単独猟日記:ヒグマ探しのための新規開拓は続く

最終更新日

山の中で動物を探すというのは、途方もないことなんだ、と今年になって痛感している。

シカは何度か山に行き、注意深く探していれば見つけることは難しくない。もちろん獲物として捕獲するとなると、簡単とは言えないけれど、とにかくその存在を確認することは簡単だ。

普段シカを狙っているので、それを当たり前に思っていたのかもしれない。

「獲物はいるから、それをどうやって獲るか?」

そういう視点で狩猟に取り組んでいるわけだ。

でもね……。

ヒグマの痕跡があった場所をまずチェック

いまだにヒグマを見ることも叶わず、新しい痕跡もなかなか見つけられず、苦戦を強いられている。

この日もまずは過去にヒグマの痕跡があった場所を手早く回った。シカを獲りに来ているわけじゃないので、ザクザクとスピード重視。そんな時に限ってシカは姿を現す。

「ヒグマはきっとまたここに来る」

そんな期待をしている自分がいる。根拠はない。そして、そんな痕跡は見当たらないまま、グルッと一帯を歩ききってしまった。

 

新規開拓

山は途方もなく広い。

東西南北、どちらの方向に丸1日歩いてもたぶん人里には出られない。そのすべてを探索することはできない。そのうえ、いまのぼくは「日帰りしたい」という制約がある(娘が小さいので)から、何日も山にこもって……、ということはやれない。

だから林道を縦横無尽に走り回り、気になるところで山に入るというスタイルで、根気よく探すしかない……。

問題は「気になるところ」の根拠がないこと。

だってヒグマの生態を知らないから。もちろん本を読み、人に聞き、自分なりに考えてはいるけど、やっぱり実体験を持った「経験値」がないから、根拠薄弱な当てずっぽうしかできない。

というわけで、いまは多くは求めず、広く歩いて1つでも多くの痕跡を探すという気持ちでいる。

 

シカの誘惑、そしてエゾライチョウ

新規開拓で入った場所はシカパラダイスのようだった。

上の写真のオスジカを筆頭に、オスメス入り乱れ、3つの群れを見た。

撃てるシカも当然いたが、全部見送る。シカを獲っちゃうとその回収と処理に時間を取られるので。

それでもシカを見ると、猟に来ている感じがして気持ちは満たされた。

バタバタッと音がして見上げるとエゾライチョウがいた。じつは生で見るのは初めて。

 

ヒグマの糞だけあった

しばらく歩くと、ヒグマの糞だけあった(写真を撮るのを忘れた……)。

しかしそれも新しいものではなく、雨で崩れていた。

周りを見ても足跡など見当たらず、そろそろひと休みして帰ることに。

小雨が降っていた。前回(忍び猟の休憩でタープを張るという実験をしつつ、メスジカを獲る)に引き続けタープを持参していたので、それを広げてのんびり休むことにした。

焚火は面倒になり、アルコールストーブだけで米を炊き、ジンギスカンを作る。

タマネギは山に持って行きやすいので、わりと愛用している食材の1つ。
アルコールストーブに飯ごうは見た目にも不安定だけど、実際に不安定だった。笑

 

ヒグマは遠い

日に日にヒグマの遠さを実感する。

出会おうったって出会えない。でも、探してもいないのに出会っちゃう人もいる。

悔しいけど、まぁそういうもんなんで根気よく探していくつもりだ。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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