「シカって逃げないときは逃げないもんだ」ってことを知ってると獲りやすくなる気がする

最終更新日

「シカを獲るのは控えよう」と思うようになってから、鹿を見かけると動画を撮って遊んでいます。

iPhoneで撮影しているので、ちょっとでも遠いと、獲った自分でもシカが見つからないほどの豆粒のようになってしまうのですが、1つけっこうちゃんと撮れたものがあるので、それをご紹介しつつ、逃げないシカについて考えてみたいと思います。

動画をどうぞ

完全版の動画はこちらです。

最後の20秒程度に短縮したのはこちらでツイートしています。

オスジカ2頭がこちらを見て警戒しています。動画は1分程度のものですが、実際は5分以上このシカとにらみ合っていました。この日はオスジカは撃たないつもりで出猟していましたので、撃つ気はありませんでしたが、こうも大チャンスだと獲りたくなっちゃいます。なんどか銃を構えては「やっぱやめよう」と悩みました。

 

逃げないときは逃げない

完全版の動画を見てもらえば分かりますが、わたし、手を振ってみたり、わざと斜面を登って全身を見せてみたりしています。

それでも逃げません。

こういうことって珍しくはないンです。いつも起こることじゃないですが、ときどきあります。

「シカは逃げないときは逃げない」ってのはわたしの中の大きな教訓でして、無理して当たるか分からない状況で撃たなくても、こういう瞬間を求めてじっくり歩いていれば、(ときどきは)チャンスに恵まれるもんです。

 

こういう鹿に出会うためにしていること

こういうシカにさえ出会えれば、獲れるチャンスは増えますね。

わたしなりにこういう鹿に出会うためにやっていることをあげてみます。当たり前のことばかりですが……。

1.「急」がつく動作はしない

「急」がつく動きをしないこと。極端な話。こちらが動かなければ、むこうも動かないことが多いです。

ゆっくり歩き、キョロキョロと頭を動かさず、手をフラフラと動かさない。腰より上は固定して、足だけノソーッと動かしながら歩いていると成功しやすいです。

 

2.先に見つける

やっぱり先に見つけることは重要ですね。

この動画の時も、こちらが先に気付いています。シカはあの場所で餌を食べていました。

 

3.遠くから見つける

シカがいそうな場所にあまり近づきすぎると、どうしても音でバレてしまうので、「この杉林にいそうだな」と思ったら、そこに入らず、できるだけ遠くから回り込むようにしています。

近いとやっぱりすぐに逃げられちゃいますので。

 

で、見つけてからすること

わたしは……ですが、こちらに気が付いていない鹿に出会ったとき、まずしゃがむことを考えます。

わたしの僅かな経験ですが、しゃがんでいる状態だと、本当にシカはこちらに気が付かない印象です。立っていると、やっぱり目立っちゃいます。

音を出して、シカがこちらを向いたとしても、しゃがんでいるとわたしを見つけることができないことが多いです。

また、しゃがめば膝撃ちの姿勢に入ることができます。わたしは膝撃ちが好き&得意なので、とにかく可能ならばこの姿勢に入ろうとしますね。もちろん、地形的にしゃがんだら見えなくなることもありますので、その点は状況によりけりです。

 

遠くのシカがこちらの方向を向いているときは、すぐにしゃがむと特定されてしまうので、まずは “動かない” という選択をします。

こちらを特定されていないのであれば、ジーッとしてれば向こうは「気のせいか〜」とそっぽを向くこともあります。その瞬間にしゃがみます。ここでいう “そのうち” は数分のときもあれば、20分以上ってこともありました。

根比べですね。

 

わたしが何度もやったミスがあります。

こちらがシカを見つけ、上に書いたように相手の隙を見てしゃがんだとき、実は他にもシカがいて、こちらをバッチリ特定していて、「キャン!」と鳴いて群れごと逃げちゃうんですね。これで何度も悔しい思いをしました。

これを少しでも回避するために、今は1頭見つけたとき、必ず双眼鏡で他の個体も探します。とにかく身体のシルエットを動かさないように、肘を引き締めて、身体を動かさないように丁寧に観察。よーく見ると「これ、もしかしてシカのお尻?」なんて気付くときもあります。

それでも見つけられず、他のシカに特定され逃げられたことも多々……。

まぁ、そんなに理屈通りうまくいかないもんですが、とにかくこうやってわたしはがんばってます。

 

そのチャンスは必ず来る

わたしがこの初猟期で得た最大の教訓は「チャンスは必ず来る」っていう事実です。つまり「シカは逃げないときは逃げない」ってこと。

ここでいうチャンスとは「大チャンス」のことです。こちらに気付いてない、気付く様子もない、気付いても逃げない、近い、そういうシカが必ずいます。

もし射撃の腕があれば遠い獲物を撃ったり、走って逃げている獲物を撃つことも可能です。それができれば安定的な猟果を得ることも可能でしょう。それはそれで努力したいポイントです。

初心者のわたしのような人はそういう微妙なシチュエーションで獲物が獲れず、地団駄を踏むわけですネ。

 

「これじゃ、いつまでも獲れないよ」

 

と最初の頃は本当に思いました。「こんな難しいシチュエーションで獲らなきゃいけないのか……猟って難しいなァ」と思いました(猟が難しいのは今でも変わりませんが)。

しかし、シカのいる場所が段々と分かってきて、こういう大チャンスに恵まれる機会も増えてきました。毎回じゃないですよ。でも、繰り返し出猟していれば、「チャンスは必ず来る」と今では本当に思っています。

これがかなり心の支えになっていますね。

ぜんぜん出会いがなかったりして、苦戦して、悔しい思いをしていても「大丈夫。そのチャンスは今じゃないだけで、あとでくるから……」と楽な気持ちで猟を続けることができます。

これは本当に心の支えです。

これから初猟期に向けて準備する人にも、必ずこういうチャンスはやってくると思います。わたしのような初心者は技術的なアドバイスはできませんが、「わたしにもチャンスはきたのだから、そのチャンスまでコツコツ頑張ろうぜ」とは言えます。

来期もがんばりましょう!


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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