単独猟での温度調整は「頻繁に小さく調整」を心掛ける
単独猟で山を歩いているとき、温度調整はかなり考えさせられるテーマです。
なにしろ、厚着をしちゃうと歩き始めると汗をかく。数分でも立ち止まろうものなら汗が身体の熱を奪い、極端に冷えていきます。
薄着で出猟すると、延々と身体を震わせながら歩くことになります。とくに陰った谷間など極寒です。
完璧な格好なんてないと思いますが、自分なりにやっている工夫は「頻繁に小さく調整する」ということです。
服装の葛藤
いつも出猟前は服装で悩みます。だいたい固定されているのですが、中にどれくらい着込むかが悩みどころ。あるいは極端に冷えるときはアウターを1枚足す必要があります。
だから天気予報を見て、「う〜ん、1枚足そうかな〜どうかな〜」と考えます。いつも車には余計な服を積んでおいて、最終的には猟場で山に入る直前に決めますが、その時間帯はまだ日の出前。日中の温度がどうなるかは予報任せです。
正直、ザックを背負っているのであれば、余計な服を1枚着ていけばいい。暑くなったら脱いでザックにしまえばいいのだから。
でもわたしはザックなしで猟に出るようにしています。
となると、途中で服を脱ぐとそれをしまうところがありません。仕方がないので、脱いだときはベルト装備にかけてしのぎますが、その状態で藪に入ると引っかかったりするので、快適とは言えません。
だから、暑すぎず、寒すぎず、という適切な格好を目指しますが、完璧な答えはありません。
キーワードは「頻繁に、小さく調整」
一応自分なりにちょうどいい格好を目指して山に入ります。
山に入るとまずは登り。歩き始めて数分で身体が温かくなってくるのを感じます。そうしたらすぐに身体を冷ます努力をします。服を脱いだり着たりを頻繁に繰り返すのは面倒なので、ネックウォーマーを脱いだり、手袋をとったり、服のチャックを開けたり、簡単にできることをすぐにやります。
「そんなの当たり前」と言われそうですが、大事なことは「暑くなる前にやる」ってことですね。暑くなって、汗をかき始めてからネックウォーマー1つとっても効果がありません。そうなったら、しっかり脱いで、身体を冷やして、冷やしたらまた着て……ってな具合に「大きく調整」しないといけませんからね。
“小さく調整” という言葉の中には “立ち止まる” という行為も含めて考えています。
「あー、ちょっと身体が暖まってきたな〜。でもパッと脱げるものがないなぁ〜」
なんて思ったときは、その場に立ち止まって、1〜2分くらい身体を休めると一気に冷えます。
単独忍び猟ではこうして1〜2分休むことも結果的に獲物と遭遇する上で有効なことなので、まったく時間の無駄ではないと思っています。むしろそういうときに動物の気配に気付くこともあります。
逆に身体が冷え始めたら素早く防寒対策をします。
脱いだネックウォーマーを着る。手袋をする。手ぬぐいをもっているので、それを首や顔に巻く。
こういった服装での防寒に加えて「ポカポカしている日なたに出た休む」というときもあります。ルートの選択肢があるなら、「登る」ってのが最高の防寒対策です(まぁ、寒いからって理由だけで登ることも多くありませんが、ルート迷うときは暖まるために登ることもあります)。
“頻繁” が重要
繰り返すようですが、小さな調整を “頻繁” にやるのが大事ですね。
暑くなって汗をダラダラかき始めてからじゃ、何をやっても時すでに遅し。寒くて歯がガチガチ鳴るようになってから身体を暖まるのもひと苦労。
身体の小さな変化に早く気付いて、早く対策をすればいいってわけです。
……とここまで書いて、過去に似たような記事を書いたことがあるのを思い出しました。
参考:身体の小さな変化に気付いてあげることが快適な温度を保つ秘訣
それくらい重要なことなんです。今回、せっかく違った言葉で記事に書いたので、同じメッセージの記事ですがこのまま公開させて頂きます。
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