犬なし単独猟におけるナイフ装備について考える

最終更新日

自分なりに犬なし単独猟に取り組んでいて、段々とナイフに求めることが分かってきました。

まぁ、刃物については長ーい研究が続くと思うので、今後もいろいろ考えが変わると思いますが、1つの考えとしてまとめてみます。

狩猟におけるナイフの用途

猟におけるナイフの用途は

  1. 止め刺し
  2. 血抜き
  3. 皮剥
  4. 大バラシ

の4つかな。

これに加えて、藪払いであったり、(やるなら)調理であったり、いわゆるユーティリティ的な用途も加わりますが、わたしは藪払いはたまにしますが、それも基本的に獲物を担いだ帰路だけですし、料理はしないので結局は獲物が獲れるまではナイフの出番は少ないです。

また隠れた(?)用途として、遭難したときのことも考えてます。

狩猟の途中で焚火などはしませんが、遭難すればその限りではありません。火を焚き、シェルターを作り、ということはするでしょう。そのときもナイフが便利ですね。

 

わたしのナイフ装備

わたしはいわゆる秋田マタギが使うナガサの6寸と、3.5インチくらいの小さめのナイフを携行しています。

ナガサに関してはこちらと同等品です(ただしこちらのサイズは7寸。わたしのは6寸)。

 

同等品と書いているのは、ブランド名が違うから。こちらは西根打刃物製作所の叉鬼山刀という商品です。わたしのは叉鬼山刀という商標には乗らないものですが、制作者は同じで、スペックも同等品です。刃やサヤに入っている銘が違います。こういう2種類の商品がある理由は下記の記事で説明しています。

参考:秋田の旅土産話3:鍛冶屋さんでのナガサを購入日記

叉鬼山刀の定番サイズは7寸。1番人気だそうです。逆に4.5寸など、グッと短いものもあり、釣りなどで使う人が多いのだとか。わたしが選んだ6寸はちょっと中途半端なサイズかもしれません。

しかし、わたしには最適です。

ギリギリ鉈として「重さを活かした使い方」もできて、普段の猟で携行しても苦じゃないサイズ感。これはもちろん好みですからね。7寸でも8寸でもいいと思いますよ。

 

また解体に使っているのは奈良定守さん制作のナイフです。小さいのですっごく使いやすい。特にシカを解体するときは本当にストレスフリーです。小さいということはコントロールがとても正確になります。結果としてケガをしにくいのが嬉しいです。長い刃物で慣れない解体をやっていると、変に力が入ってケガしちゃう気がします。

あとで書くように、もうちょいとだけ長いナイフでもいいのかもしれませんが、そのへんは好き好きでしょうね。

 

基本は長短2本

というわけで、狩猟に携行するナイフは長短2本がいいな、というのが今のわたしの結論です。

長いナイフは16cm以上は欲しいところ。わたしのナガサは6寸なので、約18cm。これくらいがいいとわたしは感じています。実はシカならもっと短くてもいいと思っています。しかしイノシシの止め刺しや血抜きにあんまり短いと不便です。

というわけで18cmというサイズに満足しています。

 

で、短いナイフは人差し指のサイズが理想だと思っています。これは解体に限らずキャンプなどの山遊びで使うナイフでも同じように理想としています。

わたしの持論ですが、人差し指くらいの長さまでのものは器用に扱えますね。自分の身体のように扱える、とでも言いましょうか。まぁこれは慣れもあると思います。わたしはこれくらいのナイフに慣れているのでそう思うのかもしれません。これより長いと力を入れにくかったり、疲れてボーッとしているときに手を切ったりしやすいから。

とはいえ、やっぱりイノシシの解体をしていたとき「あとちょっと長くてもやりやすいかも……」と思ったのも事実。イノシシの解体経験が少ないのでまだなんとも言えませんが、次に猪が獲れたときに考えてみたいと思います。

 

剣ナタの必要はない

わたしは剣ナタを使っていますが、剣ナタである必然性はないです。好きだから使っているというだけ。

たとえばお馴染みモーラナイフ。こういう長いモデルもあるんです。高いものではないので、「どれがいいか分からない」という人は、このあたりを検討してみてもいい気がします。使ったことがないので、その点はご了承ください。

 

予備のナイフは携行してない

いまは予備のナイフは携行していません。気分で「こっちのナイフも試してみたいな」と、余計なナイフを持っていくこともありますが、必要だからというわけではなく、楽しんでいるだけです。

予備のナイフがいらないと思っているのは、万が一、解体ナイフを失っても、ナガサがあるから。もちろん長くて慣れないと扱いづらいものではありますが、解体ナイフを失うという、ほとんど起きないトラブルに対するバックアップとしては十分だと思っています。

それにこういうナガサで解体をする人もいます。要は慣れの問題。ナガサしかないなら、わたしもナガサでやります。問題なし。割り切る。

 

いかがでしたか?

ハンターにとって、刃物は鉄砲と同じようにこだわるポイントだと思います。

いろんなスタイルがあって、いろんな考えがあります。わたしは、いま、このスタイルが最高だと思っていますが、他の人は他の “最高” があります。

また、良し悪しとは別に好き嫌いってのもありますよね。洋ものはものが好きな人に「和式刃物こそ至高!」と説いても響かないでしょ? 好きなものを使うのが1番です。

いろんな人のスタイルを見るのは本当におもしろいですよね。

ぜひみなさんのスタイルも教えてください。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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