃げる)と言われるのも、これが理由の1つかもしれないと思っています。シカは撃たれて逃げるときも、身を隠せるところまで来たら、休んでしまいます。休めば出血量が増えて、アドレナリンが収まって、弱っていきます。一方イノシシは休むことなく、身体が機能する限り遠くまで猛ダッシュします。だから同じダメージを受けてもシカより逃げる距離が長いのでは? まぁ、これは想像です。

 

わたしなりのイノシシ狩りのアプローチ(仮説)

わたしが猪を狩るために最初に考えたのは作戦は「藪を襲おう!」でした。

で、わたしがよく行く猟場にある藪を見て回ったところ、なんといとも簡単にイノシシを発見。いや、正確に言うと、声は聞こえました。

その笹藪はとっても密度が濃く、とても人間が入っていける感じではありません。もちろんかき分けて入れば入れますが、1m先も見えないような状態です。下から猪に襲われればひとたまりもなく、鉄砲なんて役にも立ちません。

試しに、勇気を振り絞って笹藪にちょっとだけ入ってみたところ、イノシシがブヒっと鳴いて、奥へ逃げていきました。奥に回ってみると、出ていった様子はなく、そちらから笹藪にちょっかいを出すと、やっぱりシシが逃げていく。結局いたちごっこですね。まったく発砲に至りません。

ためしに木の棒を投げて様子を見ましたが、なかなか……。

 

わたしはこういう濃い藪を「イノシシの一等地」と名付けました。

つまりイノシシにとって、絶好の隠れ家なんですね。犬がいれば、こういうところに犬を入れることで引きずり出すこともできるかもしれませんが、犬なしの猟では難しいかと思います。

 

そこで作戦2は「格下の寝屋を狙う」という方法です。

すべてのイノシシがこういう一等地に身を隠せるわけではないはずです。そこに入れず、あぶれたイノシシや良い隠れ家を見つけられなかったイノシシは、もう少し藪の薄い格下の寝屋を使う事になるでしょう。

わたしが実際にイノシシを見た場所の例を挙げてみますネ。

  • 膝丈くらいの下草が生えている斜面: こういう場所は下から見るとイノシシは完全に隠れているが、上から見ると丸見え。同じ高さから見るとわずかにシシの背中が見えるような感じ。
  • 倒木の根の影: 根ごと倒れた木は、根が壁のようになり、絶好の隠れ家。しかし、当然1面の壁なので、ある方向からは完璧な壁でも、逆からは丸見え。
  • 丸太と丸太の間: 伐採された丸太がコロコロと転がっているような斜面で、丸太に寄りかかるように隠れてた。これも上からは見える。

こういったシチュエーションはどれも「ある方向からは隠れられているが、別の方向から見ると丸見え」という状況。特に下草が多い場所は狙い目で、その場所を上から丹念に探すと、伏せる形で小さくなって寝ている(あるいはこちらを警戒している)イノシシがいたりします。

もちろん断言できるほど沢山のイノシシを見つけられていませんが、少なくともそういうシチュエーションで見つけたことはあります。

 

イノシシ狙いのときの歩き方

「格下の寝屋を狙う」というアプローチのため、イノシシ狙いで歩くときは、下草などのちょっとした隠れ家が多そうな場所を上から覗けるルートで歩くようにしています。

開けた杉林を歩くシカ狙いの歩き方とは違いますね。

 

端的に言って、シカ狙いの時は「歩きやすい場所を歩く」というスタイルでした。

参考:単独忍び猟とは険しい道も果敢に歩くことだと思っていたけど……

 

しかしイノシシを狙うときはもうちょっと “歩きにくい場所” も歩くようにしています。下草が少なくて歩きやすい場所はイノシシの隠れ家にはなりえないんですよね。もちろん、そういう隠れ家になり得る場所が見える場所なら、歩きやすいに越したことはないのですが……。

 

イノシシの探し方

また、イノシシの探し方(目視の仕方)も少し違います。

シカに比べて、ずっと見えづらい場所に隠れている傾向があります。また、ヤバいと思ったら小さくなって耐えていますので、いわゆる分かりやすいイノシシのシルエットを見つけられることは多くありません。

だからわたしは今のところ肉眼に頼らず、積極的に双眼鏡を使うようにしています。たとえばちょっとした藪の影にシシがいて、肉眼ではまったく見えなかったことがありました。そのとき、なんとなくその藪影が気になって双眼鏡で覗いたところ、ばっちりこちらを睨み付けるイノシシがいたなんて事もありました。

シカ探しに比べて、長い時間をかけて探しています。

 

来期も模索模索

今期の前半は「シカ狩り」をがんばりました。最初の頃は「とにかくシカを見ること」を目標に歩いていましたね。撃てなくてもいい、出会いたい! っていう気持ちでした。

そのうち段々と遭遇率が上がり、結果として1頭2頭と獲れるようにもなりました。

 

で、今度はイノシシです。

最初はまったく出会えなかったイノシシですが、意識して探すようになって、少しは出会いが増えてきました。まだ「獲れるようになる」という段階には至っていませんが、こうした模索を続けていれば、そのうち捕獲率も上がるかな、って。

 

わたしなりの目標は「シカもイノシシも狙って獲れるハンター」です。

その道のりは長いですね。

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